永田町に鎮座する「山王日枝神社」、なんと表参道は国会議事堂裏から伸びていた

赤坂見附と溜池交差点の間にある「山王日枝神社」。その「由緒ある」参拝方法について、フリーライターで古道研究家の荻窪圭さんが解説します。


国会議事堂の裏に残っていた、江戸時代の表参道

 そんな山王日枝神社へ参拝しよう、って話ですが、外堀通り沿いにあるモダンな山王鳥居は使いません。

 「外堀通り」は文字通り江戸城の「外堀」の跡。外堀は江戸を守る重要な防御施設ですから橋などはありません。外堀を超えるには赤坂見附へ回る必要があったのです。赤坂側から直接参拝できるようになったのは明治以降のことなのです。

 せっかく古い神社を訪れるのですから、当時の参道を歩きたいですよね。

 江戸時代はどちらから参拝していたのか。江戸時代の地図に描かれた参道と今の地図を比べて見ると……なんと、国会議事堂の裏から伸びている道ではないですか。

1850年の江戸切り絵図(国立国会図書館デジタルコレクション)より、幕末近くの山王樋上神社。山王坂に鳥居が2つある。「星ノ山 日吉山王大権現社」と書かれている(画像:荻窪圭)

 ちょっとドキドキしますが、行ってみましょう。最寄り駅は……さまざまな地下鉄の駅が複雑に絡み合っててややこしいのですが、一番近いのは東京メトロ丸の内線と千代田線の国会議事堂前駅1番出口。総理官邸前の交差点に出ます。

 政治の中心地で、総理大臣公邸と官邸、内閣府、国会議事堂、衆議院議員会館に囲まれ、常に大勢の警官が警備しているエリア。山王日枝神社へ参拝するのにわざわざ国会議事堂裏から回るなんて酔狂な人はいないので目立つかもしれませんが、大丈夫です。

坂の谷底にかつてあった茶屋や寺

 国会議事堂裏にある衆議院会館前という丁字路が、山王日枝神社への入口。

 そこから国会議事堂を背に下る坂が「山王坂」で、当時の地図を見ると坂道に鳥居の絵が描かれています。ここに一の鳥居があったのですね。今は江戸時代の雰囲気はカケラも残ってませんが、気にせず坂を下りましょう。

山王坂の途中から国会議事堂方面。江戸時代にはこのあたりに鳥居があった(画像:荻窪圭)

 坂を下りきった谷底あたりに門前の茶屋やお寺がありました。

 さらに奥へ進むと急に雰囲気が変わります。国会議事堂や議員会館と赤坂のビジネス街の境界にある聖域感がたまりません。

今でも変わらぬ石段の段数

 いったん左手に曲がると、右に古い山王鳥居が現れます。近代的でモダンでさわやかな外堀通りの山王鳥居と違い、歴史を感じさせてくれ、気も引き締まるってもんです。

表参道の山王鳥居。52段の石段を登ると立派な随神門が現れる。できればこちらから訪問したい(画像:荻窪圭)

 一礼をして鳥居をくぐったら石段を登りましょう。江戸時代前期の地図に「石ダン五十二」と書いてあります。20人ほど連れて参拝したときに参加者の方が数えてくれましたが、今でも52段だったそうです。江戸時代から変わってないのですね。

 階段を上りきると左手に手水舎(ちょうずや)があるので、そこで手と口を浄め立派な神門から境内へ。

回廊で四角く区切られた拝殿


【江戸前期の絵図】1670年ごろの山王日枝神社。山王坂の鳥居、坂下の「ちゃ屋」が描かれている

画像ギャラリー

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