かわいい「クマ」がお出迎え!八咫烏が導く熊野町熊野神社―東京神社案内【6】
東京都には約2,000社の神社があると言われています。初詣や祈願成就で参拝したり、散歩がてらに立ち寄ったりと神社に行く機会は何かと多いのでは。そこで本シリーズでは、写真家の石津祐介さんが神社の見どころや土地とのつながり、オススメの授与品を紹介し、神職の方からお話を伺います。第6回は「熊野町熊野神社」です。通称「くまくま神社」として親しまれています(画像:石津祐介)くまくま神社 山手通りと川越街道が交差する、熊野町交差点の側に鎮座する熊野町熊野神社。神社名に「熊」の字が繰り返す事から、「くまくま神社」の通称で親しまれています。今回は、禰宜の弓削浩之さんに神社を案内していただきました。 「当社は室町時代にこの地に移り住んだ公家の庭田氏が、崇敬の厚かった熊野権現を勧請したことに始まります。熊野神社は都内にも多いので、区別するために社名に地名の熊野町が付いており、また神社に親しみを持ってもらいたいので『くまくま神社』を愛称としました」(弓削さん) 室町時代に創建されたという熊野町熊野神社(画像:石津祐介)導きの社(みちびきのやしろ) 熊野町熊野神社の御祭神は、伊佐奈美命(イザナギノミコト)、速玉之男命(ハヤタマノオノミコト)、事解之男命(コトサカノオノミコト)の三柱で、全国に約三千社ある熊野神社の総本社、熊野三山でもお祀りされています。また日本神話において、熊野の山中で神武天皇を道案内した八咫烏(ヤタガラス)は、熊野の神様のお使いとされています。 「当社は、神の使いである八咫烏から、万事導く『導きの社』として、さまざまな御神徳へと導いております。御祭神の伊佐奈美命は、多くの神様を生んだ事から安産や縁結びの御神徳もあります。また速玉之男命と事解之男命は、伊佐奈美命が夫と別れた時に生まれた神様ですので、縁切りの御神徳もあります」(弓削さん) 境内では、御神使の八咫烏をよく見かけます(画像:石津祐介)不思議な空間「幻想の庭」 各地の熊野神社における「熊野信仰」は山岳信仰や修験道と関わりが深く、仏教と神道が融合した「神仏習合」の影響を受けています。 「当社は明治以前、寺院の別当でした。その名残で、境内には不動尊や観音様があります。神道と仏教が共存する不思議な空間『幻想の庭』を、ぜひ参拝いただければと思います」(弓削さん) 末社の稲荷神社や仏様、御神木などがある「幻想の庭」(画像:石津祐介)境内の八咫烏と熊たち 境内では、多くの八咫烏や熊に出会うことができます。神社のマスコット「くまくまのくま」は弓削さんが考案したオリジナルキャラクターで、授与品や御朱印などにも書かれています。 「もともと、各地の熊野神社でよく用いられる八咫烏を神社のキャラクターにしていましたが、社名から熊のキャラクターも考案しました」(弓削さん) くまくま神社のパネル。神社のキャラクター「くまくまのくま」は子どもにも人気(画像:石津祐介)境内では「なで熊」をはじめ、さまざまな「くま」に出会えます(画像:石津祐介)人気の授与品や御朱印をいただこう 八咫烏や熊の授与品や、弓削さん自らが手書きするカラフルな御朱印が人気です。とくに御朱印は遠方からも求める人が多く、若い女性を中心に口コミで広まっています。 ユニークでかわいい御朱印は、郵送対応もしています(画像:石津祐介)ひとつひとつ丁寧に、御朱印帳に書いていただけます。「手書きで時間も掛かりますので、SNSでスケジュールを載せています」と弓削さん(画像:石津祐介) 「授与品は、ご自身で顔を書き込んでいく『くま絵馬』や、おみくじ付きの八咫烏の御神像、烏文字のお札『熊野牛王神符』などが人気です」(弓削さん) 人気の授与品。くま絵馬(左上)、八咫烏の御神像(右上)、熊野牛王神符(下)(画像:石津祐介)「参拝作法が違っても神様への気持ちが大切ですので、とらわれすぎずにご参拝いただければと思います」と弓削さん(画像:石津祐介)■熊野町熊野神社(くまのちょうくまのじんじゃ) 住所:東京都板橋区熊野町11-2 TEL:03-3956-2019 営業時間:9:00~17:30(御祈祷・御朱印受付17:00まで) ※最新の社務所受付状況は公式SNSにてご確認ください アクセス:池袋駅西口より国際興業バス(池02・池82)約10分乗車、「熊野町」停留所より徒歩2分 東武東上線 大山駅より徒歩12分 都営三田線 板橋区役所前駅より徒歩16分 東京メトロ有楽町線 要町駅より徒歩16分 JR、東武東上線、西武池袋線 東京メトロ丸ノ内線・副都心線・有楽町線 池袋駅より徒歩18分
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