ナチュラルメイク人気は終わり? 東京の若者に「派手め」なアイシャドウが流行し始めたワケ

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ナチュラルメイク人気は終わり? 東京の若者に「派手め」なアイシャドウが流行し始めたワケ

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若い世代のメイクトレンドは常に目まぐるしく変化しています。以前はメイクしているかどうか分からないくらいの「ナチュラルメイク」が主流でしたが、いま東京の街で見かける女性たちは、思い思いの自由なアイカラーを楽しんでいます。都内で在学中の現役女子大生が、人気の理由を探りました。

都内の女子大生が背景を解説

 若い世代のメイクトレンドは常に目まぐるしく変化しています。以前はメイクしているかどうか分からないくらいの「ナチュラルメイク」が主流でしたが、いま東京の街で見かける女性たちは、思い思いの自由なアイカラーを楽しんでいます。都内に在学中の現役女子大生ライターに、人気の理由を聞きました。(構成:ULM編集部)

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 2021年夏、東京では、鮮やかなオレンジやイエローなどのビタミンカラー、パキッとして涼しげなブルーやグリーン、上品で華やかなゴールドといったアイカラー、アイメイクがトレンドとなりました。

2021年夏、東京ではパキッとした鮮やかなアイカラーがトレンドに。その傾向は秋以降も続きそうとのこと(画像:写真AC)



 都内の大学に通う筆者の周りの友人たちを見ても、まぶた全体に伸ばしたり、目じりにワンポイントで取り入れてみたりと、その楽しみ方は実にさまざま。

 いきなりカラーメイクを前面に出すのはハードルが高いと感じていた人も、まずは気軽に試してみることで普段と違う表情を楽しんでいた様子。アイカラーはもちろん、ほかにもマスカラをブラック以外のカラーにしてみたり、目尻にだけレッド系のアイライナーを引いてみたり、といった具合です。

以前はブラウンやピンクが主流

 2010年代後半頃までマスカラやアイラインは、基本ブラック、ちょっと冒険しても明るめのブラウン程度どまりでした。アイカラーも、ブラウンやピンクが中心でした。

 当時トレンドを席巻していたのは「オルチャンメイク」と呼ばれた韓国風メイクでした。甘い雰囲気のピンクを基調とした、韓国発のプチプラ(格安)ブランドのコスメアイテムがいくつも都内の店頭に並ぶようになり、安くてカワイイ、SNS映えするパッケージデザインに引かれた女性たちが次々手に取るようになりました。

2010年代後半は、ブラウンやピンクを中心とした「オルチャンメイク」が人気に(画像:写真AC)

 そして2021年現在、渋谷や原宿、新宿など東京都内のコスメ売り場をのぞくと、アイシャドウはもちろんマスカラやアイライナーまで、定番のピンクからパープル、カーキ、イエロー、ブルーなど、多彩なカラーが販売されています。

 あらためて、メイクにおけるカラーバリエーションは豊富になり、選択肢は確実に広がっています。そして各ブランドの秋冬コスメの展開を見る限り、この傾向は秋以降も当面続いていくものとみられます。

メイクも髪色も多種多彩に

 都内の大学キャンパスを歩くたび、学生たちはメイクだけでなく髪色など、自由に好きな色を取り入れてファッションを楽しんでいるのが印象的です。

 また、特に渋谷や原宿、表参道などの街角にはおしゃれな若者が多く、道行く人を見て「こんなファッションの楽しみ方もあるんだ!」と驚かされることもしばしばです。

 筆者自身、友達とのお出かけや旅行など、少し気分を変えてみたいときにカラーマスカラを使っていつもとは違うメイクを楽しんでいます。

理由1. 新型コロナも影響?

 さて、このようにアイカラーのバリエーションが豊富になり、流行した背景には何があるのでしょうか。筆者と同じ都内の大学に通う学生たちと意見を交わす中で、いくつかの理由を導き出しました。

 まずは、なんと言っても新型コロナ禍です。

 ここ1年以上、外出時にはマスクが必須。顔の半分が隠れてしまうので、唯一、常に表に出ている目元に力を入れようと思うようになった、という声は友人たちからも聞かれました。

新型コロナ禍では、せっかくメイクをしても顔の下半分が隠れてしまう(画像:写真AC)



 せっかくリップやチークの色を変えてみても、マスクをすると残念ながら見えなくなってしまいます。また、しっかり色をのせ過ぎると、マスクにメイクがついて汚れてしまう……という、今までにはなかったデメリットが生じました。

 さらに、ファンデーションを塗った上からマスクをすると湿気がたまって肌荒れしやすい気がする、そもそもマスクを取らないからベースメイクをしなくなった、という人も。

 それによってベースメイクの減りが遅くなり、以前よりちょっとお小遣いが浮いたという人もいました。

メイクするなら見える部分に

 せっかくメイクするなら、見えるところを頑張りたいと思うのは自然。筆者もベースメイクやリップをを買わなくなった分、浮いたお金でアイシャドウパレットを買ってみたり、今までは手にしなかった色のアイシャドウに手を出してみたりと、目元のメイクに注目するようになりました。

 先に触れた「オルチャンメイク」のトレンドの際、アイカラーと並んで人気を博していたのは、プルプルの唇を演出できるティントリップ。しかしコロナ禍では、リップに関して友人同士で情報交換する機会は、ずいぶん減ったように感じています。

 たとえマスクで顔がほとんど隠れていても、カラフルなアイシャドウを使って目元を引き立たせれば、パッと明るい印象になります。好きな色のアイシャドウをのせれば、気分転換にもなるのでおすすめです。

理由2. 引き続き人気のK-POP

 もうひとつの理由として挙げられたのは、やはり引き続き根強い人気を誇る韓国トレンド、K-POPブームです。

 2020年以降は特に、新型コロナ禍での外出自粛をへてYouTubeやTikTok、インスタグラムなど動画・画像を中心としたサービスやSNSの利用頻度がより増しました。

 同年、鮮烈デビューを飾ったガールズグループNiziUも、動画配信サイト「Hulu」や朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ系)で、在宅中の幅広い世代の人気を集めたのはご存じの通りです。

2020年、世間の話題をさらったガールズグループNiziU(画像:ソニー・ミュージックエンタテインメント)



 NiziUのように、韓国の大手芸能事務所や大手制作会社が手がけるオーディション番組が日本でも多く放送されるようになった影響もあって、若い世代のあこがれの対象が日本人タレントではなく他のアジア圏の芸能人ということは今や珍しくありません。

 今まで日本で“アイドル”といえば真っ先に想像したであろう「AKB48グループ」系のアイドルは、黒髪やナチュラルメイクなどの清楚な印象が強い一方、K-POPアイドルは華美な髪色やさまざまな色を取り入れたキラキラメイクが目立ちます。

どんどん近くなる隣国カルチャー

 インターネット通販の充実によって、モノやカルチャーが越境するハードルは年々低くなっています。若者にとっての隣国の“距離感”もとても近くなり、コロナ以前には格安航空チケットを使って韓国に1泊旅行に行く友人も少なくありませんでした。

 そういった中で自然と韓国アイテムをはじめとした海外(特にアジア圏)のコスメやメイクに触れる機会が多くなり、それまでの日本の化粧品にはあまり無かったようなパキッとした鮮やかなカラーや、大粒のラメなどが日本でも取り入れられるようになったと考えられます。

その人の個性が表れるカラフルメイク

 カラフルなメイクは、その人の個性が表れて、見ている側もとても楽しくなります。参考にしてみたい、と思わされたり、自分も自分らしいメイクを研究してみようと触発されたりします。

 コロナ禍が収束して、マスクをしなくても外出ができるようになったときには、アイメイクはもちろんほかのパーツメイクやおしゃれを楽しみたいと考えている若者は多いようです。

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