街で見つけたら迷わずGo! 都内「顔はめ看板」の魅力
都内に数多く置かれている「顔はめ看板」。そんな顔はめ看板で多くの写真を撮影しているサンポマスターの下関マグロさんが、その魅力について解説します。思わず顔を入れたくなる衝動 都内を散歩しているときに「顔はめ看板」を見かけると、筆者(下関マグロ)はついつい顔を出してしまいます。 顔はめ看板とは、観光地などにある、等身大の人物を描いて顔の部分をくりぬいたもので、「等身大の人物」はたいてい何かのキャラクターだったり、その観光地を代表する人物だったりします。穴から顔を出して記念写真を撮れば、旅の思い出になります。皆さんも一度は出したことがあるのではないでしょうか? 顔はめ看板は ・顔出し看板 ・顔出しパネル とも呼ばれますが、筆者は昔から「顔はめ」と呼んでいました。 子どものころから見つけてはよく顔を出していましたが、散歩の原稿を書くようになってから改めて出会ったのは2008(平成20)年です。場所は千代田区外神田にある神田明神。境内に入ってすぐのところにあった銭形平次の看板でした。 千代田区外神田にある神田明神にある銭形平次の顔はめ看板。2008年撮影(画像:下関マグロ) 筆者が顔を出したら、同行していた担当編集者のEくんが写真を撮影してくれました。Eくんにも顔を出すように促したのですが、なぜかやんわりと断られてしまいました。そのとき、 「そうか、誰もが顔を出したいわけではないんだなぁ」 と感じました。 「誰にシャッターを押してもらうか」問題「誰にシャッターを押してもらうか」問題 その後も、顔はめ看板を見かけては顔を出すということを続けていました。とはいえ、筆者は顔はめ看板マニアではないので、顔を出すためだけに出掛けません。訪れた先に顔はめ看板があれば出す、といったレベルです。 改めて出会ってから、ある問題が生じました。それは 「誰にシャッターを押してもらうか」 です。 前述のとおり、以前は担当編集者が撮影してくれましたが、メディア不況のためか、最近はひとりで散歩に出掛けることが多くなりました。 そのため、自分以外の誰かに撮影してもらわなければなりません。コロナ禍以前は通行人にデジタルカメラを渡して頼んでいましたが、コロナ禍ではそれも難しくなりました。 顔を出さず、ただパネルを撮影するのはなんとも寂しいものです。そこで思いついたのが自撮り棒による撮影です。 ということで先日、100円ショップで自撮り棒(300円)を買って、出掛けてみました。 自撮り棒だとうまく撮影できない例(画像:下関マグロ) しかし、これがどうにもうまくいきません。顔を出した状態で自撮り棒を持つのが難しいのです。運よく自撮り棒を自分側に向けられても、看板全体を撮影するのが難しいのです。トホホ……。 「顔はめ看板」天国の浅草を歩く そんなわけで、日を改めて浅草に向かいました。筆者の経験上、浅草ほど多くの顔はめ看板が存在するところはありません。自撮り棒による撮影をあきらめ、今回は妻に同行してもらいました。 まずはフーテンの寅さんの顔はめ看板です。この看板、実は自撮り棒で撮影し、いまひとつうまく撮影できませんでした。 顔はめ看板は、やはり全身が写ってほしい(画像:下関マグロ) 寅さんの顔はめ看板には「奥山おまいりまち」と書かれています。江戸時代浅草のこのあたりは「奥山」と呼ばれ、大道芸人や見せ物小屋でにぎわいました。奥山と呼ばれたのは「浅草寺本堂の奥にあったから」とされています。そのにぎわいは明治以降、浅草公園六区に移り、興行や映画などで栄えることに。その前身が奥山だったのです。 ちなみに撮影当日は多くの人出がありましたが、顔を出している人はなぜか見かけませんでした。 顔を出したさそうな女性3人組顔を出したさそうな女性3人組 寅さんの隣には、三社祭で神輿を担ぐ人たちの顔はめ看板がありました。サイズが大きく、何人も顔を出せるようになっていました。 浅草寺本堂から西へ三つの商店街がのびています。一番南にあるのが奥山おまいりまちでその北側が「お祭り商店街 西参道」です。そのもう一本北にあるのが「花やしきエンターティメント通り」。 西参道の入り口にある顔はめ看板。三つの顔はめ穴がある(画像:下関マグロ) 西参道の入り口にはおしゃれな飾り付けがあり、着物姿の若い女性たちが写真を撮影していました。筆者の後に1組だけ、顔を出したさそうな女性3人組がいました。 オミクロン株の感染状況が落ち着いたら、皆さんもぜひ街なかの顔はめ看板を堪能してみてください。
- おでかけ
- 浅草
- 神田駅