土地の風情はいずこへ? 東京の「昔ながらの町名」がことごとく消えてしまった理由
2021年7月7日
知る!TOKYO東京にはかつて歴史のある地名が多く存在していました。しかし今やほとんど残っていません。一体なぜでしょうか。フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。
歴史ある町名の多くが消えた理由
原宿・御徒町・汐留と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。恐らく駅名でしょうか。しかしこれらは、かつて歴史ある町名でした。町名の消滅後も駅名として残っているのです。
歴史ある町名の多くが消えてしまった大きな理由、それは1962(昭和37)年に「住居表示に関する法律」が施行されたことです。
この法律は、それまで町名・字名と地番で表示されていた住所を整理して
・町名
・字名
・街区符号
・住居番号
で表示することを目的としていました。具体的には、
○○町○○1234番地
↓
○○町1丁目2番3号(あるいは、○○町1丁目1234番地)
といったイメージです。
都市化により生まれた弊害
日本ではもともと、字名と地番で住所を表示するのが一般的でした。ところが都市化が進むと問題が起こります。

土地の区画が変更されたり、田畑や山林だったところに道路が敷かれて宅地になったりすると、
・土地の並ぶ順序と地番が一致しない
・境界が複雑になる
という事例が見られるようになったのです。
さらに、道路に囲まれた四角い区画の一部が別の町になったり、住んでいる人も境界をよく把握していなかったりする事態も起こりました。また田畑から宅地になった地域では、家の建つ土地が実際にはいくつもの町域に分断されているという事例もありました。
そこで1964(昭和39)年の東京オリンピックを前に、改革のひとつとして実施されたのが住居表示だったのです。
おすすめ

New Article
新着記事
Weekly Ranking
ランキング
- 知る!
TOKYO - お出かけ
- ライフ
- オリジナル
漫画