とにかく愛くるしい! 「超小型のブタさん」と触れ合える目黒のカフェ、記者が体験してみた
日本初「マイクロブタ」と触れ合えるカフェ 日本で初という「マイクロブタ」と触れ合えるカフェ「mipig cafe(マイピッグカフェ)」(目黒区目黒)が2019年3月にオープンしました。5月現在、来場者1万人を突破するほどの人気です。 マイクロブタとは、イギリスで品種改良によって生まれた極小サイズのブタ。イギリスでは家族の一員として認知され、愛される存在といいます。 「mipig cafe(マイピッグカフェ)」の入り口付近にある看板(2019年5月13日、高橋亜矢子撮影) 人懐っこく、賢く、綺麗好きなブタたちは、トイレと食事の場所を分けて生活するほか、教え込むと、トイレの場所や、「おすわり」などの芸も覚えるとのこと。大人になると、おおよそ18〜40キロに成長します。犬に例えるなら、中〜大型犬くらいでしょうか。なお、通常のブタは約100〜300キロに、ミニブタは約40〜100キロに成長します。 そんなマイクロブタたちと触れ合えるカフェとは……? 記者が体験しました。 カフェは目黒駅から徒歩15分の4階建て「mipig cafe」は、JR目黒駅から目黒通りを15分ほど歩いた場所にあります。4階建てのビルに入り、まずは手洗いと消毒、そして注意事項の説明からスタート。基本料金は800円(最初の30分)。その後30分ごとに500円ずつ加算される仕組みで、ワンドリンク制になっています(ドリンクは600〜700円くらい)。なお、事前予約制です。 広報を担当する北川史歩さんによると、「ブタさんたちは気ままに動いているため、じっくり触れ合いたい場合には、1〜2時間くらいの利用がおすすめです」とのこと。 ブタたちと触れ合える部屋は2階と4階にあり、クッションが敷かれ、ゆったりくつろげる雰囲気。室内では、全長30〜40センチほどの可愛らしいブタが数匹、元気いっぱいにうろうろしていました。 腕の中で眠り始めるブタの愛らしさ腕の中で眠り始めるブタの愛らしさ いよいよ触れ合いタイムですが、ブタたちを抱き上げるのは、びっくりしてしまうのでNGとのこと。ブタ自らがこちら側へ近づいてくるのを待ちます。とはいえども皆、人懐っこいこと極まりなく、こちらが足を伸ばして座っていると、近づいてくれること多々。気がつくと、周辺のお客さんそれぞれの膝やお腹の上に、ブタたちがのしのし登り始めていました。 すやすやと眠るホイップくん(2019年5月13日、高橋亜矢子撮影) 記者の目の前にもブタが。つぶらな瞳で、尻尾を左右にブンブン勢いよく振っています。要約するなら「とにかく愛くるしい!」。そっと頭や背中を撫でてみると、歯ブラシの毛のようなパリッとした感触で、においはほとんどしません。 穏やかな性格という、生後5か月のホイップくんは、記者の左ひじ辺りに顎を置き、スヤスヤと眠り始めました。10分くらいでしょうか。「会ったばかりなのに、こんなに警戒心なく接してくれるものなのか」と衝撃を受けつつ、気持ち良さそうな寝姿を眺めて、ニコニコしてしまいました。 ブタたちは時折、ブタならではの行動も始めます。例えば、鼻で「すんすん」と地面を掘り返すようなしぐさ。これは「鼻ほり」と呼ばれる習性で、トリュフ(きのこ)を見つける際にもする動きなのだとか。 群れるのが好きなため、数匹まとまって誰かの膝の上に乗り、くつろぎ始めることもある様子。また、気ままに伸びをしたり、好きなポーズで過ごしたり、マイペースな姿も垣間見られます。 とはいえ、性格には個体差があり、穏やかな性格のブタもいれば、活発なブタもいて、ブタ同士の相性も、良かったり悪かったり、さまざまといいます。 「本当に色んな性格の子がいるんですよ。人間社会の縮図のようです」(北川さん) カフェでは、ブタたちの相性や、体力などに合わせ、人間でいうところの「シフト」が組まれているとのこと。 「ブタさんは、疲れてくると、歩き方に異変が出てくるんですよ。様子を都度見て、もしも疲れを察知したらすぐ、裏で休ませるようにしています。あくまでも『ブタさんファースト』で、ブタさんたちに無理のないよう、努めています」(北川さん) 「一過性のブームで終わらないように」「一過性のブームで終わらないように」「mipig cafe」は、カフェ業務を行うHooome(目黒区目黒)と、マイクロブタの生育を行うSaLaDa(横浜市)が共同運営しており、SaLaDaが保有する山梨県の専用ファームで産まれたブタたちが在籍しています。ファームの体制構築のために、本場イギリスのファームへ実際に足を運び、買い付けを行い、飼育ノウハウを学んでいるとのこと。 カフェの3階には、マイクロブタをペットとして迎え入れたい人の相談スペースがある。大きめのブタさんも在籍(2019年5月13日、高橋亜矢子撮影) ブタたちは、カフェで過ごすなかで、人間や他のブタたちとの接し方を学び、ゆくゆくは家族の一員として迎え入れてくれる飼い主の元へ巣立ちます。 引き渡しにあたっては、飼い主となる人とブタとの相性、飼育環境が充分か否かを厳しく精査するとのこと。マイクロブタの寿命はおおよそ10年〜15年。最期まで看取れるのかも判断基準のひとつで、条件に満たない場合、断ることも辞さないといいます。何よりも大切なのは、ブタたちが健康かつ安全に生活を送れることだからです。 「一過性のブームで終わらないように、犬や猫につづく『新しい家族の選択肢』として、ブタ本来の才能を全うしてもらえたらと思っています」(北川さん) カフェでのブタたちとの交流を通して、根強くある「ブタ = 家畜」のイメージを覆し、ペットとしての認知を社会に広めたいと考えているとのこと。確かに、実際に触れ合ってみて、ブタという生き物がいかに人懐っこく、愛くるしい存在であるかを伺い知ることができました。動物が好きな人や、ブタと一度触れ合ってみたいと考えている人には、ぜひとも訪れてほしい場所です。 ※2019年5月現在、「アフリカ豚コレラ」が蔓延している関係で、中国やベトナム、モンゴルに渡航してから2週間以内の人は、入店を断っているとのことです。 ●mipig cafe(マイピッグカフェ) ・住所:東京都目黒区目黒4-11-3 ・アクセス:JR「目黒駅」西口から東急バスに乗車。「元競馬場前」下車徒歩1分、JR「目黒駅」から徒歩15分 ・営業時間:10:00〜20:00 ・予約:事前予約制。受付はWebサイトにて(電話受付なし) ※小学生以下の子どもは保護者同伴要(料金は無料。但しワンドリンクの注文は要)
- おでかけ