しっぽ撫でたら「ぶんぶん」反応、癒し与える家庭用ロボ 働く女性に人気
動物の「しっぽ」に着目して開発 心を癒してくれる愛らしいペット。飼いたいけれど、マンションの規定で飼えない。留守がちで十分に世話ができない。さまざまな理由で、ペットを飼いたいのに飼えない都会暮らしの人たちが大勢いることでしょう。 そんな人たちに向けてユカイ工学(新宿区富久町)が開発した、クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」が、国内外で注目を集めています。 クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」(画像:ユカイ工学) Qooboは、そっと撫でるとふわふわと、たくさん撫でるとぶんぶんと、しっぽを振って応えてくれます。撫で方によって変化するしっぽの反応を、撫でる人自身が解釈して擬似的な心のやりとりを生み出すという技術を活用して開発したロボット製品です。 発売(2018年11月)より4か月で出荷数が8000台超え。今年3月には国際的なデザイン賞、2019年度「レッド・ドット・アワード(Red Dot Award)」のプロダクトデザイン部門で、「レッド・ドット・デザイン賞」を受賞しました。同賞は、55か国5000以上の製品のなかから優れたデザインプロダクトに与えられる、60年以上の歴史を持つデザイン賞です。 Qooboの開発は、同社の女性デザイナーが「疲れて家に帰った時、癒やしの存在が家にいてくれたら…」との想いを抱いたことをきっかけにプロジェクトがスタート。犬や猫のように癒やしを与えてくれるロボットをつくろうと、動物の「しっぽ」に着目して開発したそうです。 ユカイ工学の広報担当者によると、「しっぽの動きを本物に寄せるのが一番困難が伴った点でした」と話します。実際のしっぽを研究し、その動きを再現する機構やプログラムを開発。自然で豊かな表現ができるよう、しっぽの構造に数多くの実験と試作を繰り返したそうです。自然な動きと連動して、各部分ごとに最適な素材を選択し、しっぽ全体が美しくしなるように細やかな調整もなされたとのこと。 また、いろいろな環境下で人と過ごすことを考え、耐久性も重視。膝に乗せたり抱き上げたりするときにちょうどいい重さ・サイズ感や、撫でた時の気持ちのいい手触りにもこだわったそうです。 購入者は男性と女性、どちらが多いのでしょうか。 前出の広報担当者に聞いたところ、2018年8月時点の予約者データ(日本と米国合算)では、女性が46%、男性が54%だったそうです。他方、渋谷ロフトの購入者データでは、6割が20〜30代の女性だったとのこと。また、予約者の年齢は、25〜34歳が35%と最も多く、次に35〜44歳が28%。働き盛りの世代に購入者が多く、同社の調査によると癒し効果を求めて購入する人が多いそうです。 サイズは幅320×高さ150×奥行き520 (mm)、重量は約1000gです。価格は1万2000円(税抜)で、ネット通販のほか、都内ロフト、東急ハンズ(渋谷店、新宿店)など店頭でも購入可能です。
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