避暑ついでに恋愛成就も? 東京23区唯一の渓谷「等々力渓谷」をご存じですか
世田谷区に東京23区で唯一の渓谷があります。その名は等々力渓谷。フリーライターの田中マリネさんが歩きました。東京23区で唯一の渓谷 9月に入ってもまだまだ暑いですね。私はそんなとき、東京23区で唯一の渓谷である等々力渓谷(世田谷区等々力)へ行きたくなります。アクセスは、電車かバスが便利です。 東京23区で唯一の渓谷・等々力渓谷(画像:田中マリネ) 電車だと、東急大井町線等々力駅から歩いて3分。バスだと、東急バスや都バスの等々力から歩いて5分です。私は今回、電車で行きました。 都内とは思えないほどたっぷりの自然 等々力駅の南口、駅前のお手洗いに等々力渓谷までの道順があります。 等々力渓谷までの道順が案内されている掲示板(画像:田中マリネ) 初めて行ったときは、このような地図はありませんでした。 等々力渓谷には「ゴルフ橋」という橋があって、そこが渓谷の始まりだと聞いていたのですが、歩いているうちになんとなくたどり着いたのを覚えています。 駅から大きな道に出ると、スーパーマーケットの「成城石井 等々力店」が見えます。そこを右に曲がるとすぐにゴルフ橋があります。 橋の手前に「等々力渓谷公園」と書かれた看板があり、渓谷へ降りる階段が。新型コロナウイルスの感染拡大の防止を呼び掛ける看板も立っています。 階段を下りる前にチェックしておきたいのが、温度計のパネルです。ここには渓谷と地上の気温が表示されています。 どうやら、地上と渓谷は2~3度くらいの差があるようです。 水に足をつけられる場所も水に足をつけられる場所も さて階段を下りて、渓谷に入りましょう。少しひんやりしますね。 川が流れていて、その横に遊歩道が整備されています。足元注意の看板も。 この川は谷沢(やざわ)川といいます。この谷沢川が多摩川と合流する手前がこの渓谷なのです。 ふり返ると先ほどのゴルフ橋が見えてきます。 ユニークなこの名前は、昭和の初め頃、渓谷の先に広大なゴルフ場がつくられたことを記念してつけられたとのこと。最初は木の橋でしたが、1961(昭和36)年にアーチ鋼橋になり、現在に至ります。 渓谷巡りのスタート地点にあるゴルフ橋(画像:田中マリネ) 全長1kmの渓谷は、いろいろな景色を見せてくれます。 遊歩道はていねいに整備されていて、最初は右側にある谷沢川が、ゴルフ橋を渡ると今度は左側に。 高い樹木に覆われて、都内とは思えないほどの自然が続きます。木漏れ日がキラキラと川面に反射しています。 ふと見上げた先に、都内を思わせるものがありました。頭上を走る環状八号線です。 その先へ進むと、川面に近いところに木の遊歩道がつくられている場所が。 これらの場所で、家族連れなどが川に素足をつけて歩けるようになっています。子どもたちは大喜びで川の中を歩いています。 恋愛成就スポットもある恋愛成就スポットもある その先に、崖から水が落ちているところがあります。 名前は「不動の滝」。よく見るとふたつの竜の口から水が流れ出ているのがわかります。これは湧き水だそうです。 竜の口から湧き水が流れる「不動の滝」(画像:田中マリネ) 今は少しですが、昔はもっと水量が多く、その音が「轟(とどろ)いていた」ことが、等々力の語源だともいわれています。 不動の滝から階段をのぼっていくと、等々力不動尊があります。 商売繁盛とともに恋愛成就のご利益があるとのこと。そのためでしょうか、若い女性の参拝者もたくさんいます。 等々力不動尊のベンチでひと休み。持ってきた水筒のお茶を飲みました。渓谷から地上に戻ると、気温はあがりますが風が吹き抜けていくので、汗をかいた体には気持ちいいです。 芝生広場でおにぎりをいただくことに 再び渓谷へ降りて、川沿いに歩きます。日本庭園のかぶき門が見えてきます。このあたりで等々力渓谷の遊歩道は終わりです。 日本庭園の入り口になるかぶき門(画像:田中マリネ) この先は住宅街となっていて、川が流れています。 日本庭園にはぜひ寄ってほしいですね。斜面につくられた庭園を登りきると書院があります。上からの景色はまた格別です。ここもいい風が吹いています。 先ほど成城石井で買ったおにぎりを食べることに。渓谷にベンチはありますが、数が多くありません。お弁当を持参した場合は、ここまで来るのがいいかなと思います。 書院の隣には芝生広場も。敷物などがあれば、芝生の上も気持ちいいと思います。 等々力渓谷は夏だけではなく、新緑の頃、紅葉の時期などいろいろな季節で楽しめます。 さて、来た道を戻りましょう。往復で2km。コロナ禍のなまった体に、ちょうどよい運動になりました。
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