意外と知らない? 東京タワーが赤くて、スカイツリーが赤くないワケ

東京タワーの色といえば「赤」ですが、なぜあのような色になのでしょうか。あまり知られていない謎についてご紹介します。


東京タワーといえば「赤色」

 東京のランドマークといえば、やはり東京タワー(港区芝公園)でしょうか。1958(昭和33)年に総合電波塔として開業し、東京スカイツリー(墨田区押上、以下スカイツリー)にその役目を譲ったいまでも、多くの人に親しまれています。

東京タワー(画像:写真AC)



 そんな東京タワーのボディは、燃えるような赤色です。映画などの作品でも東京タワーは、赤色が目立つ塔としてよく登場します。

 例えば、2001(平成13)年の映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』に登場する「20世紀博タワー」です。外見が東京タワーと非常に似ているため、モデルになったと考えるファンは少なくありません。そんな20世紀博タワーも赤色でした。

 ほかにも、2003年にヒットしたファンタジーRPG『ドラッグオンドラグーン』(スクウェア・エニックス)では、ドラゴンが東京タワーに串刺しになり、その血でタワーが赤く染まる場面があります。ファンの間では、「東京タワーが赤い理由」と呼ばれ、いまも語り草となっています。

 そんな東京タワーですが、そもそも

「なぜ赤色なのか」

と考えたことのある人は、少ないでしょう。今回は、その「なぜ」を解説します。

そもそも赤くない?

 いきなりですが、東京タワーは厳密にいうと赤色ではありません。

 私たちが赤いと思っているあの色は、実は黄赤、あるいはインターナショナルオレンジと呼ばれる別の色。実際に東京タワーを間近で見ると、純粋な赤色ではないのがわかります。

東京タワーに接近した写真(画像:ハチミツ)



 東京タワー内部で展示されているネオンアートと見比べると、色の違いがハッキリとわかります。ネオンアートの赤色と比較すると、東京タワーは少しオレンジがかっています。

 公式ウェブサイトでも、東京タワーのカラーリングは「白」「インターナショナルオレンジ」の2色と明言されています。

 さまざまな創作で描かれ、人々のイメージとして定着している赤色の東京タワー。その本来の姿は、多くの人が抱くイメージとは少し異なっているのです。

理由は航空法にあった

 東京タワーの本当の色は、赤色ではなくオレンジ色でした。それではなぜ、東京タワーの配色はそのようになっているのでしょうか。この疑問について、東京タワー公式ウェブサイトでは、

「航空法で定められています」

と回答しています。

東京タワー内部で展示されているネオンアート「三丁目の夕日」(画像:ハチミツ)

 航空法とは、飛行機などの航空機の安全を守るために定められた法律です。この航空法では、航空機とのトラブルが考えられる、高層建築についての取り決めもあります。その第51条で、60m以上の高さの鉄塔は、“昼間障害標識(ちゅうかんしょうがいひょうしき)”を設置するよう定められているのです。

 昼間障害標識とは、航空機からその建築物がハッキリ見えるよう、決められた色で塗装すること。例えば高い建物が空と同じ青色だと、飛行機のパイロットから見えづらく、衝突など、事故の可能性が高まります。これを避けるための塗装が、昼間障害標識です。

 そして昼間障害標識に定められている色が、赤色、もしくはインターナショナルオレンジと白色の塗りわけなのです。東京タワーではインターナショナルオレンジと白色を採用し、この2色を地上150mの大展望台の上から、7等分で塗りわけています。

 ちなみに、1986(昭和61)年までは11等分で色を塗っていました。人によっては、こちらの方がなじみ深いかもしれません。

スカイツリーはなぜ赤くないのか

 東京タワーの配色は、法律にのっとったものでした。ここで、こんな疑問を抱く人もいるでしょう。

「東京タワーより大きいスカイツリーは、なぜ赤でもオレンジでもないのか」

 スカイツリー(634m)は東京タワー(333m)より遥かに大きく、その色は藍白(あいじろ)と呼ばれる青みがかった白色で、スカイツリーのオリジナルカラーです。もちろん、これでは昼間障害標識として成立しません。なぜ、東京タワーと同じ電波塔として建てられたスカイツリーは、目立ちにくい白系統の色でも問題ないのでしょうか。

東京スカイツリー(画像:写真AC)



 これは、スカイツリーが“高光度航空障害灯”を設置しているから。高光度航空障害灯とは、航空機に建物の存在を知らせるための赤色や白色の電灯です。そして、航空法をもとに具体的なルールを定める航空法施行規則では、高光度航空障害灯があれば、昼間障害標識を設置する必要がないとしています。そのため、スカイツリーは赤でもオレンジでもなく、藍白でOKというわけです。

 考えてみれば、60m以上の建物すべてに昼間障害標識を設置していたら、都心一帯が赤色かオレンジで染まってしまいます。もしそうなっていたら、東京タワーはいまよりも、目立たない存在だったでしょう。航空法施行規則は航空機の安全だけでなく、街の景観を守る側面もあるのかもしれません。

 多くの都民がなんとなく抱いている、「東京タワー = 赤」という印象。しかし、実際の東京タワーはそうではなく、カラーリングには深い意味があったのです。なんとなく常識だと思っていることには、意外と間違いがあるもの。そして、その理由を知れば、対象にさらなる愛着が湧くでしょう。

 もし東京タワーに足を運ぶ機会があったら、高さや展望台からの眺めだけでなく、その色にも注目してみてはいかがでしょうか。


【画像】風景が全然違う! 60年前「東京タワー」周辺の様子

画像ギャラリー

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