大田区「八幡浴場」にオジチャンもオバチャンも若者も足しげく通うワケ【連載】TOKYO銭湯ザンブリコ(7)
ソーシャルディスタンスな散歩を満喫したら、街角の銭湯でザンブリコ――。散歩と銭湯巡りをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的なコースへとお連れします。リニューアルした本連載、第7回は、目黒区の洗足からスタートです。洗足池公園でニシキゴイとカモ発見 東急目黒線は洗足駅(目黒区洗足)を出て、環七通りの北千足五又路を渡って東急大井町線の北千足駅方向へ。右側に赤松小学校を見て、通りすぎつつその角からさらに坂を下り、2本目の十字路を右へ。しかしこのあたりは坂道が多いっすなぁ。 おぉっと見えてきたのが、今回の散歩コースであるところの洗足池公園であります。何やらいい雰囲気ですよ、親子連れやら老人夫婦が池っ縁の橋というか何というか歩いてます。 下を見ると、ニシキゴイやカモがまるでお友達のように寄り添って泳いでおります。うーん鯉こくをすすりつつカモ肉で一杯やりたくなります。違うか。 どうやらこの公園は犬の散歩オッケェみたいですな。でまぁ池沿いに左をグルリと歩き続けます。しばらく行くと、おぉっとボートを借りることもできるみたい。400円からですと、その前の中原街道の向かいが、東急池上線の洗足池駅です。 私はそのまま池沿いに歩を進めます。すでに夕方5時近かったので、あたりは急に暗くなってきます。池の周りをジョギングしているお兄さんやお姉さんがタッタッタッタとすれ違ったり、追い抜かれたり。小学生の団体さんが歩いていたりと、まぁ平和ですよ。 それから池の途中を左へ住宅街の中へ。そうそう、このあたりの銭湯といえば「八幡浴場」(大田区南千束)しかありません。方向としては東急目黒線の大岡山駅に向かう途中、周辺には何も無い、いわゆる住宅地の中にポツンとあります。ヘタすると見すごしてしまうくらいに、ひっそりと存在してますよ。 大田区南千束の銭湯「八幡浴場」の外観(画像:島本慶さん制作) でもけっこう人気があるみたいで、オヤジやオバちゃん、若者も銭湯道具を抱えて向かう姿を見かけます。そのおかげで私も無事にたどり着けたというわけです。 淡水の赤っぽい湯にザブン!淡水の赤っぽい湯にザブン! それにしてもシンプルなたたずまいですなぁ。サウナも無いし、2006(平成18)年にリニューアルねぇ。でも、軟水の湯と日替わりの薬湯ってのがうれしいじゃないの。 というわけで私(島本慶。コラムニスト、ミュージシャン)、げた箱の54番に靴を入れてフロントへ。へーえ、お姐さんが座ってるのね。取りあえず470円を払って中へ。見渡すと、まぁまぁの入りですね。そんなに人も多くなくていい感じ。サクサク脱いでロッカーに荷物と服をぶっ込み洗い場へ。 まずはカランを確保して、いつものようにシャワーで頭をぬらしてから体を洗います。持参したせっけんで全身をよおく洗い、頭もゴシゴシ。シャワーで丁寧に洗い流してから、さて浴槽はと、見れば正面にヤシの木と海岸。南国風のタイル絵です。 右から日替わり薬湯の赤っぽい湯(この日はモモ?)で淡水だそうです。その左に軟水のリラックスバス、ボディーマッサージ・ジェットと並び、左がブクブクの湯となっております。 「八幡浴場」までの散歩コースの風景(画像:島本慶さん制作) 私は少し熱めのモモの湯に入り、ウットリしながらため息を漏らします。でもってお次は隣の軟水へと思ったら、おじいちゃん3人が独占していて入れません。それじゃあと左のブクブク湯へ。 これがぬるめでしばらくボーッとしながらブクブクに身を委ねます。というわけで、1か所あるシャワーブースで全身を流してから、タオルをよく絞って頭から全身をフキフキ。 脱衣場に出て、そうそう体重を計らなきゃってんで乗っかると、うーん53.5kgか。まぁこんなもんでしょ。身支度を調えてから、銭湯を出ます。あ~いい湯だった。 それにしてもこのあたり、まったくの住宅街だから、赤提灯の明かりがまったく無し。となると大岡山駅に向かわざるを得ません。さすがに駅周辺には飲み屋街が絶対にあると見てウロウロ。このウロウロもまた楽しからずや。なんてね。 でも、うーんなかなか見つからず、ん? 何やらビルの地下が飲み屋街? ここどうかなぁ「亀鶴」って、うーん。
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