なぜ小学校ごとに授業時間が異なるように見えるのか?
「夏休み明け」と「4月下旬」の差異 一般的な小学校は小学2年生から週1回のペースで、6時間授業の日が始まります。しかし学校によっては、時期が異なることも。筆者の子どもたちが通う小学校はゴールデンウィーク前後から始まりましたが、学区のそれぞれ異なるふたりのママからは「6時間は隔週」「6時間は夏休み明けからスタート」と耳にしました。 小学校のイメージ(画像:写真AC) 授業時間数は文部科学省によって決められており、各学校はそれに沿って振り分けます。ママたちの話を聞いていて、筆者は「授業量の多い・少ないが生じているのでは」と不安を感じました。 前述のとおり、筆者の子どもたちが通う小学校は小学2年生の早い時期から週1回の6時間授業が始まります。一見すると、隔週や夏休み明けから実施する他校より授業時間が多いように思いますが、夏休みの期間は他の小学校と比べても1~2日長い程度。それだけで差が埋まるとは到底思えません。しかし6時間授業が1か月間なかったり、短縮授業があったりするため、少しずつ調整することで他校と変わらない授業時間数になっているのだと感じていました。 短時間のモジュール学習で授業としてカウント短時間のモジュール学習で授業としてカウント 筆者が授業時間数を注意深くチェックすると、近隣の小学校の間では差が出ていないことが分かりました。その疑問を解消したのが、小学校で朝の学習として行われている「モジュール学習」の存在です。 小学校のイメージ(画像:写真AC) モジュール学習とは、朝の学級活動の時間に15分間の勉強時間を3回行い、授業1回分とカウントする学習システムのことです。小学校によっては隙間時間を利用し、計算タイムや漢字タイムなどの勉強に充てていることがあります。 6時間授業が隔週だったり、夏休み明けから実施する小学校は、この学習手法をほぼ毎朝行っていました。ちなみに、筆者の子どもたちの小学校は読書タイムの日がほとんどでした。週1回のみドリルタイムの日がありますが、科目は特定されておらず先生の判断で漢字になったり算数になったりしています。 このようにモジュール学習を積極的に取り入れて、授業時間をクリアしている小学校もあれば、普段の授業をメインにして、文部科学省から決められた時間をクリアしているところもあります。どういった方針で授業を進めていくかは現場の先生たちの判断によるので、保護者から見えにくい面があります。 授業時間の振り分け方は学校で異なるもの 学校が授業配分の理由を説明するケースはほとんどないため、他の学区のママさんの話を耳にすると、思わず「子どもが通っている小学校は大丈夫?」と不安になることもあるでしょう。 特に、朝の時間を有効活用するモジュール学習はあまり馴染みのない言葉のため、授業にカウントされていると知らない保護者も多いはずです。しかし学校の形はさまざま。決められた授業時間数を試行錯誤しながら確保しています。近隣であっても学校ごとにばらつきがあることをまずは理解しましょう。
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