吉祥寺「弁天湯」の薬湯は、ぬるめでボーっと浸かるのにピッタリ【連載】TOKYO銭湯ザンブリコ(3)
ソーシャルディスタンスな散歩を満喫したら、街角の銭湯でザンブリコ――。散歩と銭湯巡りをこよなく愛するコラムニストの島本慶さんが、東京の魅力的なコースへとお連れします。リニューアルした本連載、第3回は、杉並区の下高井戸からスタートです。スーパー銭湯よりもやっぱり銭湯? 京王井の頭線と世田谷線の終点駅がある下高井戸。駅を出て飲食街を抜けて甲州街道へ。 その「下高井戸駅入口」っつう信号を渡ると、向こう側に緑道というか公園道みたいな有り難い散歩道があります。 ふーん、1971(昭和46)年開場の「玉川上水路敷」ねぇ。これはいいやってんで左へズズッと歩き始めます。 なるほど、どこまで続くのか? それにしても、あんまり手入れされていない感じ。ん?何々? 犬を連れた散歩はお断りってか。 見れば、確かに犬を連れた人たちはこの緑道に沿った歩道を歩いてる。 まぁいいや。 とにかくこの道をタラタラ歩いて、散歩を満喫させていただきましょう! てんで進んでいると、アラアラまた甲州街道に出ちゃいます。 「上北沢入口」って所で道が途切れちゃいました。 やむを得ず右に折れて、そうそう川に出て川沿いを歩くことに。 つまりようするに何となく吉祥寺に向かっているわけですよ。 というわけでたどり着いたのが、下高井戸5-26っつう所にある「どうのしたばし」。ここから川沿いに左へ。 いやぁこの川沿いの道もなかなかの散歩コースですよ。 しばらく歩き続けてっと、おぉっと井の頭線の高井戸駅に出ちゃいました。 そういえば、環八(カンパチ)を渡って右に行くとスーパー銭湯がありましたな。 確か「美しの湯」だったっけ。 けっこう歩いたからここに入ろうかとも思ったんだけど、スーパー銭湯だから、料金的に高いのよね、露天もいろいろあっていいんだけど。 でも私はせっかくだから、もうちょい頑張って川沿いを進みます、もぉ汗だくですよ。 でも、何とか見えてきたのが井の頭公園。 この風景と人を観賞しながら、吉祥寺駅にたどり着き、駅反対側の東急の裏にある「弁天湯」(武蔵野市吉祥寺本町)に向かいます。 武蔵野市吉祥寺本町の銭湯「弁天湯」の外観(画像:島本慶さん制作) ちなみに「よろづ湯」ってのもあったけど、外観があまりにも渋すぎるから、やっぱ弁天湯に入ることに。 あ~疲れた。久々に長い距離歩いたねぇ~。 ぬるめの薬湯でまったりぬるめの薬湯でまったり 昔ながらの銭湯で、フロントのおっちゃんに470円を払い脱衣場へ。 見上げるといやぁ天井の高いこと! 服を脱いで洗い場へ。 「弁天湯」までの散歩道(画像:島本慶さん制作) おぉっと、正面にはドーンと富士山の絵が。これもナカジマさんっぽいなぁ~。 でも男湯の方にはサインが見えません。それより壁にパイプが重なっててパイプにも丁寧に絵の具が塗られていて大変そう。 いやぁ広々としていていいねぇ。ここまで来て良かったという満足感タップシ。 見渡すと正面右に日替わり薬湯(この日は赤っぽい色のコラーゲン湯)に電気ブルブル風呂、それに左にジェット2本って感じ。 私はサクサク体を洗い、頭もしっかりゴシゴシしてから洗い流して、薬湯に入ります。 これがぬるくていいねぇ。しばらくボーッと漬かっていました。 銭湯はマナーを学ぶ・学ばせる場所 それにしても、いやなもの見ちゃいました。乾いた手ぬぐいを頭に乗せて、全身をよ~く洗わないままザンブリコするオヤジ。 テメェ! 何年銭湯に入ってんだよ、いつもこれかい! などと声には出さず、心の中で叫びます。そんなオヤジをふたりも見ちゃいました。 ここは夏の河原じゃねぇんだから、共同浴場ってのわかってんのか! なんて心の中でブツブツ。 どこにでもいるんだなぁダメオヤジって。これはもぉしょうがない? いやいやマナーを守らなきゃ。だいたい銭湯って所は、子どもにマナーを学ばせる所じゃん! 「弁天湯」までの散歩道(画像:島本慶さん制作) というわけで体を流してから、よおく絞ったタオルで体をフキフキ。頭も念入りにフキフキして脱衣場へ。 乾いたタオルでも拭いてから、体重を測ると、これが52.5kg。まぁこんなもんでしょ。 さてと、あ~サッパシスッキシ!「弁天湯」を出て私は駅の反対側に戻ります。 このまま井の頭線で下北沢に戻ろうかと思いつつも体が居酒屋密集地帯へ。ん? 「ほていちゃん」(同市吉祥寺南町)なんてお店が活気がありますなぁ! うーんどうしよう。うーん、うーん、うーん。
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