散歩の途中、どんなものに目が行く? 歩くと分かるアナタの趣味嗜好
あなたの目には何が入ってきますか? 散歩をしていると、いろいろなものが目に入ってきます。私たちはそのほとんどを見ているつもりですが、大抵は、その人にとって興味のある特定のものしか見ていません。 例えば花に興味がある人は花に目が行くため、「あの場所にはこんな花が咲いていた」と覚えています。しかし花に興味のない人は花が目に入らず、存在しないものとなります。 筆者(下関マグロ、サンポマスター)の個人的な経験談を話しましょう。 筆者は45歳のとき、健康診断で糖尿病と診断されました。それからというもの、散歩でまったく目に入っていなかった「糖尿病」という文字がどんどん見えるようになってきました。 例えば、ドラッグストアの店先に「糖尿病の方へ」「血糖値が気になる方」などの文字です。そのときは、世の中にはこんなにも糖尿病情報があふれていたのかと思ったものです。幸運なことに通院し始めてからは数値も次第に安定し、糖尿病のコントロールに成功。街なかの「糖尿病」の文字は、再び目につかなくなってきました。 道端に落ちていた傘(画像:下関マグロ) その後も、ナポリタンの本を書いているときはナポリタンという文字や、ナポリタンを提供していそうな喫茶店や洋食屋が目に入ってくるようになりました。そうすると、それまでは気に留めていなかった自宅近くの喫茶店にも目が行くようになりました。 目が行くものは人それぞれ目が行くものは人それぞれ 散歩の記事を書き始めたころは、どういうわけか道端に落ちている靴がやたらと目についたので、落ちているもののなかで一番多いのは靴だと当時は勝手に思っていました。 これも何かの記事ネタになると思い、落ちている靴をデジカメで撮影していたときもありました。今思うに、散歩のときどんな靴を履いたらいいのかと考えていたときに、歩いている人の靴をよく見ていました。自然と、道端に落ちている靴に目が行ったのでしょう。 道端に落ちていた靴(画像:下関マグロ) しばらくすると、たばこが箱ごと落ちているのをよく見るようになりました。吸い殻ではなく、箱。当時はちょうど筆者が禁煙し始めたときで、今から思えば、たばこで頭がいっぱいだったのでしょう。そんな時期が数か月ほどありました。その後、禁煙に成功したらたばこは目に入らなくなっていました。 最初、このようなことは自分だけなのかと思っていましたが、いろいろな人たちとの散歩を通して、目が行くものは人それぞれに好みがあることがわかりました。 例えば、いっしょに散歩したなかでも印象に残っているのは担当編集者のOくんです。彼は個性的な建物に目が行く人で、「あのマンション、変わった形をしていますね」と言うので、彼の目線をたどると、直方体ではなく三角すいのようなマンションがありました。彼はいつも建物が気になるようでした。 道にあった意外な落とし物とは道にあった意外な落とし物とは 先ほど、靴の写真を撮っていたと書きましたが、改めてデジカメの記録を見返すと、靴だけでなく、あらゆる変な落とし物を撮影していました。 あるとき、歩道と車道を分ける白い区画線の上にパンが落ちていると思い、カメラを向けました。いったんその場を離れ、再びパンが落ちていた場所を通ると、代わりに車にひかれてペチャンコになっているものがありました。よ~く見たら、パンだと思っていたのは、チャーシューだったのです。おなかが減っていたからパンに見えたのでしょうか。いや、それだったらチャーシューも同じことですね。 道端に落ちていたバナナ(画像:下関マグロ) また、封筒を拾っていたときもあります。何個かにひとつはお札が入っており、そのたびに交番に届けました。今思い出すと、当時はお金に執着していたときなのかもしれませんが、そうでなかったかもしれません。 というのも、皆さんご存じのとおり、落とし物を申請して半年たっても落とし主が現れない場合、それをもらえるのですが、筆者はまったく忘れていたのです。時間がかなりたったあとに申請書類を見つけたのですが、もはやもらえる権利はなくなっていました。そして現在、筆者がよく見つけるのはマスクです。まさに時代そのものです。 あなたは散歩しているとき、何に目が行きますか? 今日見た景色を思い出しましょう。そこにあるのは、きっとあなたが気になることばかりであるはずです。
- おでかけ