中央道の七不思議? 高井戸IC下り線に「入り口」がないワケ
2021年10月19日
お出かけ車での移動を便利に快適にする高速道路。東京はもちろん全国に整備され、新たな区間の開通やジャンクションの設置が進められています。そんな中でナゾと言われるのが、杉並区上高井戸にある「高井戸インター」。中央道の下り線入り口が設置されていないのです。いったいなぜなのでしょうか。
あったら絶対便利なのに?
高井戸インターに下り線の入口がないことにより、首都高の永福ランプ(杉並区永福)か中央道の次のインターとなる調布インター(調布市富士見町)まで一般道を走行しなければなりません。
しかも、こちらの地域は甲州街道や環八通りをはじめとした交通量が多い地域のため、曜日や時間帯によっては高速道路の乗り口までいくのにも一苦労します。
そんな、利用する側からするとちょっと不便な高井戸インターですが、下り線の入り口が設置されないことには実は理由があるのです。
果たしてどんな理由なのか、それは中央道が開通する前の計画の段階までさかのぼることになります。
さかのぼること55年前
高井戸インターに下り線の入り口が設置されないのは、近隣の烏山北住宅(世田谷区北烏山)との兼ね合いが大きく関係しています。
烏山北住宅は、世田谷区に位置する住民団地で1966(昭和41)年に入居を開始します。この時点で、中央道が烏山北住宅の真ん中を通ることは計画で決まっていたのですが、なんと入居した住民には全く知らされておりませんでした。
これに驚いた烏山北住宅の住民たちは、1970年7月に中央道の建設反対運動を起こします。これにより、中央道の建設が3年4か月にわたり中断せざるを得なくなります。
騒音と排気ガスの対策として烏山シェルターと呼ばれるトンネルを設置することにより、どうにか問題解決を図ろうとします。中央道の高井戸インターの周辺に、山間部ではないのにトンネルがあるのには、そういった理由があるのです。
さらに、烏山北住宅の問題と並行して高井戸インターの位置や構造を変更する案も浮上しますが、そうしたらそうしたで、また新たな問題が発生してしまいます。
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