散歩好きからジャニーズファンまでが夢中に 赤羽駅西側の「凸凹スポット」とは【連載】拝啓、坂の上から(7)

赤羽と言えば、昭和のムード漂う飲食店や居酒屋が集まるイメージがあります。しかしそれは平地の駅東側で、西側は起伏にとんだ土地となっています。そんな赤羽エリアをフリーライターの立花加久さんが歩きました。


いたるところに階段坂がある赤羽

 太陽の光を浴びながら、見晴らしの良い坂のある、起伏に富んだ街を散歩するのは快適です。平地では使われない脚の筋肉も鍛えられ、野山ハイキングぐらいのエクササイズ効果も期待できます。緊急事態宣言が3月7日(日)に解除されたら、試してみることをお勧めします。

 都内には見晴らしの良い坂の集まる街がいくつかありますが、今回紹介するのは東京都北区にある赤羽です。赤羽に行くには京浜東北線や埼京線、宇都宮線、高崎線、湘南新宿ラインが走るJR赤羽駅が便利です。

 赤羽の地名の由来は、荒川の流れに削られ露出した赤い粘りのある土「赤埴(あかはに)」と言われています。そんな赤羽ですが、河岸段丘の低地が北の荒川から東にかけて広がり、西から南にかけては武蔵野台地がせり上がる起伏のあるエリア。散歩するにも飽きさせない、都内でも珍しいエリアなのです。

 赤羽は昭和のムードが漂う飲食店や居酒屋が集まるイメージが強いですが、それは駅の東口側。こちらは起伏の無い平地で、見晴らしの良い坂は反対の西口側となります。

 西口側は台地が織り成す起伏に富んだ丘陵地形が広がります。少し歩いただけで、いたるところに急な階段坂や、高低差のある地形が現れるのです。

標高20mからの眺め

 見晴らしを求めてまず訪れたいのが、創建784(延暦3)年の赤羽八幡神社(北区赤羽台)です。線路沿いに北に延びる長い参道の坂を、鳥居を目指して上っていけばそこは標高20mの別世界。眺望がいきなり開けます。

地上20mの高さにある赤羽の氏神さま「赤羽八幡神社」(画像:立花加久)



 また境内には、在来線と東北・上越新幹線の走る様が同時に楽しめる、鉄道ファンにとっておなじみの場所も。

 また、この神社のお守りや絵馬には数字の8を横にした「無限大」を意味する絵柄が描かれおり、これが男性アイドルグループ「関ジャニ∞(エイト)」と同じ意味合いであることから、近年は彼らのファンの聖地としても知られています。

くねくねと伸びる坂と昭和スタイルの団地

 次に、赤羽八幡神社の脇を沿うようにくねくねと伸びる師団坂(しだんざか)に向かいましょう。

 この坂は日清戦争を7年後に控えた1887(明治20)年、旧陸軍の近衛師団と第1師団の工兵大隊の兵舎がこの坂上に移ったことで造成されました。こちらからは、南西に広がるすり鉢状の地形を形成した街並みを俯瞰(ふかん)できます。

 しばらく坂を堪能した後は坂を下り、現在は再開発中の赤羽台団地がある赤羽台1丁目へと移動します。

 赤羽台団地は1962(昭和37)年、東京23区で初めての大規模団地として造成されました。全方向から日差しが入る画期的な団地建築として当時注目された「スターハウス」も近年まで残り、団地マニア垂ぜんの聖地として有名でしたが、現存する棟も取り壊しを待つばかりとなっています。

取り壊しを待つ赤羽台団地が造成された当時の珍しいスターハウスの建物(画像:立花加久)

 またこの一帯は東洋大学(文京区白山)の拡張計画もあり、まさに再開発真っただ中のエリアと言えます。

太田道灌ゆかりの地も

 より高台の赤羽台2丁目へと移動します。ここからはすり鉢状の地形の中に広がる街並みを見下ろすことができ、雄大な気分を満喫できます。

 続けて、そこから南側の高台にある住宅エリアを目指します。台地の形状に沿って曲がりくねった道を進み、住宅エリアに入っていくと、道を外れた路地の先にある崖っぷちに出くわします。突然に眺望が開けて、うれしい発見です。

 そのまま駅に戻るように台地の先端を目指して崖を上がると、室町時代の武将・太田道灌(どうかん)が築城したとされる稲付城跡に1655(明暦元)年建立された、曹洞(そうとう)宗の静勝寺(北区赤羽西)があります。

周辺が都の史跡の指定を受ける曹洞宗の静勝寺(画像:立花加久)



 高台にあるこの寺院には、参道として「稲付城址坂」と呼ばれる急坂の石段があります。坂上からの眺望は残念ながら周りの建物や木々に阻まれてかないませんが、崖のようにせり上がる武蔵野台地のダイナミズムを十分に体感できます。

 ちなみにこの稲付城址を含めた寺一帯は東京都の史跡になっており、往時をしのばせる雰囲気を満喫できます。

 このように、歴史と坂が織り成す少々ニッチな散歩もさまざまな発見があり楽しいものです。


【画像】今回登場するビュースポット(18枚)

画像ギャラリー

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