サラダvsスモーク コンビニ「さば」製品、記者が実食してみた
年々充実する「コンビニのさば加工品」 年々バリエーション豊かになる、コンビニ飯のラインナップ。近年では、魚商品が充実しており、特にさば加工品の多彩さが目立ちます。 セブンイレブンには、「サラダチキン」ならぬ「サラダフィッシュ さば」が登場した(2019年4月23日、高橋亜矢子撮影) コンビニエンスストア大手3社(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)は、いずれもプライベートブランド(PB)で、さばの「塩焼き」「味噌煮」、さらに「しめさば」を展開しています(一部地域を除く)。大ブームの「さば缶」を見る機会も多いでしょう。 しかし、それだけではありません。2019年春、コンビニのチルドコーナーには、各社が工夫を凝らした多彩なパックに入ったさば製品が登場しています。 セブン「サラダチキン同様に、新たなマーケットを作りたい」 ひとつめは、セブンイレブンの「サラダフィッシュ さば」(税込267円)。同製品は「さば」のほか、「まぐろ」「サーモン」の3種類をラインナップ。全種類とも、2019年3月から全国で販売されています(一部地域では2月から)。名前から想像できるとおり「サラダチキン」のそばに陳列されることが多い様子。 「そのまま食べてもおいしいことや、素材本来のおいしさを味わえるよう味付けをシンプルにし、アレンジも可能に仕立てました」とセブン&アイ・ホールディングス(千代田区二番町)の広報担当者は話します。 3種類のなかで1番人気を誇るのは「さば」。皮目を直火で炙り、蒸し焼きで仕上げ、レモン風味に味付けされたさばは柔らかく、そのままでも、サラダに混ぜても、サンドイッチに挟んでも楽しめます。 さらに「他に何かおすすめのアレンジ法はありますか?」と聞いたところ、「ムニエルや、グラタンやパスタの具材、ご飯の上に載せて丼ものにするなど、様々なアレンジができます」と担当者。 そこで、1番気軽に試せそうな「ご飯の上に乗せて丼ものにする」を記者が試してみました。 「サラダフィッシュ さば」の原材料に目をやると、「レモンジュース」「にんにく」「米酢」「オニオンパウダー」「燻製ブラックペッパー」と書いてあるため、ご飯よりもパンが合うイメージだったのですが、ささっと盛った白米の上にさばをドン!と載せ、食べてみたところ、意外なほど、ご飯と合いました。 噛むほどにさばの旨味が広がり、ご飯が進みます。ほぐして混ぜご飯にして、おにぎりにするのも良いかもしれません。 「昨今、健康志向の高まりや、豊富な栄養価が認知されてきたことから、魚への関心が非常に高くなるなか、下処理の手間がなく、より手軽に食べられる商品を提供したく開発しました。『サラダチキン』と同様、幅広い層にご利用いただける新たなマーケットをつくりたいと考えます」(セブン&アイ・ホールディングス) ローソン、ミニストップにある「スモークフッシュさば」とは?ローソン、ミニストップにある「スモークフッシュさば」とは? ふたつめは、燻製タイプのさばです。その名も「スモークフィッシュさば」(税込213円)。1903(明治36)年創業の老舗、松岡水産(千葉県銚子市)が製造しており、2019年4月末現在、ミニストップ(2019年3月から)とローソン(4月から)で販売されています。 桜のチップで丁寧に燻されたさばは、パックを開けると、芳醇なスモークの香りをあたりいっぱいに漂わせる本格派。骨も皮もなく、パックから出してすぐ食べることが可能です。 松岡水産の「スモークフィッシュ さば」をコッペパンに挟んでみた(2019年4月23日、高橋亜矢子撮影) 水産物加工品の製造販売を行う同社は、「若年層(20~30代)にもっと気軽に魚を食べてもらいたい」との思いから2017年6月、「サラダサーモン」の販売をスタート。好評を受け、その第2弾として「スモークフィッシュさば」が誕生したそうです。 さばのスモークには、昭和後期から始めた、スモークサーモン製造の設備や技術を活用。燻製は、使用する木の種類によって、味や香りが変化するため、日本人の味覚に合わせ、広葉樹林のチップを使用しているといいます。ちなみに海外では、針葉樹林のチップを使用することが多いのだとか。 「火で炙ると、更にスモークの香りが増します」と話すのは、同社の担当者。「どう食べるのがおすすめですか?」と聞いたところ、「ウインナーのかわりにパンに挟んでみても、美味しく食べられます」とのこと。 試してみました。コッペパンの真ん中に切れ目を入れ、少量の野菜とともに挟んでみたところ、ずっしりと重みのある一品に。さばは、塩のみで薄く味付けされているのですが、スモークの香りが強く、噛むほどにその風味が口の中に広がるので、記者は、他の味付けなしでも充分いけると感じました。ですが、お好みでドレッシング、ケチャップ、マスタードを加えてみても良いかもしれません。 なお同製品は、コンビニのPBではなく、松岡水産の自社製品。複数のコンビニで展開することが可能なため、同社では、GW明け以降、ローソンやミニストップ以外でも販売を拡大できたら、と考えているそうです。
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