かつて町田市に「地下鉄建設計画」があった! 平成初期の壮大な夢はなぜ破れたのか
2021年11月20日
知る!TOKYO町田市に地下鉄を建設する――かつてそんな壮大な計画があったことを、皆さんはご存じでしょうか。その背景と結末について、鉄道ライターの弘中新一さんが解説します。
大都市ではない町田市になぜ?
町田市に地下鉄を建設する――かつてそんな壮大な計画があったことを、皆さんはご存じでしょうか。
地下鉄が存在するのは巨大な都市だけで、東京以外では
・札幌市
・仙台市
・横浜市
・名古屋市
・京都市
・大阪市
・神戸市
・福岡市
といった人口100万人超えの大都市にあります(千葉県の東葉高速鉄道と北総鉄道、埼玉県の埼玉高速鉄道、広島県のアストラムラインも地下鉄に含める場合があります)。
対して町田市の人口は、2021年4月1日時点で42万9645人。そこそこの人口ですが、地下鉄のあるほかの都市に比べると、はるかに小さなボリュームです。そんな街で計画された地下鉄とは一体なんだったのでしょうか?
平成元年に走った衝撃
町田市が地下鉄の建設を計画していることが明らかになったのは、平成が始まって間もない日のことでした。

1989(平成元)年3月14日付『朝日新聞』東京地方版には、「リニアでミニ地下鉄 渋滞解消に町田市が構想 東京」の見出しで、次のように報じられています。
「町田市は市内の交通渋滞解消のため、リニアモーターを使ったミニ地下鉄導入の検討を始めた。町田駅と木曽や山崎にある住宅団地を結ぶ1期工事を手始めに、JR横浜、小田急、京王線などの各駅と連結するビッグ・プロジェクト。1期工事は10年以内に開通させたいという。しかし、運輸省(現・国土交通省)地域交通局は「政令指定都市以外で市が地下鉄をつくるのは聞いたことがない」と戸惑った表情。1000億円以上の財源のほか、ルート決定などの問題もあり、実現までは曲折がありそうだ」
新聞各紙の報道によれば、町田市は1988(昭和63)年11月に「町田市新交通システム研究会」を設立。ここでの検討のなかで、渋滞の抜本的な対策として現在の都営大江戸線と同じ方式を使った地下鉄建設が検討されたとしています。
当時、町田駅周辺は再開発も進み、現在の中心部が完成していた時期でした。
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