かつては200人以上の芸者が在籍 JR大塚駅そば「大塚三業地」の今を歩き残り香に酔う【連載】東京色街探訪(3)
2020年12月6日
お出かけ大塚駅の南東に、かつて大きなにぎわいを見せた色街があります。その名も大塚三業地。紀行ライターのカベルナリア吉田さんが歩きました。
途方に暮れる駅前、風情がない北口エリア
「大塚~大塚です。東京さくらトラム、都電荒川線はお乗り換えです」
うーむ、「東京さくらトラム」と言われても、個人的にどうもピンときません。「都電は都電だよなあ」と思いつつ、JR山手線大塚駅に降り立ちました。改札を抜けると出口が左右に、北口と南口に分かれています。
さて、どっちに行ったものか? 隣の池袋駅ならいざ知らず、大塚駅は東京に住んでいても、そうそう降り立つ駅ではありません。人の流れにつられ、まずなんとなく北口に出てみます。
広い駅前は大、大工事中! 再開発して、駅前を丸ごと作り変えているようです。丸くて巨大なオブジェがドーンとそびえています。
そして北口に出たものの、これまたどっちに行けばいいのやら。オブジェが立つロータリーを付け根にして、道が何方向にも分かれ、まるで手袋みたいです。行き先が定まらないまま、適当にブラブラ歩きだすと――それらはすぐ目に飛び込んできました。
コスプレサロン、プリティガール――黒服のお兄さんが「お決まりですかー?」と声をかけてきます。四つ角に女の子が立ち、首から提げた札に「初回限定1000円」の文字。一方で立ち飲み屋やホルモン居酒屋が何軒もあり、さらに台湾リラクセーションや「精力」の2文字を掲げる薬局も目につきます。
鋭い目つきの警察官が、辺りをパトロール。区役所の車が通りかかり「豊島区では路上での呼び込みを禁止しています」と連呼しています。
ここもまた「色街」なのでしょうが、風情がないので歩く気になりません。北口散策は早々と切り上げて、南口へと向かいます。

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