亀戸と新小岩 キャラ濃い2駅に挟まれた「影薄め街」の、もっと評価すべき無二の輝き 江戸川区・平井駅周辺【連載】東京商店街リサーチ(9)
2021年10月24日
知る!TOKYOしばしば「何があるかよく分からない」などと称される、JR総武線の平井駅周辺。しかし、実は調べれば調べるほど奥深い街なのだそう。フリーライターの荒井禎雄さんが案内します。
何があるかよく分からない街?
JR総武線の駅の中でも、際立って「何があるかよく分からない街」である平井駅周辺。
西には亀戸、東には新小岩と、キャラの立った人気の町に囲まれていることも、さらに平井の立場を悪くしています。
ところがこの平井という街は、江戸川区で最も古い商店街のある街であり、住宅地であり、工業地帯でもあり、川に囲まれた豊かな自然があり、歴史ある神社仏閣がいくつもあり、元三業地でもあるという、調べれば調べるほどに奥深い面白い土地なのです。

今回はこの掘れば掘るほど謎が深まる平井駅周辺を紹介します。
●立地
平井は江戸川区の街で、南端が京葉道路に面しており、それ以外の三方は旧中川と荒川に取り囲まれているという、非常に珍しい地形になっています。
特に旧中川は墨田区との境界で陸地を分断するように鉤爪(かぎづめ)状に食い込んでおり、地図で見るだけでもその特殊性がひと目で分かります。
こうした特徴的な地形から、水害のリスクは常に考えておかねばならず、江戸川区が発行している「水害ハザードマップ」では、もしもこの辺りで大規模な水害が起きた場合、浸水の深さは5~10m未満、想定される浸水時間は1~2週間とされています。
区の約7割が海抜ゼロメートル地帯である江戸川区にあっても、特に防災の備えが必要なエリアだと言えるでしょう。
いきなり不安要素から書いてしまいましたが、水害リスクの要因である荒川や旧中川の周辺には公園や緑地として整備された場所が多く、そのおかげで23区内とは思えぬほど自然豊かで空が広い、のんびりとした時間が流れる街になっています。
平井エリアの陸路の中心となるのは、南西から北東方向に伸びる蔵前橋通りと、南東から北西方向へ伸びる ゆりのき橋通りです。このふたつの道路は平井駅の東にある平井大橋西詰で交差しており、それぞれ亀戸~新小岩、墨田区北部~大島・小松川をつないでいます。
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