渋谷駅直結!桜丘口に誕生する超高層ビル群は「渋谷の○○を変える」!?

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渋谷駅直結!桜丘口に誕生する超高層ビル群は「渋谷の○○を変える」!?

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若杉優貴

都市商業研究所

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渋谷・桜丘口に誕生する超高層ビル群の竣工が11月末に迫ってきました。今回は2024年春~夏にかけて順次開業を予定している「Shibuya Sakura Stage」の持つ大きな役割と周辺再開発の状況について、都市商業研究所の若杉優貴さんが解説します。

間もなく完成する桜丘再開発、その「大きな使命」とは…?

 再開発が続く渋谷駅前で、今年度(2023年度)末に新たな街区が完成します。その名も「Shibuya Sakura Stage」(シブヤサクラステージ、以下サクラステージ)。

 このサクラステージは、他の渋谷駅前にある再開発ビルとは違う「大きな使命」を持っているのです。

東急・シブヤサクラステージ(手前がA街区)。 左側にデッキが設けられ、渋谷駅と直結されます。(画像:若杉優貴)



桜丘口、地理的ハンデを克服すべく「渋谷の地形を変える」

 「サクラステージ」の開発は、東急不動産が中心となって「渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業」として進めてきたもので、その特徴は「渋谷駅直結」、そして「渋谷(桜丘口地区)の地形を変えるほどの大規模開発」であるということ。

 桜丘口地区は渋谷駅前であるものの、首都高3号線・国道246号線玉川通りによって駅と隔てられており、また大部分が戦災に遭っておらず、狭い路地と坂が多い街として知られていました。それゆえ、個性的な店舗やライブハウスが多く立地していたほか、近年はベンチャー企業や若手起業家の創業拠点ともなっていた一方で、駅から桜丘口に行くためには大型の横断陸橋(1968年竣工、通称「マンモス歩道橋」)を渡る必要があり、アクセス性が悪いため身障者や高齢者にとっては訪れづらく、また狭い路地に木造の建物が密集しているにもかかわらず緊急車両が通りづらいなど、防災面の不安も指摘されていました。

「渋谷」という地名を体現するかのように路地と坂が多くあった桜丘口。(2018年撮影、写真左側が1期再開発エリア) 地理的ハンデから比較的地価が安く、唯一無二の個性的な町並みがありました。(画像:若杉優貴)

 桜丘口再開発における最も大きな使命は、こうした地域における「地理的ハンデの解消」です。

 再開発は1期と2期にかけて行われ、1期部分は2018年に着工。今年11月30日の竣工・2023年度末ごろの開業を予定しており、2期部分(仮称「ネクスト渋谷桜丘地区再開発」)については2024年以降に始動する予定となっています。

 東急グループによると、今回開業する1期再開発部分の「Shibuya Sakura Stage」という名称には「これから生まれ変わる桜丘のまちが、桜を愛して皆で楽しむ日本人の心を大事にしたい」という想いと、「さまざまな個性が集う渋谷で、働く人・遊ぶ人・住む人、すべての人が主役となり、自らのものがたりを発見・発信する舞台でありたい」という想いが込められているとのこと。開発地域は1期再開発エリアだけでも約2万6000平方メートルと広大で、エリア内は大きく3街区に分けられます。

 そのうちA街区「SHIBUYA サイド」は地上39階・地下4階建て・179mのA1棟「SHIBUYA タワー」、地上17階・地下4階建て・90mのA2棟「セントラルビル」で構成、B街区「SAKURA サイド」は地上30階・地下1階建て・127m(3階建てのB先端棟「SAKURAテラス」併設)、C街区には開発敷地内にあったキリスト教会「中渋谷教会」が移転します。

「シブヤサクラステージ」街区概要。(東急不動産ニュースリリースより)

 先述したとおり、桜丘口再開発の大きな目的は「地理的ハンデの解消」。今回の再開発では、桜丘口エリア全体へのアクセス性向上を図るべく、サクラステージ完成に合わせて、JR 渋谷駅新改札口から「(仮称)北自由通路」や国道 246 号を横断する「渋谷駅西口歩道橋デッキ」などを設けることで駅とサクラステージを直結。さらに地形を変えるのみならず、道路をまたいで街区をつなぐ歩行者デッキ(陸橋)や傾斜地を克服するための縦軸動線「アーバン・コア」を整備することで、地域の利便性・回遊性を高めるとしています。

吹き抜けの縦軸動線「アーバン・コア」。傾斜地ゆえ、アーバン・コアがあるA街区の3階はC街区の地上レベル(通常の地上1階)に当たります。(画像:東急不動産ニュースリリースより)
渋谷駅から見たサクラステージ。渋谷駅の新改札口と直結されることになります。(画像:若杉優貴)
サクラステージのすぐ前では2027年度の完成をめざして渋谷駅ビル中央棟・西棟の建設が進行中。サクラステージの本領発揮は駅ビル完成以降になりそうです。(画像:若杉優貴)

 サクラステージのうち、A街区を中心とした低層階は商業施設となります。店舗面積は合計約1万5200平方メートルで、最先端のトレンドやカルチャーを創出・情報発信を担うものになるとしていますが、9月時点で詳しいテナント名は未発表。今後の発表が待たれます。

 また、B街区の中層階には126室のサービスアパートメント「ハイアット ハウス 東京 渋谷」、B街区の高層階には155戸の分譲マンション「ブランズ渋谷桜丘」などが入居。このほか、A街区の大部分とB街区の中層階はオフィスとなります。

 サクラステージのそれぞれの街区は、2023年度末前後までに順次開業する計画で、東急不動産は2024年夏に「まちびらきイベント」を開催する予定としています。

シブヤサクラステージ・街区・階層構成。傾斜地に建設されていることがわかります。(画像:東急不動産ニュースリリースより)

まだまだ続く渋谷駅前の再開発――駅ビルは2027年度に全面完成予定

 渋谷区内では、サクラステージ以外にも今年8月に旧ドン・キホーテ渋谷店跡の「道玄坂通 dogenzaka-dori」が、2024年春には神宮前交差点の「東急プラザ原宿『ハラカド』」が開業。それ以降も、渋谷ヒカリエ隣の複合超高層ビル「渋谷アクシュ」、東急百貨店本店跡の「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト(仮称)」、公園通りの「丸井渋谷店(渋谷マルイ)建て替え」、宮益坂通りの「渋谷二丁目西地区再開発」、東急百貨店東横店跡地周辺に建設中の「渋谷駅ビル中央棟・西棟」、そして本文でも触れた「(仮称)ネクスト渋谷桜丘地区再開発」などの大型開発プロジェクトが2020年代中に相次いで完成する予定となっています。

 常に変わり続ける街・渋谷。10年後にはどういう姿を見せてくれるのでしょうか。

再開発のタワークレーンが立ち並ぶ渋谷区。最も高いタワークレーンはサクラステージ。 今後も大型プロジェクトが続きます。(2022年11月撮影)(画像:若杉優貴)

■Shibuya Sakura Stage(シブヤサクラステージ)
住所:東京都渋谷区桜丘町2-3 ほか

参照ニュースリリース:
まちの回遊性を高める、渋谷の新たな玄関口 渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業の施設名称が「Shibuya Sakura Stage」に決定 ~「働く・遊ぶ・住む」を兼ね備えた施設として、2023年11月30日竣工・以降順次開業予定~(東急不動産)
https://www.tokyu-land.co.jp/news/2023/000826.html

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