旅の達人が教えるスペイン「バルセロナ」の魅力!開催中の「ガウディとサグラダ・ファミリア展」情報も
世界遺産建築に絶品料理。スペイン・バルセロナは日本をはじめ、世界中の旅行者に人気が高い都市です。今回は定番の観光スポット、航空券や治安などの情報はもちろん、東京で開催中のガウディの展覧会もご紹介。スペインをこれまで何度も訪れたことがある、旅行ジャーナリスト・フォトグラファーのシカマアキさんが解説します。●バルセロナが初めてなら「ガウディ巡り」から。街じゅう世界遺産! ユニークなガウディ建築に、本場のバルで食べる絶品のスペイン料理。スペイン・バルセロナは日本をはじめ、世界中の旅行者に人気が高い都市です。 バルセロナと言えばガウディ建築、といっても過言ではありません。スペインを代表する建築家であるアントニ・ガウディ(1852~1926)が手掛けたものとして、最も有名な「サグラダ・ファミリア」をはじめ、「カサ・ミラ」「グエル邸」「カサ・バトリョ」「グエル公園」などがあります。 サグラダ・ファミリアは建築開始から100年以上、もうすぐ完成予定(画像:シカマアキ)【画像】印象派などが活躍した19世紀末、巨匠たちは自然の造形の中にある幾何学を取り入れた>> いずれも、バルセロナの中心部に点在し、世界中の旅行客が訪れる人気観光スポット。1984年に「アントニ・ガウディの作品群」として、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。 ガウディは1852年、スペイン・カタルーニャ南部の街で生まれ、19世紀から20世紀にかけ、バルセロナを中心に活動しました。自然界の造形美を取り入れ、イスラム建築を起源とする鮮やかな色彩を多用するのも、ガウディ建築の特徴です。 ●サグラダ・ファミリアには必ず入場、本場のバルは人気店狙いで! 「サグラダ・ファミリア」は、ガウディの最高傑作と言われる教会です。1882年から建設が始まり、ガウディ没後100年の2026年の完成を目指して工事が続けられています。 サグラダ・ファミリア内部から見るステンドグラスがとても美しい(画像:シカマアキ) 外観の見どころは、イエス・キリスト誕生のエピソードが盛り込まれた「生誕のファサード」と、逆側にある「受難のファサード」など。教会内部も必見で、色鮮やかなステンドグラスから降り注ぐ光の幻想的かつ荘厳な雰囲気に心を打たれます。 ガウディ後期の作品「カサ・ミラ」も旅行客に人気が高い(画像:シカマアキ) また、「カサ・ミラ」は、ガウディ後期の邸宅兼集合住宅です。地中海をモチーフにしたというほぼ曲線のみの外観は、まさにガウディらしい造形美。現在もここに住む人々がいます。屋上で見られる不思議な煙突も、とてもユニークです。 カサ・ミラの屋上も楽しい。ユニークな突起物はなんと煙突(画像:シカマアキ) ガウディのパトロンだった実業家、エウセビ・グエルとガウディが手掛けた庭園型の住宅地「グエル公園」も、旅行客に人気。ここからバルセロナの街を眺めることができます。公園のシンボルである「大トカゲ」もお忘れなく。 グエル公園の大トカゲ。この前で記念写真を撮る旅行者が多く、順番待ち必至(画像:photoAC) さらに、バルセロナはヨーロッパで最高レベルの美食の街としても知られます。本場のバルで食べるカタルーニャ料理や地中海料理、タパスなどは、人気店に並んででも食べる価値あり。 本場のバルで食べるイベリコ豚はおいしすぎる。バルは1人でも利用しやすい(画像:シカマアキ) 現地では、カタルーニャ風パスタのフィデア・カタラナ、パンにトマトを塗ったパン・トマカ、生ハムのハモン・イベリコ、チーズ、魚介類などいずれも絶品です。 ●日本とスペインの直行便は? 現地の治安にはくれぐれも警戒を 日本とスペインを結ぶ直行便は、2023年7月現在、残念ながらありません。2016年10月、スペインのイベリア航空が東京(成田)-マドリード間の直行便を18年ぶりに開設。しかし、新型コロナ禍で運休となりました。 バルセロナの玄関口、エル・プラット空港。主にヨーロッパ各地からの便が発着する(画像:シカマアキ) バルセロナへ行くには、日本からパリ、フランクフルト、ロンドンなどのヨーロッパ各都市、もしくは中東諸国で乗り継ぐ方法が一般的。それぞれバルセロナ行きの便が多くあります。バルセロナ=エル・プラット空港からバルセロナ中心部へも空港バス、地下鉄、近郊列車などでアクセスできて便利。 バルセロナで最もにぎやかなカタルーニャ広場付近は、旅行者を狙うスリがとても多いエリア。くれぐれも気を付けたい(画像:シカマアキ) 現地では、治安にくれぐれも注意してください。旅行客を狙ったスリや置き引きが多発しています。筆者はバルセロナの南にある都市バレンシアで、スマートフォンを盗まれ、警察に駆け込んだ苦い経験があります。特に治安が悪いエリアを歩く、深夜の外出もやめましょう。 ●東京国立近代美術館にて「ガウディとサグラダ・ファミリア展」開催中 バルセロナのシンボル的存在であるサグラダ・ファミリア聖堂と、これを手掛けたアントニ・ガウディの創造の源泉をひもとく展覧会が、東京国立近代美術館で9月10日(日)まで開催されています。 スペインの偉大な建築家、ガウディによるサグラダ・ファミリアに焦点を絞って紹介する展覧会(C)Fundació Junta Constructora del Temple Expiatori de la Sagrada Família(画像:東京国立近代美術館リリースより引用) 展示内容は、図面をはじめ模型や写真など100点以上の資料に加え、最新のドローン映像などを交え、ガウディ建築の世界を壮大なプロジェクトとして紹介しています。 特に、ガウディは図面に加え、模型を多く作って聖堂の形と構造を探った独自手法が特徴。サグラダ・ファミリア聖堂は、建築だけでなく彫刻や工芸を含めた光と色の効果、音響にまで工夫を凝らした総合芸術の場として構想されました。会場では彫刻術の観点からも、ガウディ建築の世界に迫っています。 ■ガウディとサグラダ・ファミリア展 開催日程:開催中~2023年9月10日(日) 開催場所:東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー 住所:東京都千代田区北の丸公園3-1 開館時間:10:00~17:00 ※金・土曜20:00まで(入場は閉館30分前まで) 休館日:月曜(ただし7月17日は開館)、7月18日(火) アクセス:東京メトロ東西線 竹橋駅より徒歩3分 東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線 九段下駅より徒歩15分 東京メトロ半蔵門線・都営新宿線・三田線神保町駅より徒歩15分 参照:東京国立近代美術館 公式サイト https://www.momat.go.jp/
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