自由が丘の「自由」って何ぞや? 都内メジャー地名の由来を調べてみた
東京にはさまざまな地名がありますが、その由来は意外と知られていません。今回はよく知られた地名の意外な由来に迫ります。東京には独特な地名が多い? 東京には有名なものからマイナーなものまでさまざまな地名があります。皆さんもふと「この街はなぜこんな名前なのだろう?」と思うことがありませんか? 上京者の筆者は東京に住み始めたころ、成増(なります。板橋区)や二子玉川(ふたこたまがわ。世田谷区)などの名前を目にして、ずいぶん面白い地名だなと感じました。 ということで今回は、都民でも意外と知らない地名の由来を四つご紹介します。 1.自由が丘 まずご紹介するのは、目黒区にある「自由が丘(じゆうがおか)」です。 「自由が丘」の文字(画像:ULM編集部) 自由が丘はブティックやカフェなどのショップが並ぶ、都内随一のおしゃれタウンとして知られています。高級住宅街も立ち並び、マリ・クレール通り、メープルストリート通り、サンセトアレイ通りなどといったように、街の通りの名前も独特です。 そんな自由が丘の名前は、大根畑の丘の上に私立学校が建設されたことに由来します。それまで畑と水田と林に覆われた田園地帯であった土地に、にわかに商店や住宅が建ち始め、その後 「自由ヶ丘学園」 が設立されました。自由教育を旗印に手塚岸衛が創立した学校の名前から、この土地は自由が丘と名付けられたのです。 今となっては街のイメージに合った名前ですが、意外にも由来は学校でした。自由という言葉の響きはいつ聞いてもすがすがしく感じます。 2.赤坂2.赤坂 続いてご紹介するのは、港区の「赤坂(あかさか)」です。 「赤坂」の文字(画像:ULM編集部) 赤坂には、高級マンションやミシュランの星を獲得しているレストランが多数あります。交通の便が良く、六本木や青山などの都心にも良いアクセス。TBSテレビの本社があるため、「赤坂といえばTBS」の印象が強く、テレビ好きにも昔から有名です。 そんな赤坂の名前は、見附から四ッ谷へのぼる紀伊国坂(きのくにざか)に由来します。坂の上に茜草(あかねぐさ)という草が生えており、「赤根山(あかねやま)」と呼ばれたことから、赤根山にのぼる坂を赤坂と呼ぶようになったとのこと。「染物屋が坂に赤い絹を干したから」という説もありますが、赤根山の説の方が有力なようです。 今ではモダンな建物が立ち並ぶ赤坂も、昔は植物が生えている自然豊かな山。地名とはイメージの異なる街に変化しているのが面白いです。 3.渋谷 次は渋谷区の「渋谷(しぶや)」。 「渋谷」の文字(画像:ULM編集部) 渋谷は若者の流行発信地として知られています。渋谷といえば、やはり渋谷109のイメージが強いでしょう。またGoogleを始めとするIT企業も多く、新宿や恵比寿へのアクセスも抜群です。 そんな渋谷の名前の由来はいくつかの説があります。ひとつは、昔この付近が入り江で「塩谷の里」と呼ばれており、その「塩谷(しおや)」が「渋谷(しぶや)」に変わったとする説。 もうひとつは、この地を流れる川の水が鉄分を多く含んでおりシブ色(赤さびの色)だったため「シブヤ川」 → 「渋谷」と名付けられたという説です。 ほかにもいくつかの説がありますが、定説はありません。どの説が真実でも、自然や地形に由来しており、今の都会的な渋谷からは想像しにくいですね。 4.笹塚4.笹塚 最後にご紹介するのは、渋谷区の「笹塚(ささづか)」です。 「笹塚」の文字(画像:ULM編集部) 笹塚には、「笹塚ボウル」という有名なボーリング場があります。渋谷や新宿などの主要駅にアクセスしやすく、ショッピングモールや銭湯などもあり、とても生活しやすい街です。また飲食店の数も多く、ひとり暮らしの人には人気が高くなっています。 そんな笹塚の名前は、笹塚駅の北側を走る甲州街道に由来します。江戸五街道のうち、唯一区内を通っていたのが甲州街道。その両側には塚(盛り土)があり、その上にササが生い茂っていたことから「笹塚」と呼ばれるようになったといわれています。 ちなみにこの塚は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将、大久保長安(おおくぼながやす)によって設けられました。 塚にササが生い茂っていたから「笹塚」と、その由来は実にシンプル。大久保長安は謎めいた人物といわれていますが、もしかしたらあまり深く考えずに物事を考えるタイプだったのかもしれません。 ※ ※ ※ 今回は都民でも意外と知らないかもしれない、東京の地名の由来を紹介しました。普段は何気なく訪れている街でも、名前の由来を知ることで歴史を感じれば、より一層好きになれるのではないでしょうか。
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