たった300円で「正月疲れ」も吹っ飛ぶ? 築地駅から徒歩7分、癒され施設「タイムドーム明石」に行ってみた

都内におしゃれなプラネタリウムは数あれど、「公共系」プラネタリウムの魅力に気づいている人は少ないでしょう。ルポライターの昼間たかしさんが解説します。


1986年のハレー彗星ブーム

 2019年に全国で部分月食が観測される予定日は、12月26日(木)です。いつの時代も惑星や恒星、そして彗星と天文の話題は人の興味をそそるもの。なにしろ親から子どもまで、世代を超えて楽しめる独特の神秘性があります。

 筆者が思い出すのは1986(昭和61)年のハレー彗星。約75年周期で地球へやってくる彗星に多くの人が湧き、夜になるとあちこちで天体観測が行われていたのを記憶しています。このときは日本での観測条件が悪く(地球の自転の関係で高度が低かった)、条件のよい南半球のオーストラリアに出かけるツアーなんてものもありました。

 もちろん当時は小学生ですから、どだい無理な話。そのため、「あと75年を生きれば再び見ることができるのだ」と心に誓ったものです。次の接近は2061年ですので、あと42年。果たして、筆者はその年まで生きていることはできるのでしょうか。

「天文博物館 五島プラネタリウム」を覚えていますか

 さて冬の星空は綺麗ですが、夜景が生える東京は街の明るさゆえ、空を見上げても目に入る星は決して多くありません。

 そこで出かけたいのが、プラネタリウムです。かつて東京に暮らす人たちにとって、プラネタリウムは「思いついたら、すぐにいけるスポット」というイメージがありました。渋谷の駅前に「天文博物館 五島プラネタリウム」があったからです。

 渋谷駅東口の東急文化会館の最上階にあったこのプラネタリウムは、銀座線の車内などあちこちから見ることのできる渋谷のランドマークでした。開館したのは1957(昭和32)年ですので1990年代には、既にレトロな部類。

 それでも開館当時、東急文化会館に目玉となる施設を欲していた東急の会長・五島慶太の意向で、プラネタリウムでは西ドイツのカール・ツァイス社製の投影機「IV型 第1号機」が稼働していました。眺めているだけでワクワクする投影機ですが、筆者は投影中にこの機械が止まって、解説員が「ちょっとお待ちください」と慌てる現場に遭遇したことがあります。

最先端のプラネタリウムはやっぱりすごい

 さて、そんなプラネタリウムも今は昔。「久しぶりにプラネタリウムへ行ってみよう」と考えることもあまりありません。

 ネットで「東京都内 プラネタリウム」などと検索すると、いくつものプラネタリウムが表示されます。中でも人気なのは電気機器メーカーのコニカミノルタ(千代田区丸の内)が運営する施設で、今は「プラネタリア TOKYO」(千代田区有楽町)、「プラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン」(墨田区押上)、「プラネタリウム“満天”in 池袋サンシャインシティ」(豊島区東池袋)と3か所あります。

 しかしこれらは、プラネタリウムの「最先端」。非常に凝った座席や番組構成で、星の観察よりはアトラクションで魅せるデートスポットです。

 アーティストとコラボレーションした音楽ショーがあったり、ときには生演奏も入ったり。自社でもプラネタリウムを製作しているコニカミノルタが運営しているのですから満足度は太鼓判です。

でも、なるべくなら安い方がいい

 でも……利用料金が張ります。「天文博物館 五島プラネタリウム」はあくまで博物館だったため、末期でも入場料が900円程度だったと記憶しています。その思い出に比べると利用料金が……。これはこれで楽しいのですが、やっぱりもっと地味な「これぞ博物館」という施設を楽しみたいのです。

 となると、やっぱり期待できるのは公共施設で運営されるプラネタリウムです。そうしたプラネタリウムはいくつかありますが、中でもオススメしたいのが中央区が運営する「タイムドーム明石」(中央区立郷土天文館。中央区明石町)。東京メトロ日比谷線「築地駅」から徒歩7分のところにあります。

「タイムドーム明石」の待合席。公共施設なので極めてシンプル(画像:昼間たかし)



 このプラネタリウムが優れているのは、地味さが際立っているから。入居しているのは「中央区保健所等複合施設」。入口こそ星空っぽい看板を飾っていて、「プラネタリウムがありますよ感」を出していますが、一歩入ると地味な公共施設感です。

 プラネタリウムがあるのは6階ですが、ほかのフロアは子育てや教育関係の事務所があるためか、とにかく地味。あまり地味でもよくないと思っているのか、保健所側にさりげなく垂れ幕を出しているのもオススメしたいポイントです。

「ポケモン」が登場する番組も

 さて、エレベーターを降りると受付の横に券売機があります。料金は大人300円。区内の小中学生は無料という、さすが公共施設という利用料金設定。10分前にならないと入場できないため、郷土部分の展示を見て時間をつぶすことになります。

 ここで気になるのは、なぜかやたらとあちこちに「撮影禁止」が表示されていること。もちろんプラネタリウムの投影中に撮影なんてもってのほかですが、館内の展示物や廊下などを撮影しないように強く戒める表示があるのです。謎の厳戒態勢……いったい過去になにがあったのでしょうか。

なぜか執拗な撮影禁止の表示が。過去になにか起きた?(画像:昼間たかし)



 なお、プラネタリウム前の待合室にある「星の一生」などのパネルは撮影可能なので、記念写真はここで撮りましょう。

 ここのプラネタリウムも番組はさまざまです。子ども向けを狙ってか「ポケモン」などが登場する番組もある一方で、純粋に天文を解説する「星空教室」もあります。またヨガやアロマを加えた大人向けの番組は、オフィスの多い土地ならではでしょう。

 さて投影が始まると、まずは地域の今日の星空から。ここでは中央区の星空を魅せてくれるのですが、解説員は「この近くにある高層ビルから見える風景です」といいます。決して「聖路加ガーデン」といわないのは、公共施設だからでしょうか。

途中で寝ても後悔しない

 はっきりいって、企業運営のプラネタリウムに比べると内容は地味です。でもそれがよいのです。ときとして、「では、次第に夕日が沈んでいきます」というプラネタリウムの定番の文句を聞いているうちに、気がついたら寝てしまうこともあるでしょう。

 そして目が覚めたら「そろそろ夜が明けてきました」のところ。でも利用料金ゆえにもったいなさはありませんし、普段よりグッスリと寝た気分になれます。ちょっとしたリフレッシュのためにも、ここのような公共のプラネタリウムはオススメなのです。

近くにはオフィスが多いので、この垂れ幕でも宣伝になるのかも(画像:昼間たかし)

 ただ、タイムドーム明石でひとつだけ残念なのは投影機が真ん中にそびえていないこと。なんでも、2016年にリニューアルしてEPSONのプロジェクタ「EH-LS10000」2台を利用したフルデジタルのプラネタリウムになったとか。こっちのほうが綺麗に見ることができるのは確かですが、やっぱり機械音が懐かしいです。


【画像】タイムドーム明石 まるごと写真館!(13枚)

画像ギャラリー

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