首都高で見かける標識「AH1」って何? 3文字に込められた「平和への願い」をもう一度
2021年1月17日
知る!TOKYO日本の道路の起点として知られる日本橋ですが、実はヨーロッパまで続く道路の起点でもありました。フリーライターの猫柳蓮さんが解説します。
日本橋の道路元標をご存じですか
かつて、江戸幕府が開かれた際に整備された五街道。その中心は江戸の日本橋で、旅の出発点かつ終着点となりました。

なお日本橋は、今でも日本の道路の出発点です。それを示すのが首都高速都心環状線の下、橋の中央に設置されている「日本国道路元標」です。道路元標とは道路の起点、終点、経過地を標示するための標示物のこと。
橋のたもとにはモニュメントがあるため、こちらを道路元標と間違える人もいますが、本物は橋の中央に埋め込まれています。車の交通量が多くて見られないので、たもとにレプリカを設置しているというわけです。
ただ現在では、本物の道路元標もあくまでレプリカに過ぎません。その理由は、道路元標に関する現在の法的根拠がないためです。
日本橋近くに立つ「東京市道路元標」
1919(大正8)年に制定された旧道路法の関係法令・道路施行令では各市町村に必ず道路元標を設置することが規定されていました。この道路元標を基に、道路の起点と終点は明確に決められていたわけです。
ところが、戦後の1952(昭和27)年に施行された新たな道路法では、その規定がなくなりました。現在も道路元標は全国各地に残っていますが、法律上の役割は既に終えています。
日本橋の中央に埋め込まれている現在の道路元標は、1972年の道路改修の際、新たに設置されたものです。

それまでの道路元標は、現在のレプリカの横に立っている十字の柱です。一見モニュメントのように見えますが、これが東京市(当時)の設置した「東京市道路元標」です。元は都電の架線柱としても利用されていたことからに、このような形をしています。

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