杉並のお伊勢さん!鎮守の森に囲まれた阿佐ヶ谷神明宮―東京神社案内【13】
東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本シリーズでは、写真家の石津祐介さんが神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第13回は「阿佐ヶ谷神明宮」です。●鎌倉時代に創建された神社 JR阿佐ケ谷駅の北口からほど近く、約3,000坪の森に鎮座する阿佐ヶ谷神明宮は「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」をお祀りする神社です。また全国で唯一、全方位の厄を払う「八難除(はちなんよけ)」でも知られています。 JR阿佐ヶ谷駅からほど近い場所に鎮座する阿佐ヶ谷神明宮(画像:石津祐介)【画像】人気の刺繍御朱印や授与品>> 今回は、権禰宜の安達政仁さんに神社を案内していただきました。 「日本武尊(ヤマトタケル)が東征の折に阿佐ヶ谷の地で休息し、後に村人がその伝説にあやかり社を設けたのが阿佐ヶ谷神明宮の始まりといわれています。そして鎌倉時代に、村人が伊勢神宮を参拝した際に大神宮のお告げがあり、伊勢の宮川から霊石を持ち帰り安置してご神体にしたと伝えられています」(安達さん) かつて神社の境内に広がる鎮守の森は「お伊勢の森」と呼ばれ庶民に親しまれていましたが、江戸時代後期には現在の場所に移転します。現在では、児童公園やバス停にその名を残しています。 拝殿の正面(画像:石津祐介)本殿につながる瑞祥門(神門)(画像:石津祐介)●伊勢神宮との関わりの深い神社 本殿(御垣内三殿)には天照大御神が祀られ、東西の摂社には東に月読尊(ツクヨミノミコト)、西に須佐之男尊(スサノオノミコト)が祀られており、御垣内の鳥居は、伊勢神宮式年遷宮の際に譲り受けたものです。そして、ご祈祷を行う降臨殿には、天照大御神の荒魂と豊受大神(トヨウケノオオカミ)が祀られています。 「本殿には、伊勢神宮と同じく天照大御神をお祀りしています。神社を改修した際に、摂社で祀られていた須佐之男尊と月読尊を本殿に並べる配置になりました」(安達さん) かつて本殿とつながっていた拝殿。改修の際に切り離されました(画像:石津祐介)中央に天照大神を拝する御垣内三殿(画像:石津祐介)ご祈祷を行う降臨殿(画像:石津祐介)●PVのロケ地や地域イベント会場として 阿佐ヶ谷神明宮は、アーティストのプロモーションビデオのロケ地となっている事でも知られています。また境内では、さまざまな地域イベントが開催されるなど文化の発信点としての役割も担っています。 2023年8月5日(土)・6日(日)には、22回目となる「阿佐ヶ谷バリ舞踏祭」が予定され、また10月20日(金)・21日(土)に阿佐ヶ谷で開催される「阿佐谷ジャズストリート」の会場の一つにもなっています。 神事や結婚式、イベントにも使われている能楽堂(画像:石津祐介)●人気の授与品や御朱印をいただこう 阿佐ヶ谷神明宮の授与品「神(かん)むすび」は、レース状のブレスレット型お守りで、手首に巻き付けたり、カバンやハンドバッグに付けるなどします。 「神むすびは、普段から身に付けられるお守りとして考案されたもので特に女性に人気です。季節限定のものもあります」(安達さん) 御朱印は通常のものに加え、美濃和紙に刺繍を重ねた特別御朱印符「大和がさね・和楽」が人気で、これらを収納する専用のファイル式のご朱印帳もあります。 女性に大人気の授与品「神むすび」(画像:石津祐介)「大和がさね・和楽」御朱印と神社オリジナルのファイル式のご朱印帳(画像:石津祐介)今回、神社を案内していただいた権禰宜の安達さん(画像:石津祐介)■阿佐ヶ谷神明宮(あさがやしんめいぐう) 住所:東京都杉並区阿佐谷北1-25-5 TEL:03-3330-4824 社務所受付:9:00~17:00 アクセス:JR中央線 阿佐ケ谷駅より徒歩2分 東京メトロ丸ノ内線 南阿佐ケ谷駅より徒歩10分
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