公認会計士の試験は、範囲が非常に広く、内容も難解なため、最低でも3,500時間の勉強が必要といわれていることをご存知でしょうか?
試験勉強以外にも、試験当日までにすべての範囲を終わらせるための勉強スケジュールを立てたり、試験に出そうな重要ポイントを絞ったりと、するべきことはたくさんあります。
ただでさえ、膨大な量の勉強をしなくてはならないのに、勉強以外にもしなくてはいけないことがあるなんて、聞くだけで気が滅入ってしまいますよね。
しかし、知らないから躓いてしまうだけで、必要なポイントを押さえれば、公認会計士の試験勉強もスムーズに進めることができます。
この記事では、公認会計士の試験の内容、勉強の方法や、実際の勉強のスケジュールなどについて紹介しています。
勉強を始めたばかりで、なにから手をつけたら良いのか困っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
※本記事はアーバンライフメトロが独自に記事を制作し、スクール紹介にはアフィリエイトプログラムの協力をいただいています。
公認会計士の勉強の手順
公認会計士の試験の範囲は非常に広いことが特徴です。
短答式試験の科目が、財務会計論・管理会計論・監査論・企業法の4科目、
論文式試験の科目が、会計学・監査論・企業法・租税法・選択科目の中から1科目の5科目です。
選択科目は、経営学・経済学・民法・統計学の中から選びます。
この膨大な量の内容を試験当日までにすべての勉強し終えるためには、効率的に勉強をしていかなくてはなりません。
これらの試験科目には、科目ごとの注意点があり、注意点を知ることで、点数を稼ぎやすくなります。
ここでは、必須科目と選択科目別に、科目の内容やポイントについて解説していきます。
実際に勉強する際や、選択科目を選ぶ際の参考にしてくださいね。
必須科目
まずは、必須科目である「財務会計論」「管理会計論」「企業法」「租税法」「監査論」の内容と、ポイントについて解説していきます。
必須科目の中にも、得点源になりやすいものや、押さえるべきポイントがあります。
必須科目で得点を稼ぐことが合否に直結しますので、勉強をする際の参考にしてくださいね。
財務会計論
財務会計論とは、株主などに対して、財政の状態と経営の状況に関する情報を提供することを目的とした会計理論です。
簿記の計算部分と簿記の理論(財務諸表論)の両方の内容が含まれています。
財務会計論は、配点が他の科目の2倍設けられているため、財務会計論で点数を稼げるかどうかが合否に大きく影響します。
また、財務会計論は勉強すればするほど結果がついてきやすい科目ですので、比較的点数を取りやすい科目でもあります。
簿記の計算部分は、範囲が非常に広いため、理論部分と同じ範囲を時間内に正確に解けるよう、毎日繰り返し練習をする必要があります。
財務諸表論は、このあと説明する企業法と似ていますが、こちらは専門用語が少なく、一度理解と暗記ができれば高得点を出しやすい科目です。
管理会計論
管理会計論とは、企業内部の経営者に、意思決定と業務の管理に関して役に立つ情報を提供することを目的とした会計理論です。
管理会計論も、財務会計論と同様に、計算と理論の両方の内容が含まれた科目になります。
計算部分である「原価計算」は、基本的には時間さえあればどなたでも解ける科目ですが、逆をいえば時間が足りずに点を落とす方が多い科目でもあります。
原価問題を解く方法は無数に存在しますから、問題を解く方法の暗記ではなく、「考えて解く」ことを意識した勉強が、得点への近道です。
理論部分である「管理会計」は、出題範囲が膨大ですが、実は頻出論点自体はそれほど多くありません。
出題される可能性の低い範囲まで勉強するのではなく、論述問題を解くために必要な基礎的な考え方を理解することを意識すれば、勉強時間は少なくて済みますし、点数も取れます。
企業法
企業法とは、「会社法」「商法」「金融商品取引法」が含まれた科目で、公認会計士の試験の中でも稀少な、法律のみの科目になります。
その分、膨大な量の暗記が必要な科目でもあるため、早期に勉強を開始することをおすすめします。
企業法の試験の範囲は非常に広いため、すべてを暗記しようとするとキリがなく、試験の際に点数が取れなくなってしまいます。
そのため、「答練・問題集」をベースとした勉強で、必要な範囲のみの理解と暗記をしていくことが点数アップにつながっていきます。
企業法でメインとなる内容は「会社法」で、その他の商法や金融商品取引法は一部分だけが試験の範囲になりますので、会社法に重点をおいて勉強を進めていくと良いでしょう。
租税法
租税法とは、「法人税法」「所得税法」「租税法総論及び消費税法」「相続税法」の四つと、そのほかの租税法各論を含んだ科目です。
試験の内容は、計算と理論になっており、配点は6:4です。
配点の割合は計算の方が大きいですが、回答が完全に一致していなければ得点が得られない計算問題とは反対に、理論は、論述での回答を求められるため、部分点がもらえます。
租税法に力を入れている方は比較的少ないですが、部分点がもらえますし、範囲の広い計算の試験勉強をしているうちに、理論に必要な知識を学ぶこともできます。
ですので、租税法こそ得点源にすることをおすすめします。
租税法の計算は財務会計論の計算とかぶる部分がありますが、財務会計論よりも忘れやすい人が多いです。
そのため、財務会計論と同様に、毎日勉強するようにしましょう。
監査論
監査論とは、公認会計士だけができる業務の「監査」に関する科目です。
監査論の試験範囲が狭いですが、応用力を使って解く問題が比較的多く出題されますので、全科目の中でもっともリスクが高い科目です。
監査論が理由で、公認会計士の試験が不合格になってしまった方もいますので、対策はしっかりと行いましょう。
どの問題にも共通していることですが、知識を使って解く問題は、暗記をするなどの対策ができますし、試験本番でも比較的早く解答することができるため、得点源になります。
監査論は、応用力を使って解く問題が多く出題されますが、知識を使って解く問題が出題されない、というわけではありません。
そのため、知識を使って解く問題を完璧に解答できるよう、対策を練ることが合格への近道です。
また、監査論の問題の多くは、「監査基準委員会の報告書」から出題されていますので、この報告書はしっかり読み込んでおきましょう。
選択科目
次に、選択科目である「経営学」「経済学」「民法」「統計学」について、解説していきます。
選択科目は、どの科目を選ぶかが、試験の合否に直結します。
それぞれの科目の内容やポイントを理解し、いちばん最善のものを選びましょう。
経営学
経営学とは、経営と財務の管理に関する基礎的な理論のことで、計算と理論の両方から出題されます。
ほかの選択科目と比較して専門性が低く、勉強しやすいことが理由で、約80%の受験生が選択する科目です。
経営学の主な内容は、「知識論」「組織論」「ファイナンス論」「財務論」などになります。
経営学は、出題の可能性が低い部分と高い部分がしっかりと分かれているため、内容ごとに対策を行っていくことで、得点につなげることができます。
たとえば、組織論の場合は、テキストからはあまり出題されず、試験当日に初めて見る問題が出てきたりするので、重要な論点のみをしっかり理解することがポイントです。
財務論では、特別高度なことは問われませんが、数学の知識があるかどうかはポイントになります。
分散、期待値の算出、一次関数などは勉強しておきましょう。
また、ファイナンス論に関しては、全体的な知識が必要です。
理論では、内容を理解しているかどうかを問われるため、内容を理解するまで繰り返し勉強しましょう。
計算に関しては、全体的な学習範囲が狭いため力を入れると、得点につながります。
経済学
経済学は、「ミクロ経済学」「マクロ経済学」について、計算と理論の両方から出題されます。
経済学は数学に近い試験内容で、微分に関する知識の有無が得点を稼げるかどうかのポイントになります。
また、経済学を受験する方は、経済学を得意とする方ばかりですので、その分小さなミスが響きやすくもあります。
出題範囲も広いですし、数学が得意ではない方は、選択しない方が無難でしょう。
民法
民法は、出題範囲が広く、条文に関する暗記問題が多いため、勉強時間を要します。
民法に関しても経済学と同様で、主な受験者は、民法を得意としている方ばかりですので、小さなミスが響きやすい科目です。
暗記問題が多いですが、ただ覚えれば良いというわけではなく、判例や適用例と一緒に、条例を理解しなければなりません。
暗記が得意という理由だけで、民法を選択することはお勧めしません。
統計学
統計学は、記述統計・推測統計の理論と金融工学の基礎的な理論についての科目で、計算と理論の両方から出題されます。
範囲は狭く、暗記が必要な問題は少ないですが、計算問題は非常に難題です。
計算が得意な方であれば、ほかの受験生との点差をつけることができる科目です。
しかし、細かいミスが致命傷にもなる科目であることも知っておきましょう。
公認会計士のおすすめの勉強法
公認会計士の試験の勉強をする際には「独学」「専門学校・資格スクール」「通信講座」のいずれかを選択すると良いでしょう。
ただし、すべての方が、どの方法で勉強しても合格できるわけではありません。
その人の性格や、置かれている状況によっておすすめの勉強方法は変わってきます。
ここからは、それぞれの勉強法の特徴、メリットとデメリットについて紹介していきますので、試験勉強を始める前にぜひ一読くださいね。
独学
まず初めに考えられるのは、勉強スケジュールの立案や参考書の購入などをすべて自身で行っていく「独学」です。
独学は、公認会計士の試験勉強を始めたばかりの方や、公認会計士の試験を受けてみるか悩んでいる方におすすめの勉強方法です。
予備校のテキストだけで合格?
公認会計士の試験は、国家資格の試験の中でも最難関といわれています。
そのため、基本的には独学ではなく、専門学校や資格スクールに通って勉強をするのが一般的です。
独学で公認会計士の試験に合格するのは、非常に難関です。
しかし、専門学校や資格スクールに通うにはお金がかかります。
また、高額な費用を支払って専門学校や資格スクールでの勉強を始めた方でも、その難しさに挫折することもあるかもしれません。
そのため、いきなり専門学校や資格スクールに通い始める前に、まずは予備校のテキストを購入し、独学で勉強を始めるのも一つのよい方法です。
また、実際に独学で勉強を始めてみて、独学で合格することに難しさを感じるようであれば、そこで初めて専門学校や資格スクールに通い始める方法もあります。
独学はやはり難しい?
結論から述べると、独学で公認会計士の試験に合格することは、非常に困難です。
公認会計士の試験の合格率は約10%程度ですが、その中でも独学で試験に合格した方は約9%です。
つまり、独学での合格者は、公認会計士の試験合格者10人の中に、1人いるかいないかの程度ということです。
公認会計士の試験は、範囲が非常に広いことが特徴です。
また、試験の内容を理解するだけでも難解なため、独学での勉強は難しいです。
独学のメリットまとめ
何年間もの間、公認会計士の試験の勉強を独学でするのは、基本的には非常に難しいかもしれませんが、以下のようなメリットもあります。
- テキストの費用のみで済むため低コスト
- 好きなタイミングで勉強できる
- 自分が公認会計士の勉強を続けられそうかを知ることができる
- 試験勉強に慣れている方なら必要なポイントだけを勉強できる
試験勉強に慣れていて、必要なポイントだけを絞って勉強できる方や、まずは公認会計士の試験勉強が続けられるかどうか知ってから受講を検討したい方には、おすすめの方法です。
独学のデメリットまとめ
公認会計士の試験の勉強を独学でするのは、以下のようなデメリットがあることも知っておきましょう。
- なかなか合格ができない
- 範囲が広く、勉強のスケジュールを立てるのが難しい
- テキストだけで内容を理解するのが難しい
- 分からないことがあった時に聞ける人がいない
- 法の改正があった場合の対応が難しい
- モチベーションを保つのが難しい
- 不合格の場合にはテキストを買い直す必要がある
公認会計士の試験がどのようなものかを知るために、まずは独学で勉強してみる、という方法なら良いと思いますが、本格的な試験の勉強には、独学はおすすめできません。
専門学校・資格スクール
おすすめの勉強方法が、専門学校や資格スクールに通う「通学」です。
通学での勉強方法は、比較的自由に時間を取りやすい学生の方や、本格的に公認会計士の試験の勉強を始めた方、同じ目標を志す仲間が欲しい方に特におすすめです。
講師に直接相談ができる
専門学校や資格スクールの最大のメリットともいえる特徴が、分からないことがあった際に、直接講師に相談ができる点です。
分からないことはその場ですぐに解決できますし、試験の内容以外でも、勉強の仕方などで分からないことがあった際には、相談が可能です。
ほとんどの専門学校や資格スクールでは、実際に公認会計士の試験に合格した方が講師をしています。
そのため、公認会計士の試験に合格するまでの実際の勉強法などを事細かに教えてもらうことも可能です。
実際に試験を受け、目標である公認会計士になられた方からの話を聞けるのは、モチベーションにも繋がります。
勉強仲間が作れる
専門学校や資格スクールに通うことの精神面でのメリットは、同じ目標を持つ仲間やライバルに出会うことができるという点です。
公認会計士の試験は、範囲が非常に広く、内容も難解なため、専門学校や資格スクールに通っていても途中で挫折してしまう方が少なくありません。
しかし、同じ目標を志す仲間と一緒に勉強をすることで、モチベーションを保つことができるため、公認会計士の試験の合格するまで頑張り続けることができます。
専門学校・資格スクールのメリットまとめ
専門学校・資格スクールに通うメリットには以下のようなものがあります。
- 実際に公認会計士の試験に合格した講師に、直接相談ができる
- 分からないことはその場で解決できる
- 決まった時間に、決まった範囲の勉強を進めることができる
- 自分で勉強のスケジュールを立てる必要がない
- 同じ目標を持った仲間やライバルに出会うことができる
- モチベーションを保ちやすい
- 時事問題にすぐに対応してくれる
専門学校や資格スクールは、同じ目標を志す方が周りにいる環境で、決まった時間に決まった場所で勉強をします。
そのため、「勉強の習慣がない」「一人だとだらけてしまう」「モチベーションが保てるかどうかが不安」といった方には特におすすめです。
専門学校・資格スクールのデメリットまとめ
専門学校・資格スクールに通うデメリットには以下のようなものがあります。
- 授業料や交通費など費用が高い
- 決まった時間に決まった場所に行く必要があるため、働きながら通うのは大変
- 時間が決められているため、その他の予定を組みにくい
- 授業のスピードが速い場合についていけなくなる可能性がある
- 周りと比べてしまいモチベーションが保てなくなる可能性がある
専門学校や資格スクールは授業の時間が決まっているため、決まった時間に決まった場所に行かなくてはなりません。
移動時間も含めて、専門学校や資格スクールに通うと、拘束時間が長くなるため、社会人やアルバイトで学費などを稼いでいる方には、勉強しにくい環境でもあります。
また、周りと学習のスピードの差を比べてしまう方にも、専門学校や資格スクールはおすすめできません。
理解度や、教えてもらったことが身につくまでのスピードは人によって異なります。
自分よりも成績が良い方をみて、モチベーションに繋がる方には、専門学校や資格スクールに通う方法がおすすめです。
しかし、モチベーションに繋がらず、逆にやる気がなくなってしまう方には、専門学校や資格スクールはおすすめできませんので、次に紹介していく通信での勉強がおすすめです。
通信講座
最後におすすめするのが、タブレットやスマートフォン、DVDなどの端末を利用して自宅で勉強する「通信講座」です。
通信講座での勉強がおすすめなのは、通学のような講義を、スキマ時間などを利用して好きなタイミングで受けたい方です。
最近人気の通信講座
通信講座は、最近人気が出てきている勉強方法です。
専門学校や資格スクールの多くが通信講座も併用して行っており、そちらで人気の講師が通信講座でも講義をしています。
通信講座と聞くと、通学よりも内容が薄くなることを心配する方が多いと思いますが、最近ではそのようなことはほぼありません。
講義の内容はもちろん、相談や添削に関しても、メールや電話、SNSを利用して個別に対応を行っています。
コストパフォーマンスが高い
通信講座は、専門学校や資格スクールのような通学タイプよりも、基本的な費用が安く設定されている場合がほとんどです。
また、通学の場合には、校舎へ通うための交通費がかかりますが、通信講座の場合には自宅で行えるため、交通費もかかりません。
通信講座のメリットまとめ
通信講座のメリットには以下のようなものがあります。
- 受講費が通学よりも安く、交通費もかからないため、コストパフォーマンスが高い
- 分からなかった部分や復習したい部分は、何度でも繰り返し見ることができる
- 必要ないと感じる部分は早送りも可能
- 好きな時間に好きな場所で勉強ができる
以前の通信講座は通学に比べて、講義の内容が薄かったり、サポート体制が充実していなかったりといった問題点がありました。
しかし近年では、内容やサポート体制の充実度に変わりはありません。
さらに、コストパフォーマンスも高いため、最初から通信講座を選ぶ方が増えてきています。
通信講座のデメリットまとめ
通信講座のデメリットは以下の通りになります。
- 一人で勉強しなければならないため、モチベーションを保ちにくい
- 通学のように勉強時間が決まっていないため、勉強のスケジュールを組む必要がある
- 勉強する時間が早朝や夜間遅くだと、すぐにサポートが受けられない可能性がある
通信講座は、勉強のための教材は揃っていますし、講義を受けることもできます。
ただし、一人での勉強になるため、周りに仲間がいる通学よりもモチベーションが保ちにくいというデメリットがあります。
また、自分で勉強のスケジュール管理を行わないといけないため、勉強の意欲がないと続けられません。
そのため、一人だとだらけてしまう可能性のある方や、仲間と一緒にモチベーションを上げながら勉強したい方は、多少費用がかかっても通学の方がおすすめです。
公認会計士に必要な勉強時間
公認会計士試験に合格するには、3,500時間以上の勉強が必要といわれています。
しかし、これはあくまで平均的な時間で、実際には、勉強を始めたときの知識の有無や程度によって、必要な勉強時間は異なります。
ここでは、公認会計士の勉強を始めて学ぶ方と、簿記の資格を持っている方に分けて、必要な勉強時間を説明していきます。
会計をはじめて学ぶ人
一般的に、初めて公認会計士の勉強をする方が、合格するのに必要な勉強時間は3,500時間以上といわれています。
単純に計算すると、1日10時間勉強をすると1年間で公認会計士試験の勉強が完了します。
しかし、一般的な受験プランは1年6カ月~2年ほどかけて勉強していきますので、実際には1日5~6時間ほどの勉強時間が必要です。
さらに具体的にみていくと、試験に合格するために最低限必要な基礎知識の場合6.2時間、本試験の約6カ月前から始める追い込みの場合6時間が、1日の勉強時間の目安になります。
(TAC公認会計士講座の合格体験記内アンケートより)
学生や無職の方であれば、比較的時間を取りやすいですが、仕事をしながら1日5~6時間、トータル3,500時間以上の勉強時間を確保するのは困難です。
そのため、勉強期間が長期にわたることになります。
簿記学習者
一方で、簿記の資格を所持している場合は基礎の理解が進んでいる状態からのスタートになるため、合格している級で勉強した分だけ勉強時間が少なくて済みます。
簿記の資格を取得するには、3級の場合で100時間、2級の場合で300時間の勉強時間を要すといわれています。
そこからさらに1級を取得するには、最低800時間は勉強しなくてはならず、ゼロから簿記1級を取得するまでにはトータルで1,000~1,500時間ほどかかります。
つまり、すでに簿記1級の知識のある方であれば、公認会計士試験の勉強は2,000時間ほどで完了します。
2,000時間を、1日あたりの勉強時間に換算すると、1年で受験する場合5.5時間、1年6カ月で受験する場合3.6時間、2年で受験する場合2.7時間ほどになります。
公認会計士試験の勉強スケジュール【大学生】
ここからは、大学生が公認会計士の試験勉強をしていく際の1日のスケジュールについてご紹介していきます。
大学在学中に公認会計士の試験を受けることを検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
勉強スケジュール
大学で受ける授業は公認会計士の勉強に関係のある授業ばかりではありません。
また、レポートの提出なども求められます。
バイトをする必要があったり、部活動時間に出る時間も考慮すると、ダブルスクールをしている人でも勉強時間は1日合計3~5時間と、なかなか効率よく進まないことも多いようです。
以下のスケジュールは公認会計士を目指している一般的な大学生の一例です。
大学生の勉強のポイント
上記でご紹介したスケジュールは、大学の講義で公認会計士の試験の勉強ができること、最大限ダブルスクールをして試験勉強に時間を費やせることが前提です。
しかし、実際には公認会計士試験には関係のない講義を受ける必要があったりレポートの提出があったりと、平日はここまで公認会計士の試験の勉強に時間を費やすことが難しいい方も多いかと思います。
そのような状況下にある大学生の勉強のポイントは以下の通りです。
- 公認会計士の試験勉強以外の授業はできるだけ講義で完結するようなものを取る
- 部活やバイトは最低限の時間だけでるようにする
- 朝早く起きて勉強する
- 平日の勉強が難しい場合には、土日祝日や、夏休みなどの長期休暇を利用して勉強する
講義などによって勉強が思うように進まなかった際に、睡眠時間やプライベートの時間を削って勉強に励む方もいると思いますが、それは逆効果です。
公認会計士の試験は、非常に範囲が広く、長期間にわたって勉強していかなければなりません。
休息時間を減らして勉強するという方法を続けていくと、心身ともに疲労がたまり、勉強を続けていくことが困難になりかねません
平日に勉強できなかった分は、休日や長期休暇の際に集中して勉強すれば取り戻せますから、プライベートの時間もしっかり確保しましょう。
公認会計士試験の勉強スケジュール【社会人】
ここからは、社会人が公認会計士の試験勉強をしていく際の1日のスケジュールについてご紹介していきます。
会社に勤務しながら公認会計士の試験を受けることを検討している方はぜひ参考にしてくださいね。
勉強スケジュール
社会人は大学生と比較すると勉強時間が限られています。
残業がある場合にはさらに勉強時間が少なくなります。
そのため、平日は2時間、休日にまとめて10時間勉強し、試験範囲の勉強をすべて終えるのに、2年以上かかる人がほとんどです。
一般的な社会人の勉強スケジュールは、以下の通りです。
社会人の勉強のポイント
仕事をしながら勉強をする社会人の勉強のポイントは以下の通りです。
- 早朝や夜間の、仕事前後に勉強をする必要がある
- 移動時間や、1時間の昼休憩時など、スキマ時間を活用して勉強する
- 平日は2時間、土日祝日に5時間などまとめて勉強をする
社会人も大学生と同様に、プライベートの時間を大切にすることが重要です。
しかし、社会人の場合は、夏休みなどの長期休暇はありませんし、平日に勉強時間を確保するのも大変困難です。
そのため大学生よりも2倍程度取得に時間がかかります。
時間をやりくりし、コンスタントに継続して効率よく勉強に取り組むことが、社会人の勉強のポイントになります。
公認会計士に合格するためにやるべきこと
最後に、公認会計士試験に合格するためにやるべき二つのことを説明していきます。
公認会計士の勉強をスムーズに進め、合格までたどり着くために必要なことですので、ぜひ実践してみてくださいね。
効率の上がる勉強本を読む
公認会計士の試験の範囲は非常に広いことが特徴です。
受験者の中には、試験当日までにすべての範囲の勉強が終わらない方もいます。
また、いくら勉強をしても勉強のポイントが間違っていれば、合格に必要な勉強時間以上に時間がかかってしまい、合格は遠のきます。
そうならないためにも、公認会計士の試験の勉強を本格的に始める前に、効率の上がる本を読むことがポイントになります。
おすすめの本はこちらの「公認会計士”超”勉強法~9年間落ち続けた私が、半年で逆転合格できた勉強法」です。
この本は、30代で働きながら公認会計士の試験を受けた、とむやむくんさんが書かれた本で、発売から1週間でベストセラーを突破しています。
9年間不合格だったとむやむくんさんが、勉強方法を見直してから半年で公認会計士の試験に合格された経験をもとに書かれた本です。
公認会計士の試験は、誤った方法で勉強していても、合格することは難しいです。
実際の経験をもとに書かれた本を読んで、時間の使い方や、勉強の基礎を学ぶ重要性を知り、公認会計士の試験勉強をスムーズに進めてください。
勉強仲間を作る
公認会計士の試験は範囲が広い分、勉強時間も長期に渡ります。
また、内容も難解なため、モチベーションを保つことが難しく、途中で挫折してしまう方が少なくありません。
そこで、モチベーションを保つために重要になってくるのが、勉強仲間の存在です。
分からないところを教え合うこともできますし、モチベーションが下がってしまったときにも、同じ目標に向かって頑張る仲間を見ると、自然と自分も頑張る元気が湧いてきます。
勉強仲間を作るには、専門学校や資格スクールなどの通学がおすすめです。
ぜひ、同じ目標に向かって頑張る仲間を見つけ、切磋琢磨しながらモチベーションを保ちあえる関係を築いてくださいね。
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まとめ
公認会計士の試験は範囲が非常に広いため、効率よく勉強していく必要があります。
主な勉強方法には「独学」「専門学校や資格スクール」「通信講座」の三つがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
おすすめの勉強方法も、その人の性格や置かれている状況によって変わります。
また、各科目別に勉強する際のポイントもちがいます。
ぜひ、自分に合った勉強方法を見つけ、公認会計士の試験勉強に取り組んでくださいね。