仮想通貨が注目の今こそ行ってみたい!日本橋にある貨幣博物館、その魅力とは?
さまざまな分野のビジネスに活用範囲を広げつつある仮想通貨ですが、そのブームの影響は古い貨幣にも及んでいるといいます。いったいなぜでしょうか。来館者は年間10万人以上 世界中で1500種類以上が存在するといわれる仮想通貨。そのなかでも「ビットコイン」は、2017年末の価格高騰で、一躍話題となりました。そんな仮想通貨ですが、その影響はなぜか古い貨幣にも及んでいるといいます。いったいなぜでしょうか。 館内の常設展の様子(画像:貨幣博物館) 大手仮想通貨交換会社「ビットフライヤー」などが設立した日本ブロックチェーン協会(港区赤坂)の事務局長・樋田桂一さんによると、仮想通貨ユーザーが近年、貨幣の歴史を学びに、貨幣博物館(中央区日本橋本石町)を訪れているといいます。 「数年前からSNS上で、『貨幣博物館へ行った』という投稿をよく見かけます」(樋田さん) 貨幣博物館は、日本銀行の創立100周年を記念して、1985(昭和60)年11月にオープンした博物館で、貨幣と貨幣に関する資料を常設展示しているほか、並行して企画展も開催。貨幣に関心のある人や、修学旅行生、高齢者団体、大学生などを中心に年間10万人以上(2017年)が同館を訪れています。 展示の見どころのひとつ「天正大判」(画像:貨幣博物館)「弊館に関するつぶやきが、SNS上で増えたのは事実です」 そう話すのは、同館の学芸員・関口かをりさん(日本近世貨幣史)です。つぶやきが増えたのは「ビットコイン」の価格高騰が話題となった2017年後半からで、「(貨幣の歴史を同館で知って)いろいろ考えさせられた」といったような内容が多いそうです。 そもそも単なる金属や紙切れと、貨幣の違いはどのようなところにあるのでしょうか。 「それは『信用』の有無です。例えば江戸時代には『藩札』という貨幣がありました。各藩が発行し、その領内だけで通用した貨幣です。『藩札』は発行元となる藩が『信用』されているかそうでないかで、その価値は大きく異なっていました。貨幣は『信用』があってこそなのです」(関口さん) 古代・中世・近世に分けて展示 貨幣博物館の館内はワンフロアで、常設展と企画展、映像コーナーから成っています。常設展は古代(7世紀~12世紀半ば)、中世(12世紀半ば~16世紀後半)、近世(16世紀後半~19世紀後半)、近代(19世紀後半~20世紀)の区分に分けて展示しています。 各区分のテーマは、古代が「金属のお金の始まり」、中世が「海を越えてきたお金」、近世が「緩やかなお金の統一」、近代が「『円』と日本銀行」となっており、各時代のお金の歴史などを学べます。「お金は毎日使うもの。歴史を通して、過去と現在のつながりを感じてもらえれば」と関口さん。なお、貨幣博物館の展示物は、古貨幣収集家・田中啓文さん(1956〈昭和31〉年没)が収集したものだといいます。 華やかな見た目で女性に人気の金塊「分銅金」(画像:貨幣博物館) 展示物の見どころは、16~17世紀に作られたという金塊「分銅金」、豊臣秀吉が初めて発行したとされる、楕円形の板金に墨書をした金貨「天正大判」、教科書にも出ている古代の貨幣「和同開珎(わどうかいちん)」などです。 特に「分銅金」は「華やかな見た目で女性に人気」とのこと。また各コーナーには、当時の物価などを記載するなどして、その時の文化や社会を身近に感じることができるような工夫がなされています。 一方、企画展では貨幣にまつわるさまざまな収蔵品を紹介しており、例えば2018年4月17日(火)から7月8日(日)までは「おかねをめぐる物語 ―江戸の文芸とユーモア―」と題して、江戸時代の絵入り小説や芝居絵を展示していました。なお、最新の企画展は「江戸の宝くじ「富」 一攫千金、庶民の夢」で、12月1日(土)から2019年2月24日(日)まで開催されます。 1億円の札束の「重さ」を持って体験できるコーナー。子供にも人気(画像:貨幣博物館) また、館内ロビーには1億円の札束の「重さ」を体験できるコーナーなどもあり、ふだん貨幣に興味を持たない人でも楽しめるようになっています。 関口さんは「日本橋エリア周辺の再開発の影響で、土日の来館者は増えています。周辺エリアの散策もかねて、ぜひ遊びにきてください」と話しています。 ●日本銀行金融研究所 貨幣博物館 ・住所:東京都中央区日本橋本石町1-3-1 ・交通アクセス:半蔵門線「三越前駅」B1出口から徒歩1分、銀座線「三越前駅」A5出口から徒歩2分 ・開館時間:9:30~16:30 ・入館料:無料 ・休館日:月曜日
- おでかけ