タヌキ? 小グマ? 世田谷に生息する「ふしぎな犬」 独特の見た目で一躍人気者に
丸いフォルムと黒茶色の毛並み 散歩で街へ出ると「タヌキじゃないの?」と間違われる。タヌキじゃなくても「小グマですか?」と勘違いされる……。 まあるい体形と黒茶色い毛並み、くりくりの瞳がかわいらしい世田谷区在住の たろ吉(メス、9歳)が、ツイッター上で人気です。 知名度がアップしたことで、最近では近所を散歩している最中に声を掛けられることも。たろ吉という不思議顔の犬について、飼い主さんに話を聞きました。 本当は犬のポメラニアン 本当は犬で、犬種はポメラニアン。 でも、よく見かける白色や淡いオレンジ色ではなく黒色に赤褐色が混ざった「ブラックタン」と呼ばれる毛色のせいか、はたまた丸みのあるフォルムのせいか、ポメラニアンどころか犬と認知されない場面がこれまで間々あったのだといいます。 靴下を履き、自慢げな表情で散歩へ出るたろ吉(画像:タヌキ似のたろ吉@ポメラニアンさんのツイート)<たろちゃんの散歩をしていると見知らぬ方の「あれ、狸かなんかじゃないの」というヒソヒソ話が聞こえてくる。私は聞こえなかったふりをして平静を装っているが、心の中では怒りに震えているのである。今日は散歩中に3回も言われたので冷静になって確認してみた。> <残念ながらこの犬は狸です。> 飼い主がそんなつぶやきを投稿し、18万件近い いいね が集まったのは2019年1月。以来、人気が急上昇して、2021年8月20日(金)現在およそ3.5万人のフォロワーを擁する“インフルエンサー犬”となりました たろ吉脱走、フォロワーも保護に協力たろ吉脱走、フォロワーも保護に協力 しかし本人(本犬)は変わらずいたってマイペース。 飼い主である、タヌキ似のたろ吉@ポメラニアン(@kyabetubatake)さんによると、たろ吉は人間が大好きで、駅などたくさんの人が往来する場所に行くとしっぽを振って大喜びするのだそう。 駅などたくさんの人がいる場所が大好き(画像:タヌキ似のたろ吉@ポメラニアンさんのツイート) ときどき駅に行きたいとせがまれて、誰を迎えに行くわけでもなくたろ吉と駅まで散歩しに行くこともあるのだとか。 街ではたろ吉を知る人からときどき声を掛けられ、 「以前は散歩中にたろ吉が脱走したときは、走って追いかけていたら偶然それを(SNSの)フォローワーさんが発見してくれて、走っていたろ吉を一緒に捕まえるのを手伝ってくれたこともありました」。 一周回って「ポメラニアンに似てる」一周回って「ポメラニアンに似てる」 タヌキや小グマ、いろいろなほかの動物に似ていると指摘されることについて、飼い主としてはどのように感じているのでしょうか? 「残念ながらこの犬は狸です」と投稿して反響を呼んだ2019年1月の画像(画像:タヌキ似のたろ吉@ポメラニアンさんのツイート) 尋ねてみたところ、 「タヌキも小グマも好きですし、たろ吉を見たときに人がどう感じるかは自由で、人それぞれなので、特になんとも思っていません」 と語った後、 「最近はポメラニアンに似ていると思います」 と付け加えてくれました。ポメラニアンに似ている……! ポメラニアンのはずなのに。 強烈なボケのようにも受け取れる半面、「たろ吉はたろ吉」という、飼い主さんの温かい愛情がにじむひと言です 犬と暮らす幸せとは犬と暮らす幸せとは「素直でまっすぐな性格です。表情豊かかもしれません」と飼い主さん。 ツイッターでは、満面の笑顔で舌を出している画像や、気に食わないことがあったのか顔を床のカーペットにこすり付けながら這い回る動画や、ふかふかのベッドの上ですやすや眠る画像がアップされるたび、 「テディーベアみたい」 「うれしそうなお顔だなあ」 「今日もかわいい」 「(おなかが)ポンポコリンで、やはりタヌキ説は濃厚」 「本当にご主人が大好きなんですね」 と、フォロワーたちからさまざまなコメントが寄せられます。 大きく目を見開いて、何かを欲しがっているらしき表情(画像:タヌキ似のたろ吉@ポメラニアンさんのツイート) たろ吉と暮らす日々での、幸せなエピソードを飼い主さんに尋ねてみました。 「寝ていると、懐(ふところ)に入ってきてくれるんですよね」 「湯たんぽのような心地よい温かさで、本当に疲れがとれます」 コロナ禍、増えるペット需要コロナ禍、増えるペット需要 一般社団法人ペットフード協会(千代田区神田須田町)の調査によると、2020年に新たにペットとなった犬は約46万2000頭(前年比14%増)、猫は48万3000頭(同16%増)。 新型コロナ禍で在宅時間が増えたことにより、犬や猫を飼い始めた人は少なくないようです。 動物と暮らす幸せをかみ締めつつ、人間の家族と同じように大切にし、最期まで責任を持って連れ添いたいものです。
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