大田区「天狗湯」の天然温泉にズブズブ身を沈めて、あ~いい気持ち【連載】TOKYO銭湯ザンブリコ(2)
ソーシャルディスタンスな散歩を満喫したら、街角の銭湯でザンブリコ――。散歩と銭湯巡りをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的なコースへとお連れします。リニューアルした本連載、第2回は、大田区の大森からスタートです。飲みたい気分を抑えて銭湯へ JR大森駅は西口に出て、目の前の商店街をちょい右に歩くと、ん? なになに「山王小路飲食店街」ってか? いいねぇこの雰囲気。わりと急な階段を下りると、このあたりはオヤジの喜ぶ小さな飲み屋が密集していて、もぉ歩いているだけでワクワクしてしまいます。 こういう散歩もいいねぇ。チラチラのぞいていると、カウンターだけの居酒屋さんやスナックが寄り添うように並んでいて、いいなぁ~地元の人は。 おそらくどこかの店の常連さんになって毎晩飲んでるんだろうなぁ。でも意外とコンパクトな飲み屋街で、あっという間に歩き終わりました。 一応目的は「天狗(てんぐ)湯」(大田区大森西)っつう銭湯に行くことなので、大森駅は東口へ抜けて駅前のロータリーを右へ。 おぉっと、線路下の飲食店街もいいねぇ。なかなか風情があって軽~く一杯飲(や)ってっか? なんてうずいちゃいますよ。でもグッと我慢。さて先を急ぎましょう。 しばらく歩いてっと、十字路に出ます。右がガードをくぐる道で、真っスグ行くと、これがまた飲食店街。右側には2階にギッシリと店が並んでいる様子。こういうご時世じゃなきゃ何軒でもハシゴしちゃうんだけどなぁ。 まぁいいや。それで左を見ることこれが「ミルパ」っつうアーケード街。へーえ、いいねぇ、大森っていろいろ楽しそうで。というわけで私、このアーケードを進みます。なにしろ一応目的の銭湯がこっち方向ですから。 でまぁこの「ミルパ」が少し途切れるというか細くなりそうな所を右へ。 大田区の銭湯「天狗湯」の外観(画像:島本慶さん制作) でもってさらに細い道を右へ。ん? その先に小学校が。私、その小学校の横の道を進みます。ここからはもぉ殺風景な住宅街で、スタスタと歩き、環七を渡り目的の「天狗湯」さんへ。 銭湯なのに天然温泉銭湯なのに天然温泉 見ればわりとこじんまりした、小ギレイなお風呂屋さんです。特にのれんも無いみたい。 げた箱に靴を入れてフロントへ。470円を払って脱衣場へ。サクサク脱いで、持参したせっけん箱とタオルを持って洗い場へ。 見渡すと、特に富士山の絵とかは無くて清潔感のあるタオルに囲まれております。 私は積まれている椅子と洗面器を手に右奥のカランを確保して、椅子をよおく洗い腰を降ろして、まずはシャワーで頭から体を流し、念入りに洗います。いつもやることは決まっております。いつもそうなんです。体を洗い終るまで浴槽には入りません。 体をよおく洗ってから、お次は頭を洗って最後に顔を洗います。それでシャワーでしっかり流し終えてから、さて浴槽を物色。サウナ(+200円)もあるけど私はヒョロヒョロに痩せたオヤジですから入りません。 えーっと、ジェットエステに、電気風呂ねぇ。で、普通の浴槽がくっついてて、水風呂も。 おぉっと、天然温泉やすらぎの湯! これですよこれ! いやぁこれだよなぁ大田区は! こりゃいいやってんで私、ズブズブ身を沈めます。ほーお、程よい湯かげんでついため息が漏れてしまいます。 いやぁ散歩してやって来たかいがあるというもんです。あ~いい気持ち。 満足して出てシャワーで流し、絞ったタオルでぬれてる頭をよおくフキフキ。全身もフキフキしてからギュッギュと絞りまくってから、椅子と洗面器を元に戻して脱衣場へ。 ロッカーを開けて、乾いたタオルで再度念入りにフキフキして、ん? 古~い鉄の体重計が。乗っかると、これが53kgピッタシ! というわけで身支度を調え、外に出ると、いい風が吹いてますよ。 大田区「山王小路飲食店街」の入り口の様子(画像:島本慶さん制作) おっ、銭湯の向かいの家の猫ちゃんらしいのがヒョコヒョコ。う~んこのコはまだ若いなぁ。やっぱ小猫はかわいいなぁ。いやいやおばあちゃん猫もかわいい。私が飼ってる黒猫は人間だと、もぉ80歳です。でもかわいくナデナデしまくってます。
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