一般人の6割、高齢者運転で「危険な思いした」 適切な返納年齢 都市圏と地方で大きな乖離も
高齢者による危険運転の体験者の半数「怒っている」 人材サービスのエン・ジャパンの調査子会社、インサイトテック(新宿区西新宿)が同社提供サービス「不満買取センター」のユーザーを対象に行った、「高齢者の自動車運転」に関するインターネット調査で、約6割が「高齢者の自動車運転で危険な体験をした」と回答したことが分かりました。また、運転免許書返納に対する見解が、都市圏と地方で大きく異なることも明らかとなりました。 運転免許書返納に適切な年齢はいつなのか(画像:写真AC) 回答の対象ユーザーは1498人。「高齢者の自動車運転により、危険な体験をしたことがありますか?」との質問に、59%が「ある」と回答しました。 また、「高齢者の自動車運転により、危険な体験をしたことがある」と回答した人の声を同社のツール「感情分類AI」で分析したところ、「怒り」「嫌気」の割合が70%で、特に「怒り」は50%を超える結果となりました。 通常、「不満買取センター」に投稿される「怒り」の平均値は「5%~10%程度」であることから、非常に「怒り」が高いことが分かったといいます。 高齢者の自動車運転で危険な体験をしたエピソードは、次のとおりです。 ●信号のない交差点で、曲がる先に車がいるのを確認せずに勢いよく曲がって突っ込んできたり、すれ違い不可な細い道で、相手側(高齢者)に避けるスペースがあるにも関わらず突っ込んでこられた。 ●細いすれ違うのがギリギリの道で、かなりのスピードでど真ん中を走ってこられたり、住宅地の中を一時停止をすることなく右左折して、猛スピードで走り抜けていくのを見ました。 ●普通だったら出て来ないタイミングで車が出てきた。ウインカーを出さずに急に曲がった。駐車場の出口専用のところから進入してきた。法定速度以下の速度で走行し、渋滞が起きていた。 ●早く駐車場に停めたい高齢者が、駐車場から出ようとした私の位置に突っ込んできた。駐車場エリアでの逆走、無理な割り込みは待つことができない身勝手な高齢者が多い。 ●周りが見えておらず、急な車線変更や信号機の無い交差点では、左右を確認せず直進や右左折をする。 ●ハザードも焚かず、急に停車と駐車をする。道のど真ん中を走行してくる。一時停止を無視して突っ走る。 運転免許書返納「都市圏とその他の県に大きな差」運転免許書返納「都市圏とその他の県に大きな差」 次いで、「もし年齢で運転免許証を返納しなくてはならない場合、何歳で返納するのが妥当だと思いますか?」との質問に、一都三県と大阪府では73%の人が「74歳までに運転免許書返納が妥当」と回答した一方、その他の県では61%と12ポイントの差が開きました。 免許返納年齢について、「74歳までに運転免許書返納が妥当」と回答した人の割合(画像:マイボイスコムのデータを基にULM編集部で作成) 交通網が発達している大都市圏と、日常生活において自動車が欠かせない地方では、返納における「妥当な年齢差」が顕著であることが分かりました。 免許返納については、今後もさまざまな議論を呼びそうです。
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