調理師免許の受験資格は?試験合格のためのポイントもまとめて紹介!

  • 全国
  • 学び・資格
調理師免許の受験資格は?試験合格のためのポイントもまとめて紹介!

\ この記事を書いた人 /

アーバンライフ東京編集部のプロフィール画像

アーバンライフ東京編集部

編集部

ライターページへ

国家資格である調理師免許は、調理の仕事をするのに取得しておきたい資格です。資格取得により、調理技術の証明や給与アップなどにつながります。本記事では、調理師免許取得までの流れや試験の勉強方法などを紹介します。調理師を目指す人は参考にしてください。

 調理師と言うと、料理を作る仕事というイメージが強いかもしれません。調理師になるには、調理の知識だけではなく、衛生面の知識も求められます

 調理師免許は、調理および衛生面についての正しい知識が証明できる資格です。調理師免許がなくとも調理業務はできますが、お客様の信頼を得たり就職や給与面で有利になるのに役立ちます。

 今回は、調理師免許の合格を目指すのに知っておきたいポイントを紹介します。

※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、講座の紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。

調理師の仕事とは

 調理師の仕事は、お客様に対して良質の料理を作り提供することです。そのためには、調理のみならず、食材の仕入れ・仕込み・管理、メニューおよび金額の設定、盛り付け、配膳、片付け、皿洗い、掃除、翌日の準備など、多岐にわたる作業が求められます。

 

 調理師が多数働いている職場では、経験が浅い調理師が食材の下ごしらえや調理器具の準備をすることが一般的です。経験豊富な調理師の指導のもと、仕事をスムーズに進められるよう工夫をこらしています。一方、独立して自分の飲食店を経営している調理師は、すべての作業を1人でこなすこともあります。

 

 料理を作るには、衛生面の知識も必要です。おいしい料理ができても、衛生面の管理を怠っていると、一人前の調理師とは言えません。手洗い消毒や、調理に使う器具や道具、食器などの衛生管理はもちろんのこと、調理師自身の身だしなみにも気を配ることが大切です。

 

 調理師としての就職先には、飲食店のほかに、病院・介護施設・企業の社員食堂・学校の給食室など、さまざまな業種があります。勤務先によって仕事内容は大きく異なり、病院や介護施設、給食室などでは、栄養士と協力してメニュー作成や調理作業を進める場合もあります。

 

 調理師の仕事に、幅広い知識やスキルが必要なことが分かりましたが、調理師としての仕事に免許は必要なのでしょうか。

免許がなくても調理業務はできる

 調理師とは、調理師法に基づく国家資格であり、名称独占業務となっています。これにより、調理師免許のない人は調理師と名乗れません。一方で、調理をする人全般を指す料理人やコックは、資格名ではありません。

 調理師免許がなくとも、料理人やコックとして調理業務を行うことは可能です。飲食店開業の際に、オーナーが調理師免許を所持していなくとも、食品衛生責任者の資格を取得していれば、問題なく開業できます。

 ただし、調理師免許を取得した時点で申請すると、講習を受けずに食品衛生責任者の資格も取得できます。食品衛生責任者の資格は有効期限がないため、一度取得しておけば資格を生かすことができます。

調理師免許が必須の職場もある

 調理業務に調理師免許は必ずしも求められないと解説しましたが、職場および扱う食材によっては、調理師免許が必須となっている職場もあります

 

 小中学校の給食や、病院・介護施設などで提供されている食事は、自治体が給食調理を外部企業へ委託して行っているケースが多くなっています。企業の選定条件のひとつが、調理師および、栄養士の配置人数です。

 自治体によって、必要な調理師の最低人数を定めている場合があるため、給食の調理委託を受けている企業に就職する際は、調理師免許の保有者が有利になります。

 

 また、フグの調理を行うには、通常の調理師免許と異なる「フグ調理師免許」が必要です。フグ調理師免許は、国家資格ではなく都道府県ごとで定められた免許です。取得するには、先に調理師免許の合格を条件としている都道府県もあります。

 

 以上の理由から、調理師免許を必須としている企業や飲食店などもあるため、取得しておくと安心です。

ほんとに必要?調理師免許を取得するメリットとは

 調理師免許が必須となる職場も一部ありますが、調理師免許がなくても、調理業務に携わることが可能です。調理師免許の取得をするメリットは、どのような点があるのでしょうか。

お客様の信頼を得られる

 調理師免許を取得すると、食や栄養、衛生面など調理に関する知識が確かであることを証明できるため、お客様からの信頼を得られます。お客様側と店舗側の双方で、大きなメリットとなるのです。

 お客様に安心して店舗をご利用いただくには、調理師免許を持っている人物がいることをアピールポイントにできます。特に、独立などで自分の店舗を構える場合に、代表者が免許を持っていると、信頼度が大幅に高まります。新しいお客様やリピーターを増やすのに、調理師免許はぜひ取得しておきたい資格です。

就職・給与面で有利になる

 職場の就職条件として、調理師免許を必須とする・調理師免許があると良い・調理師免許が不要の3パターンがあります。調理師免許があると、即戦力とみなされ、免許を持たない人よりも就職で有利になる可能性が高まります

 

 先ほど紹介したように、病院および介護施設や給食室などでは、調理師免許としているところが多く見られます。これらの施設へ就職を希望するのであれば、免許を取得しておいた方が有利です。

 
 職場によっては、調理師免許保持者に対して、手当や賞与を加算している場合があります。免許を持っていると、給与が上がりやすくなるうえ、さらに技術を磨きキャリアアップも目指せます。勤務期間が長くなるほど、メリットも大きくなるため、長く働くきっかけにもできるでしょう。

調理師免許を取得するための方法は?

調理師免許を取得するには、中卒以上の学歴に加え、受験資格を得たのち調理師試験における合格が条件です。各ステップにおける詳細は以下の通りです。

受験資格を得る方法は2つ

調理師免許試験の受験資格を得る方法は、以下の2つがあります。自分が取り組みやすい方法で資格を得るようにしましょう。

飲食店で2年間の実務経験を積む

 一つ目の方法は、飲食店などで2年間の調理実務経験を積むことです。条件がとても細かく指定されており、ひとつでも条件を満たしていないと試験が受けられなくなるため、注意が必要です。

上記で述べた飲食店などの施設に該当するのは、以下のとおりです。

  • 飲食店(簡易宿泊所および旅館を含み、喫茶店営業を除く)
  • 魚介類販売業(販売のみは除く)
  • そうざい製造業(佃煮を含む煮物・炒め物を含む焼き物・揚げ物・蒸し物・酢の物または和え物)
  • 学校や病院等の給食施設(1回20食以上もしくは1日50食以上継続して調理する)

 上記の施設で、週4日以上かつ、1日6時間以上の勤務が原則になります。なお、雇用形態(正規職員・パート・アルバイトなど)は問われません。この他にも、条件に該当しない職務内容もあるため、事前にしっかりと確認しましょう。

 

 実務経験を積んだら、施設から「調理業務従事証明書」を発行してもらいます。この証明書が、受験申請時の必要書類となります。時折見られるのが、実務経験に該当しない施設だと知らずに2年間働き、証明書が発行されずに受験できなくなったというケースです。働き始める前に、実務経験として認められるかどうかを必ず確認しましょう。

専門学校なら最短1年で受験資格を得られる

 2年以上の実務経験を積むのが難しいのであれば、厚生労働省が指定する調理師専門学校や調理師養成施設などに通うと、最短1年で受験資格が得られます。希望するジャンル(製菓など)や専門学校のカリキュラムによっては、調理師試験を受けなくても1年以上通って卒業すると、資格が取得できるところもあります。

 

 調理師免許の取得に必要なスキルや知識を、プロの講師が教えている専門学校が多くなっています。実務にすぐ役立てられるスキルだけでなく、実践現場における生の声も聞くことができます。

 

 実務経験を積むか、もしくは専門学校などで学ぶかは、希望するジャンルや個々の事情などにより変わってきますので、どちらが良いと一概に言うことはできません。自分に合った選択肢で、受験資格を得るようにしましょう。

調理師試験に合格する

 受験資格を取得したら、調理師試験の受験申請を行います。試験科目は、以下の6科目になります。

  • 公衆衛生学
  • 食品学
  • 栄養学
  • 食品衛生学
  • 調理理論
  • 食文化概論

 調理師試験の問題は、都道府県ごとで異なります。試験日が異なる受験会場であれば、住んでいる都道府県以外でも受験が可能です。

 全60問の出題で、四肢択一方式によりマークシートで回答するため、記述式での回答や実技試験はありません。合格ラインは、6科目の合計得点が満点の6割以上となっていますが、1科目でも平均点を大きく下回ると不合格となります。

 全国の合格率を平均すると、例年60%から70%程度となっています。合格率が一桁台の国家試験も多いため、国家資格の中で調理師試験の難易度は高くないと言えます。調理師免許は更新制度や期限がないため、一度合格すると一生有効です。

調理師試験合格のための勉強方法は?

 調理師試験に合格をするためには、効率の良い勉強が必要です。どのような勉強方法を心がけると良いのでしょうか。

書店で販売されているテキストで勉強する

 できるだけお金をかけずに勉強したい人は、書店でテキストを購入し、独学する方法があります。目安として、毎日1時間から2時間の勉強を、3か月から半年の間続けていきましょう。仕事をしながらの勉強であれば、毎日1時間の勉強を半年間続けるのが理想です。

 

 前述したように、試験科目は6科目ありますが、1科目ずつ勉強すると試験当日までに記憶が途切れてしまうおそれがあります。勉強する期間中に、6科目を少しずつ学習するのがおすすめです。

 6科目とも、出題範囲が広く内容も専門的であるため、効率よく勉強を進めることが大切です。書店で販売されているテキストのほか、「公益社団法人全国調理師養成施設協会」から一般向けにテキストが販売されていますので、そちらを活用するのも良いでしょう。

 

 また、調理師試験の実施団体である「公益社団法人調理技術技能センター」の公式ホームページに、過去問題が掲載されています。試験に近づいた段階で過去問題に取り組むのも、効果的な勉強方法です。

独学が不安な場合は通信講座がおすすめ

 独学で学ぶのが不安な場合や、時間的な制約を受けるのが難しい方は、通信講座の受講がおすすめです。通信講座では、専門学校などに通うのに比べて受講費用を抑えられるうえ、大半の講座で専門家が教材を作成または監修しています。このため、学校に通うのと変わらないクオリティーで学べます。

 

 通信講座の教材は、合格のために必ず学んでおくべき箇所や、過去の試験で出題された範囲などを網羅しているため、合格に向けて効率良く勉強できます。独学では、調理師法の改正などの最新情報を収集するのは困難ですが、通信講座の教材では最新情報もしっかりチェックできます。勉強場所を選ばず、自分のスキマ時間を使って勉強したい人には、ぴったりな勉強方法と言えるでしょう。

調理師免許通信講座のおすすめ3選

調理師免許試験に向けた通信講座の中で、特におすすめしたい3講座を紹介します。各講座の特徴を比較しながら、自分に合った講座を選んでみましょう。

資格のキャリカレ

おすすめポイント:スキマ時間で勉強でき、学習サポートが充実している

 資格のキャリカレは、コスパが良いことで受講者から支持を受けています。出題される範囲を、効率良くピンポイントで学習でき、学習量は一般教材の1/3となっています。1日20分の学習内容であり、通勤時間やちょっとした空き時間を使って勉強できるため、まとまった勉強時間を確保しなくても合格に近づくことができます

 

 分からないことがあれば、スマホから手軽に質問ができ、時間を問わずすぐに送信できます。勉強で気になることからささいな質問まで、無料で質問が可能です。資格を取得した後でも、学習期間内であれば何度でも質問を受け付けてもらえます。

 

 受講期間内に送付する添削問題は、専任講師が手書きで採点します。受講者の理解度に合わせたアドバイスをくれるため、理解しやすいと評判です。

 標準学習期間は3ヶ月ですが、受講開始から1年間は無料でサポートしてもらえるため、じっくり勉強したい人や勉強時間が取りづらい方も安心して勉強できます。

特徴

  • 1日20分の学習時間
  • 3ヶ月の学習で合格が目指せる
  • 理解度にあったアドバイスが受けられる
コース名・料金調理師合格講座:41,900円
キャンペーン期間限定キャンペーンあり
教材の特徴メインテキスト5冊+副教材+Web講義+過去問+模擬試験
イラストや図表が豊富
テキスト文中のARアイコンから映像講義再生可能
理解しやすい順番を考えられたテキスト
サポート内容スマホからの質問・添削指導
資格取得後の修了後の就職・転職、独立・開業サポート
教材到着後、1年以内の試験に合格できなければ受講料を全額返金 添削指導
受講期間3ヶ月~1年:1日20分
お祝い金・合格割引合格後キャリカレ指定の人気講座の中から好きな講座を無料受講可能

ユーキャン

ユーキャン調理師講座バナー

おすすめポイント:初心者を対象とした分かりやすいテキスト

 通信講座大手であるユーキャンでは、6ヶ月の学習期間で合格を目指せる、調理師試験講座を受講できます。無理なくじっくり学びたい方は、6ヶ月かけて勉強していくと良いでしょう。

 ユーキャンのテキストの特徴は、初心者が分かりやすいよう学びやすさを追求し、イラストや図表を豊富に使ったり重要な箇所を太字にしたりしている件です。試験の出題頻度が高い項目には、冒頭に星印がついており、一目見ただけで要点を押さえることができます。

  

 調理師試験には、専門用語も多数見られますが、初心者には聞きなれないものです。理解しやすいよう、用語の意味を欄外に解説しています。その場ですぐに意味を理解できるため、調べる手間がなく知識を増やせます

特徴

  • 6ヶ月かけてじっくり学べる
  • 初心者が分かりやすいテキストを作成している
  • 専門用語をすぐに理解できるよう、テキスト内で解説している
コース名・料金調理師講座:44,000円
教材の特徴メインテキスト6冊+副教材+Web講義+Webテスト
イラストや図表が豊富
要点を凝縮しているので、スリムでコンパクト
サポート内容メールや郵送で質問可
全4回の添削指導
受講期間6ヵ月~1年:1日60分

東北福祉カレッジ

おすすめポイント:スクーリングで実践スキルが身に付けられる

 東北福祉カレッジは、介護の資格取得を目指した講座が多い通信教育ですが、オンライン受講による調理師講座も設けています。最大の特長は、仙台本校でスクーリングが受けられる点です。スクーリングを実施する通信教育は、大変珍しいのが現状なので、これは大きなメリットと言えるでしょう。

 スクーリングにより、調理師試験対策に加え、最新の食品衛生関連法令も学ぶことができます。2年間の実務経験を積むための就職もサポートしており、提携業者およびグループ会社の厨房(ちゅうぼう)での勤務が可能です。経験を積みながら調理師免許を目指したい人におすすめです。

特徴

  • 仙台本校でスクーリングが受けられる
  • 実務経験のための就職サポートが受けられる
コース名・料金調理師免許養成講座:43,989円
サポート内容就職サポート
受講期間3ヶ月

まとめ

 調理師の仕事は、ただ料理を作るだけでなく、仕入れや仕込み、後片付けなどから衛生面の管理に至るまで、多岐に渡ります。調理師の資格がなくとも、調理業務は可能です。しかし、資格を持っていることで、調理スキルを証明できたり就職に有利になったりと、多くのメリットが受けられます。

 

 調理師試験に合格するには、独学で勉強するのもひとつの方法ですが、より効率的に短期間で合格を目指すには、通信講座の受講がおすすめです。

 調理師試験の合格を目指したい人は、今回紹介した内容を参考にしていただき、勉強しながら少しずつ知識を積み重ねていきましょう。

関連記事