都会に残るか、田舎に帰るか。その選択は、親元を離れて都会で働いている人にとって、人生のターニングポイントとも言える大きなイベントです。
Uターン転職するきっかけはさまざまで、地元に帰らざるを得ない理由がある人もいるでしょう。しかし、Uターン転職をした人の中には、「こんなはずではなかった」と後悔しているケースも、ちらほら見られます。
この記事では、後悔しないための心構えとして、Uターン転職のメリット、デメリットを考えていきます。そして、満足できるUターン転職をするためのポイントを紹介します。
記事の最後では、20代のUターン転職の力強い見方となってくれる転職エージェントをピックアップしました。
Uターン転職をしたい人、迷っている人、どちらの人にも役立つ内容となっています。是非ご覧ください。
※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、転職エージェント紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。
20代がUターン転職するきっかけ
20代でUターン転職を考え始めるきっかけは、人ぞれぞれですが、どんな理由でUターン転職をしている人が多いのでしょうか。
ある会社が20代でUIターン転職をした男女119人を対象に実施したアンケート結果をご紹介します。
■20代のUIターン転職の理由ランキング
- 1位 ・・・ 家族の事情(介護・家を継ぐなど) 21.8%
- 2位 ・・・ 金銭的な問題 10.1%
- 同率2位 ・・・ 都会が合わない 10.1%
- 同率2位 ・・・ 結婚・離婚のため 10.1%
- 3位 ・・・ 地元が好き 9.2%
- 4位 ・・・ 地方への憧れ 8.4%
- 5位 ・・・ 実家で暮らしたい 7.6%
- 同率5位 ・・・ 体調を崩した 7.6%
介護や親が心配といった、家族の事情による転職理由が多数を占める結果となりました。
出典:bizhits
20代がUターン転職するメリット
続いて、20代でUターン転職をするメリットについて見ていきましょう。
主に考えられるのは、次の三つです。共感できるものはありますでしょうか。
家族の近くにいられる
何といっても、家族の近くにいられることが最大のメリットです。親と仲が良ければ、尚更でしょう。
万が一、家族にアクシデントがあったり、具合が悪くなった時は、すぐに駆け付けられる安心感があります。また、逆もしかりで、自分に何かあった際も駆けつけてもらえます。
今は、いつでもオンラインで顔が見れたり、会話ができますが、近くにいる安心感にはかないません。
また、高齢の親を残していることが気がかりだった人にとっては、近くにいることで自分自身も安心できるでしょう。
通勤ラッシュや人ごみから解放される
Uターン転職をすると、通勤ラッシュのような都会ならではのストレスから解放されます。また、地方では都会に比べて通勤時間を短縮できる傾向にあります。
満員電車で毎朝通勤していた人にとっては、通勤ラッシュがなくなるだけでストレスが軽減されるでしょう。朝早く起きて電車を乗り継ぎ、何時間もかけて通勤する必要もなくなります。
通勤時間が短くなった分、家族と過ごす時間を増やせたり、趣味の時間に充てたりできます。
人込みに揉まれず、ゆとりのある生活でワークライフバランスを重視した生き方ができるのは地方の良さの一つです。
地元の友人と遊べる
地元の友人といつでも遊べるようになります。
これまで帰省した時にしか会えなかった友人と、週末や平日の仕事帰りに気軽に会うことができます。疎遠になっていた学生時代の友人と、交流を再開してみるのもよいでしょう。
都会の生活で、会社の人間関係の中だけで生活していた人にとっては、昔からの友人は貴重な存在です。
空いた時間に飲みに誘ったり、たまには会社の愚痴を言ってストレスを発散したり。気の置けない仲間が身近にいることで、精神的な安定につながります。
20代がUターン転職するデメリット・後悔する人が多い理由
次に、20代がUターン転職する場合のデメリットを挙げてみます。
目をつぶりたくなることもあるかもしれませんが、後悔しないために、確認しておきましょう。
多くの場合は年収が下がる
地方は首都圏に比べて給与水準が低い傾向があります。
転職エージェントのdodaが、都道府県別の平均年収のランキング(2021年9月から2022年8月の1年間にdodaに登録した約56万人の平均年収データを、47都道府県別に集計)を発表しました。
それによると、男女とも1位が東京都、2位が神奈川県、3位が千葉県とトップ3はいずれも首都圏が占めています。エリア別で見ると、1位が関東、2位が東海、3位が関西、最下位は九州・沖縄でした。
そして、1位の関東の平均年収が423万円だったのに対し、最下位の九州・沖縄は366万円であり、57万円の差がありました。
都会から地方に移住する場合、年収がアップすることはレアケースであり、多くの場合は給料が下がると思っておいた方が良さそうです。
出典:doda
良い転職先は少ない
地方は企業数自体が少ないため、都会での就職活動に比べると条件の良い企業の選択肢が限られます。
仕事の規模が小さく、職種によっては取引先も地元の企業がほとんどという会社もあります。限られたマーケットの会社では、仕事がルーティン化しやすく退屈に感じるかもしれません。
また、都会でグローバルな仕事をしていたり、大きなプロジェクトに携わっていた経験のある人にとっては、仕事に物足りなさを感じるでしょう。
都会から地方へ戻る時は、価値観も大きく変えないと厳しくなります。
車の購入費と維持費がかかる
交通機関が発達している都会に比べて、地方では車がないと不便です。地方で生活するなら、自家用車は必須です。
車を持つとなると、結構なお金がかかることは覚悟しておく必要があります。車種にもよりますが、一般的な自家用車の価格は平均200~300万円です。
また、車の購入費のほかに、自動車税や自賠責保険、ガソリン代などで年間の維持費が30~40万円ほどかかります。ガソリン代が高騰すれば、さらに維持費は膨らみます。
そのほか、車検で10万円以上必要になる場合もあり、定期的なメンテナンス代も発生します。
物価は都会とさほど変わらない
地方は都会に比べると家賃や駐車場代が安いため、物価も安いのでは、と感じるかもしれません。
しかし、地方であっても物価は都会とさほど変わりません。。
例えば、通信費は日本全国ほぼ同じです。また、全国チェーンの店舗やメーカー品であれば、食料品や衣料品の価格にそれほど差はありません。
逆に、寒い地方や暑い地方の場合、暖房や冷房を多用するため、灯油代や電気代などの光熱費が都会よりも高くなることがあります。
地方は家賃や駐車場代が安くても、トータルで考えると生活コストは都会とあまり変わらないと言えます。
娯楽が少なく文化的施設のレベルも低い
地方の主な娯楽施設は、カラオケ、パチンコ、パチスロと言ったところでしょうか。ゲームセンターもありますが、寂しい雰囲気のところが多い印象です。
また、美術館や博物館などの文化的施設のレベルも低い傾向にあります。規模が小さく、著名な作品の展示や人気のある企画が少ないため、イベントに合わせて定期的に通いたくなるような文化施設とは言い難いかもしれません。客足が少なく、運営に課題を抱えているところも少なくありません。
地方では、娯楽や文化的施設のレベルには期待せず、ドライブや自然の中でアクティビティをするといった楽しみを見つけた方がよさそうです。
近所づきあいが面倒
田舎に行けば行くほど、近所づきあいの重要性が高まります。引っ越したら最初に挨拶をしておいた方が無難です。
都会のアパートやマンション暮らしでは、隣の住人と面識がなくても問題ありませんが、田舎だとそうはいきません。隣近所のコミュニティは、助け合いの精神で成り立っているからです。
ご近所同士、助け合うことで救われることもありますが、都会のドライな環境から一変します。田舎独特の人間関係が面倒だと感じ、都会に戻りたくなる人もいるかもしれません。
地域の付き合いが多い
地方での生活は、町内会のイベントなど、年間を通して地域住民の集まりが多くあるのが特徴です。青年団、消防団など、都会では必要がなかった集まりにも参加を求められます。
地方での生活は、その地域にいかになじむかが大事。
気が乗らなかったとしても、地域の活動となると断りにくく、参加しないといけない場合が多々あります。
男女の出会いがない
地方では、男女の出会いの場が圧倒的に少ないです。
昨今、地方から都会への若者の流出が激しく、若い世代の人口が少ないことが社会問題にもなるほどです。
また、地元に残っている若い男女は早く結婚していることが多い傾向にあり、20代と言えども、新しい出会いのチャンスが多くありません。
Uターン転職のデメリットまとめ
ここまでUターン転職のデメリットを見てきました。
地方には刺激的な仕事は少なく、年収が下がる。でも物価はほとんど変わらず、車の維持費など、地方がゆえに増えるコストもある。娯楽や魅力的な文化施設が少なく、面倒な近所づきあいが必要、などなど。
メリットを三つ挙げたのに対し、デメリットは九つも挙げてしまいました。Uターン転職はデメリットの方が多くない?と感じた人もいることでしょう。
Uターン転職は、これまで築いてきたキャリアや価値観を変えることになる一大イベントです。
気分に流されてUターン転職すると、後悔につながるリスクがあります。後悔しないためにも、想定されるデメリットを直視し、理解しておくことが必要です。
それでも、親や地元の友人のそばに居ると心が満たされる、ワークバランスを大事にしたい、人とリアルにつながった人生を送りたいと思った人は、Uターン転職に向いています。
20代のUターン転職を成功させるためのポイント
ここからは、20代のUターン転職を成功させるためのポイントを五つお伝えします。
満足できるUターン転職をして、豊かに暮らすためにも、ポイントをしっかり押さえて転職活動に臨みましょう。
地方ならではのメリットとデメリットを受け入れる
移住前に徹底的に情報収集をして地方ならではのメリット、デメリットを整理しましょう。
仕事面、金銭面だけでなく、周辺環境、ライフラインなど生活面のチェックも大事です。都会での生活とのギャップに苦しまないよう、地方へ移住後の生活を具体的にイメージしておいてください。
情報収集には、地方自治体のホームページを活用するのがおすすめです。
転職を決めてから移住する
企業から内定をもらってから移住するようにしてください。
転職活動を始めてもスムーズに決まるとは限りません。転職活動が長期化するほど焦りが生じます。
働く場所が決まっていない状態で移住すると、転職先を妥協してしまい、「こんなはずじゃなかった…」という後悔につながります。
Uターン転職では、焦りは禁物です。しっかりと条件を見て、「これだ」と思える企業への転職を決めてから移住しましょう。
できるだけ早く転職活動をスタートさせる
転職活動はできるだけ早くスタートし、少しでも有利に進めるようにしましょう。
転職市場では、年齢が若ければ若いほど価値があります。また、若ければポテンシャルを重視されるため、未経験の分野であっても採用される確率が高くなります。
残念ながら、地方では条件の良い企業や職種が限られています。給与や待遇のいい企業を見つけたらチャンスだと思った方がいいでしょう。未経験であっても果敢にチャレンジしてみてください。
【1番重要!】地元の優良企業に転職することにこだわる
Uターン転職では、地元の優良企業にこだわることを強くおすすめします。
優良企業に転職できないと、地方移住のデメリットが際立ってしまうからです。
地方での生活は想像以上に不便を感じるかもしれません。それでも、収入や休日などの条件面が希望に合った優良企業に転職できれば、地方移住にも納得感を得られるでしょう。
20代のUターン転職に強い転職エージェントを利用する
Uターン転職では、転職エージェントの利用が鉄則です。なぜなら、地方は求人数が少ないため、いかに情報を得るかが鍵になるからです。
転職エージェントには、良質な企業からの求人が集まる傾向にあり、ハローワークや求人サイトにはない情報もあります。
Uターン転職の際は、地方での転職に強く、非公開求人の取り扱いが豊富な転職エージェントを活用するといいでしょう。
20代のUターン転職に役立つ転職エージェント5選
ここでは、20代のUターン転職の助けになってくれるであろう転職エージェントをご紹介します。
相性の良い転職エージェントに出会えれば、成功に一歩近づけます。
リクルートエージェント
非公開求人を多数取り扱う大手転職エージェント
抜群の知名度と全国ネットワークで、地方へのUターン転職をサポートしています。また、創業35年以上と業界の先駆け的な存在で、転職に関するあらゆるノウハウが蓄積されています。
求人数は業界最大級。非公開求人の取り扱いは約20万件と、圧倒的な情報量が強みです。大手企業から未経験者歓迎のものまで、幅広い求人の中から紹介を受けられます。
キャリアアドバイザーとの面談は、土日や18時以降の時間帯も可能なため、働きながら転職活動する人にもおすすめ。経験豊富なキャリアアドバイザーから有益なアドバイスを無料で受けられます。
おすすめのポイント
- 全国の幅広い業種の求人を扱っている
- 非公開求人の取り扱い数が多い
- キャリアアドバイザーとの面談は土日や18時以降も可能
- ノウハウが蓄積された「面接力向上セミナー」を開催
求人数 | 604,776件 (非公開も含む) |
運営会社 | 株式会社リクルート |
公式サイトで詳しく見る
マイナビジョブ20’s
取り扱う求人はすべて20代が対象
20代の転職に強い転職エージェントです。取り扱う求人はすべて20代が対象なため、効率的に転職先探しができます。
登録者は20代前半が多く、社会人経験3年以内の人が全体の75%以上を占めています。若手の転職市場に詳しく、20代が抱える転職の悩みに寄り添ったサポートをしてくれる点も魅力です。
オフィスは、全国に5カ所。新宿、横浜、大阪、名古屋、神戸の各オフィスから、若手のUターン転職をサポートしています。
登録すると、世界中で利用されている精度の高い適性診断を受けることができ、自己分析に役立てられます。
おすすめのポイント
- 20代の転職市場のノウハウが豊富
- 取り扱い求人はすべて20代が対象
- 未経験者歓迎の求人が多い
- 自己分析ツールとして精度の高い適性診断を用意
求人数 | 3,921件 |
運営会社 | 株式会社マイナビワークス |
公式サイトで詳しく見る
doda
公式サイトで詳しく見る
ITエンジニアと営業職の求人が豊富
全国をカバーしており、求人数は業界最大級。ITエンジニアと営業職の求人が多いことが特徴です。
未経験からITエンジニアを目指したい人、Uターン転職をしたい人など、目的に応じた「オンライン転職フェア」が定期的に開催されています。
また、転職者を支援するセミナーやツールを多数用意。職務経歴書の作成支援ツールの「レジュメビルダー」、自分の強みを発掘する「自己PR発掘診断」など、さまざまなサポートが用意されています。
>dodaの公式サイトはこちら
おすすめのポイント
- 全国の求人を取り扱っている
- 20代に人気の高いITエンジニアや営業職の求人が多い
- オンライン転職フェアやセミナーなどの企画が多数
- 転職支援ツールを用意し転職活動をサポート
求人数 | 216,271件 (非公開も含む) |
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
公式サイトで詳しく見る
ワークポート
スクールで若手のキャリア育成をしている転職エージェント
全国の主要都市にオフィスを構え、若手のUターン転職をサポートしています。幅広い業種の求人を紹介してもらえますが、特にITエンジニアの取り扱いが多いことが特徴です。
若手のキャリア育成にも注力しており、無料スクール「みんスク」を開催しています。その中には、未経験者向けのITエンジニア養成講座があり、学習支援と転職支援の両面から手厚いサポートをしてくれます。
登録者は、ワークポートオリジナルのアプリを無料で使用可能。職務経歴書と履歴書がスマホやタブレットでも作成でき、スケジュール管理もできます。
おすすめのポイント
- 全国主要都市にオフィスがある
- ITエンジニアの求人が多い
- 無料スクール「みんスク」でITエンジニアの基礎を学べる
- 転職活動に役立つ無料アプリが充実
公式サイトで詳しく見る
マイナビエージェント
非公開求人や独占求人が多い
非公開求人のほか、マイナビエージェントだけの独占求人もあり、求人数の多さでは業界上位に入ります。
関東、東海、関西、九州を広くカバーしており、各オフィスからUターン転職を支援しています。
また、キャリアアドバイザーのカウンセリングが丁寧なことにも定評があります。サポートの有効期間がないため、条件を重視した長期目線の転職活動をしたい人にも向いています。
企業側と求職者のミスマッチを減らすために企業側のニーズを徹底的にリサーチしていることも魅力の一つです。
おすすめのポイント
- 転職サポートの有効期限がない
- 他にはない独占求人を扱っている
- 企業側のニーズを徹底的にリサーチしている
- 精度の高いマッチング力
求人数 | 63,066件 (非公開も含む) |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公式サイトで詳しく見る
まとめ
家族の事情、金銭的な理由、都会を離れたいなど、Uターン転職を考え始めるきっかけは人それぞれです。ですが、必ずしもUターン転職で課題が解決し、満足できる生活が手に入るわけではありません。
なぜなら、都会暮らしに慣れている人ほど、Uターン転職後のライフスタイルが変化するからです。
収入面のダウン、近所づきあいが必要、生活コストがそれほど変わらないことなど、デメリットも目を逸らさずに確認しておきましょう。
Uターン転職の場合は、いかに情報を入手するかが転職成功の鍵になります。自分が生まれ育った地元であっても、情報収集は必須です。
Uターン転職では、転職エージェントの力を借りるとスムーズに進みます。求人サイトに募集の掲載がなくても諦めないでください。非公開求人として転職エージェントが情報を持っている場合があります。
一人で悩まず、転職エージェントを上手に活用して、満足いくUターン転職を目指しましょう。