ニンゲンは猫を愛しすぎてる――驚くほど「猫だらけ」な都内スポット4選 古い寺社から専門書店まで
人間はなぜこんなにも猫を愛してやまないのでしょう。理由はひと言では語り尽くせませんが、「猫愛」があふれてやまないスポットが東京都内には数多く存在します。猫をめでる東京散歩へ、フリーライターの有馬里美さんが案内します。「猫のめで方」は実に多種多様「ネコノミクス」という言葉が流行したのは2010年代半ば頃。数年が経過した2021年現在も、猫の人気はとどまることを知らない勢いです。 新型コロナ禍で在宅時間が増えたことを受けて、新たにペットとして猫をお迎えしたという家庭も多いそう。……でも、外出が多いひとり暮らしで飼えない、猫が大好きなのにアレルギーがあって飼えない、といった人も少なくないのではないでしょうか。 東京にいくつも存在する「猫だらけ」なスポット(画像:写真AC) 実際に猫に触れ合うだけが猫のかわいらしさ・すばらしさを感じる方法ではありません。猫のめで方は多種多様。猫型のアイテムを身につけたり、眺めたり、手元に置いておいたりするだけでも“猫欲”を満たしてくれるはずです。 そこで今回では、東京都内にある猫にちなんだおすすめ観光スポットを四つ、厳選して紹介します。 猫モチーフのスイーツや、招き猫があふれる寺社、猫の本専門書店など、都内にはさまざま々な切り口から猫の愛らしさを楽しめるスポットがいくつもあります。 猫を飼っている人も、そうでない人もぜひ、普段とは違う角度から猫の魅力を味わってみませんか。 ※2021年9月現在、東京都内には緊急事態宣言が発令されています。参拝時間や営業時間が変更となっている場合があるため、訪れる際は公式HPを確認し、しっかり感染症対策を行うようにしてください。 猫ずくしなブラリ町歩き「谷中銀座商店街」猫ずくしなブラリ町歩き「谷中銀座商店街」 昭和レトロな懐かしさと温かい雰囲気が感じられるのが、東京メトロ千駄木駅から徒歩5分、台東区谷中にある谷中銀座商店街です。買い物に訪れる地元の人や、食べ歩きを楽しむ観光客が行き交い、賑やかで活気ある場所となっています。 木彫りの猫や、猫型のスイーツなどが豊富な「谷中銀座商店街」(画像:写真AC) もともとこの地域は細く入り組んだ路地が多く、車や人通りが少ないため猫が住みやすい環境だったのでしょう。そうした背景からか、商店街の公式キャラクターである黒猫の「せんちゃん」をはじめ、商店街ではいたるところに猫があふれています。 商店街を歩くと、いくつかのお店の屋根や店先に木彫りの猫たちを見かけることができます。どの猫も、猫特有のしなやかな体つきやリアルな表情が良く表現され、今にも動き出しそう。食べ歩きや町歩きに訪れたら、ぜひお店の周辺をチェックしてみてください。 もうひとつ、グルメの食べ歩きが楽しい谷中銀座商店街で外せないのが、猫にちなんだスイーツ。食べ歩きに適したものから、店内でくつろぎながら味わえるものまで、猫モチーフのスイーツがたくさんあります。 猫のしっぽをイメージした「やなか しっぽや」の焼きドーナツや、猫をモチーフにしたケーキが味わえる「カフェ猫衛門」など、スイーツの種類も多彩です。 谷中銀座商店街は、歩いても猫、スイーツも猫と、猫ずくしの散歩を楽しむことができるエリアです。 ズラリと並ぶ招き猫に圧倒される「豪徳寺」ズラリと並ぶ招き猫に圧倒される「豪徳寺」 世田谷区豪徳寺にあるその名も豪徳寺(ごうとくじ)は、東急世田谷線・宮の坂駅から歩いて5分、または小田急線・豪徳寺駅から歩いて10分のところにあります。彦根藩主・井伊家の墓所であり、境内にあるたくさんの招き猫で有名なお寺です。 豪徳寺の招き猫の由来は江戸時代、お寺にいた猫に招かれて幸運に巡り合った井伊直孝が、寺を支援したことがきっかけです。その後、豪徳寺は福を招いた猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、それをまつる招福殿が建てられたそう。 圧巻! 招き猫だらけ(画像:写真AC) 招福殿の横には小さいものから大きいものまで、参拝した人が奉納したたくさんの招き猫が所狭しと置かれています。招き猫の数だけ、人々が訪れ幸福を祈っていると考えると、一大パワースポットであることがうかがえます。豪徳寺に行くならぜひ、招福殿に参拝しましょう。 ほかにも、境内にある三重塔には、十二支以外にも招き猫がいくつか飾られています。本来十二支にいない猫がいるのは、このお寺ならでは。また、絵馬の絵柄にも招き猫が。 寺社仏閣を好きな人なら、境内の落ち着いた雰囲気やゆったりとした自然あふれる空間に癒やされるはず。由緒あるお寺にいる圧巻の数の招き猫は、猫好きでなくても一見の価値ありです。 招き猫に囲まれて縁結び祈願「今戸神社」招き猫に囲まれて縁結び祈願「今戸神社」 東京メトロほか各線の浅草駅から歩いて15分の場所にあるのが今戸神社(台東区今戸)です。 古事記における夫婦の神さまをまつることから、縁結びのパワースポットとして知られ、女性の参拝者が多く訪れます。浅草の七福神巡りの場所のひとつであり、新選組の一番隊組長・沖田総司の終焉(しゅうえん)の地でもあります。 独特の表情をした猫の絵馬(画像:写真AC) こちらも境内にたくさんの招き猫が置かれており、豪徳寺と同様に招き猫で有名なスポットのひとつです。社殿内には大きな2体の招き猫が鎮座していて、イザナギとイザナミの夫婦神がモチーフとされています。 今戸神社の招き猫は、江戸時代にこの地で今戸焼という焼き物作りが盛んであり、招き猫も作られていたことに由来するそう。 境内には、手水舎や社務所などにかわいらしいデザインの招き猫たちがたくさん。女性が多く参拝するためか、今戸神社の招き猫は丸みを帯び、やわらかく愛らしいデザインなのが特徴です。 縁結びや恋愛成就の神社のため、2匹がくっついているタイプも見られます。絵馬はもちろん、オリジナルの御朱印帳にも招き猫があしらわれています。 今戸神社は、かわいらしい招き猫たちに癒やされるパワースポット。愛くるしい招き猫たちに囲まれながら、ハッピーな気分で縁結びや恋愛成就のお願いをしてみてください。 猫愛あふれる専門書店「神保町 にゃんこ堂」猫愛あふれる専門書店「神保町 にゃんこ堂」 最後に、切り口を変えてご紹介したいのが、東京メトロ神保町駅からすぐのところにある「猫本専門 神保町 にゃんこ堂」(千代田区神田神保町)です。姉川書店の中にあります。 「猫本専門 神保町 にゃんこ堂」は、姉川書店の中に(画像:(C)Google) 猫本専門というとおり、猫の写真集や猫との暮らしを描いたコミックエッセー、猫がテーマの小説・エッセイなどまさに猫づくしの本屋さん。本も猫への愛にあふれたものばかりなので、読むと心が温かくなります。 でも、猫に関する本だけというと、本の数や種類が少ないのでは? と思うかもしれません。心配することなかれ。「猫」を切り口にした本は、ジャンルを問わず続々と新刊が世に送り出されているのです。 写真集やエッセイ、小説など、自分が普段読むジャンルだけでも、その中から興味を惹かれる新しい一冊が見つかるはず。 せっかく猫の本だらけの本屋さんなので、今まであまり読まなかったジャンルの本も手に取ってみてください。今まで自分が気付かなかった猫の新たな魅力も発見できるかもしれません。 訪れると、猫はこんなに人に愛されている動物なんだと実感できる、猫好きにはたまらない1軒です。 ※ ※ ※ 都内には猫を切り口にした多彩な観光スポットがたくさんあります。今回紹介した場所以外にも、探せば猫への愛が感じられる場所がたくさんあるはず。ぜひ、自分のお気に入りの猫スポットを見つけてみてください。
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