よく見たら、秋葉原が“ソシャゲ広告”だらけになってた! ネットも反応「課金祭りが増えた」「秋葉原は時代を語る」
あっと驚く衝撃の場面、感心させられる発見や豆知識、思わず涙を誘う感動の出来事……。SNS上では毎日、新鮮な話題がいくつも発信されています。そのなかから「東京」に関連するものを厳選してご紹介します。広告は時代を映す鏡「広告は時代を映す鏡」――。その言葉通り、人々のニーズや暮らし向き、関心の行方を端的に捉えたキャッチコピーはもちろん、街頭を飾る巨大ポスターの数や商品ジャンルにもその色は強く反映されます。 東京でもとりわけ目まぐるしく表情を変える街・秋葉原。この街で撮影された画像が、「現代を端的に表している」とツイッター上で話題になっています。 秋葉原「ある意味これが現代なんだ」 撮影したのは、10年以上にわたって毎朝秋葉原を巡回しその様子を記録し続けているツルミロボさん(@kaztsu)。 「秋葉原、ソシャゲのアニバーサリー広告だらけ」 というひと言とともに、街頭広告を写した4枚をアップしました。 ソーシャルゲームの広告がいくつも並ぶ秋葉原の街頭(画像:ツルミロボさんのツイート) アニメ風のかわいらしい絵が描かれた各広告には「皆さまに支えられて1周年!」「おかげさまで4th Anniversary」といった文言が並んでいます。なかには「Half Anniversary(半年記念)」というものまで。 日本一の電気街、オタクの聖地、アイドルの聖地など、さまざまな異名を冠してきた秋葉原は今、SNSをプラットホームとしたソーシャルゲーム(ソシャゲ)のビジュアルを数多く掲げる街という側面も併せ持っているようです。 これにはフォロワーたちからもさまざまな反応が寄せられて、 「ある意味、これが現代(いま)なんだなって思う」 「秋葉原は時代を語るのか」 「今のゲーム界隈(かいわい)の現状が分かりやすくまとめられている。最近は半周年でもハーフアニバーサリーで『課金祭り』があるソシャゲも増えたもの」 といった声も。モノを買うよりゲームに課金してプレイを楽しむという若い世代を中心とした消費傾向は、外出自粛が長引く新型コロナ禍でいっそう加速した向きもあるかもしれません。 ソシャゲ広告がうたっているものソシャゲ広告がうたっているもの ツルミロボさんによると、4枚の画像を撮影したのはそれぞれ2021年9月2日(木)、同1日(水)、8月25日(水)、同30日(月)。 「アニメの広告が多かった以前と比べると今は、ソシャゲなどのゲーム内で行われるイベントの告知が多いように感じます。『何日から××のイベントが開催』とか、『新キャラ〇〇が実装』とか、『〇〇コラボ開催』といった広告です」 「短命で消えてゆくソシャゲも少なくないなか、生き残りをかけて今回のようにアニバーサリーを押し出し、定期的なイベント開催で課金をしてもらう感じでしょうか。ユーザーも掛け持ちできるゲームの数に限りがあるため、(客を)取り合うゲーム会社側も必死です」 その攻勢はさらに、国をまたいだ企業間の攻守をも映し出しているとツルミロボさんは指摘します。 「最近は中国産のゲームが多く、(目抜き通りの)中央通りでも目立つようになってきていると感じます。街なかの広告には、業界内の力関係・勢いがとてもよく出ているのではないでしょうか」 10年前は「AKBの街」だった秋葉原 秋葉原は10年ほど前には、何をおいてもアイドルグループAKB48の街でした。JR秋葉原駅から約5分のAKB48劇場が入るビルには巨大な広告が張り出され、連日多くのファンでにぎわいました。 2021年4月撮影、AKB48劇場のビルに掲げられたソシャゲの広告(画像:ツルミロボさんのツイート) 2021年現在は、 「AKBの姿(広告)は全盛期と言われる頃と比べ見かけなくなりました。広告だけではなく、いわゆるオタクの人たちの姿自体をここ数年で特に見かけなくなったと感じます」(ツルミロボさん)。 「印象深いのは、AKB劇場のビルの広告が、2021年4月にAKBから『原神』(中国産のゲーム)へ変わったときです。これは自分にとっても大きく時代の移り変わりを感じた出来事でした」 秋葉原で「何もない日」はなかった秋葉原で「何もない日」はなかった 2010年秋ごろから毎朝欠かさず秋葉原を訪れ、ブログ「ツルミロボblog」やツイッターを更新し続けているツルミロボさん。特に思い入れの深い場所・時代はあるのでしょうか。 「やはり(2011年8月に建て替えのため閉鎖された)旧ラジオ会館でしょうか。あのあやしい雰囲気のビルはもう造れないと思います。そういったビルは耐震強度の問題などで姿を消してゆき、今はそういう時代を懐かしむようになってきたように感じます」 2009年11月の旧ラジオ会館(画像:(C)Google)「今の秋葉原はカードゲームショップとコンセプトカフェが多くなり、若者が中心です。昔と比べて客層が変わったなと思います。今は通販もあるので、イベントでもない限りわざわざ秋葉原までやってくる必要もなくなったのかもしれません」 常に表情を変え続ける秋葉原の街。この街の無二の個性や魅力について、最後に尋ねてみました。 「10年以上毎朝秋葉原をまわっていますが、SNSで何もつぶやけない日はありませんでした。これは、私が特別何かを感じ取れるというわけではなく、秋葉原という街がそうさせてくれるのだと思います」 「変化の街であるとともに、昔から続く神田の古い街の姿もあり、退屈しない、毎日刺激的な発見をさせてくれる、世界でひとつだけの街だと思っています」 変化し続ける街だからこその感慨 冒頭で紹介したツルミロボさんの投稿画像に対しては、「街の賑やかしにはなりますが、電気街が好きだった人々の足は遠ざかっていく」といった哀愁のただようリプライ(返信)も寄せられていました。 新しさの刺激と過去の懐かしさをともに内包した街・秋葉原。これから先どのような表情を見せてくれるのでしょうか。
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