1度食べたらコンビニ製品には戻れない? 都内で買える「絶品中華まん」3選
季節はもうすぐ冬。そんなとき食べたくなるのが、あつあつの中華まんです。コンビニでも手軽に中華まんが食べられる今だからこそ、お店の本格派を楽しんでみませんか?中華まんの歴史 寒い季節になるとつい食べたくなる、ふわふわあつあつの中華まん(肉まん、あんまん)。作りたてのふかした中華まんは身体だけではなく、心までじんわり温めてくれます。 中華まんとは ・小麦粉 ・水 ・塩 ・酵母 などをこねて発酵させた柔らかい皮で具材を包んだ、蒸した饅頭(まんじゅう)です。 日本最初の中華まんは、新宿中村屋で1972(昭和47)年に発売された「天下一品 支那饅頭」といわれています。1925(大正14)年に新宿中村屋の創業者・相馬夫婦が中国旅行に出掛けました。そこで初めて現地の包子(パオズ。なかに肉や野菜、あんなどを入れた饅頭)を食べたところ、油っぽく感じたといいます。 帰国後、夫婦は中国人の職人を雇い、そのノウハウを吸収しながらも、日本人好みのあっさりとした味付けを目指しました。中華まんはそれまで、ごく一部の中華料理店でしか、食べられませんでしたが、これ以降、一般人に親しまれるようになりました。 今ではコンビニエンスストアで中華まんが手軽に食べられるようになりましたが、専門店ではそれを上回る、生地や具材、蒸し方にこだわった本格的な商品が食べられます。 ということで、今回はテイクアウト店を中心に、都内の絶品中華まんが食べられるお店3選をご紹介します。 1.鹿港(ルーガン)1.鹿港(ルーガン) 世田谷線の上町駅から徒歩2分の場所に、本場台湾仕込みの「肉包(ローパオ)」を食べられる鹿港(ルーガン。世田谷区世田谷)があります。 鹿港の「肉包」(画像:Konomi) 営業は朝9時からで売り切れ次第終了。台湾の本格的な中華まんが食べられるとあって、わざわざ遠方から足を運ぶファンも多い人気店です。 オーナーが台湾滞在中に肉まんの名店・振味珍(ゼンウェイゼン)と出会い、その味に感動。10年たっても味を忘れられず、日本人にも食べてもらいたいとの思いから、振味珍に何度も頼んで修行したのだそう。無事に2年間の修行を経て、門外不出と言われたレシピを伝授。2003(平成15)年に世田谷に開店しました。 著者が同店を3選に選んだのは、門外不出のレシピという特別な中華まんが味わえるから。本場仕込みの味を食べると感動すること間違いなしです。 生地はふんわり柔らかで少し甘味があります。ルーガンの肉まんは具材より、きめ細やかでしっとりもちもちした生地が主役です。具材に使っている国産豚バラ肉と台湾油ネギを一口かみしめると、肉汁はたっぷり。また竹の子や玉ねぎ、しょうがなどをミンチにして作られた肉団子も入っており、シャキシャキとした食感も楽しめます。伝統の味付けを守った本場の味は、並んでも食べたくなります。 もうひとつの人気メニューは「饅頭(まんとう)」です。饅頭とは具材の入っていない、ほんのり甘い蒸しパン。その皮には、肉包の皮に使用している生地にさらに手を加え、コシとしっかりとした食感と優しい甘さがあります。 ひとつ100円と価格もリーズナブルで、まとめてたくさん購入する人も多いのだとか。特製の具材を挟んだり、ジャムを塗って食べるのもおすすめです。 2.神楽坂五十番2.神楽坂五十番 続いては創業1957(昭和32)年で、手作りの肉まんやあんまん、ギョーザ、ちまきなどを販売する神楽坂五十番(新宿区神楽坂)です。 神楽坂五十番の「肉まん」(画像:Konomi) このお店を選んだのは創業64年と、歴史の長い老舗だったから。先代より伝わる味を守り続け、「肉まん」はひとつひとつ丁寧に作られています。この熟練の技術を始めとする多くの努力が同店を守り続けてきたのでしょう。なお神楽坂には元祖五十番神楽坂というお店もありますが、別会社が運営しています。 大きな肉まんは、手に取るとずしりとした重さ。生地は厚く、ふっくらとしています。具材は国産豚肉と国産キャベツがたっぷり入っており、添加物・保存料不使用。一口食べると、肉汁があふれだすジューシーさ。持ち帰りや通販などでも利用だけでなく、店頭で蒸したてを食べられます。 3.包包3.包包 都心にありながらも、昔ながらの商店街が印象的な三軒茶屋。三軒茶屋駅すぐの世田谷通りを右に曲がってエコー仲見世(みせ)商店街に入ると、点心の店・包包(パオパオ。世田谷区三軒茶屋)があります。 包包の「肉包」(画像:Konomi) このお店を選んだのは、なんと言っても包の種類の多さです。店頭に設置された大きな冷蔵ケースのなかは中華まんや蒸しパン、春巻き、大根もちなど、蒸し物から揚げ物まで種類豊富。そんな光景に思わず目移りしそうになります。「肉包」には小と中があり、小が90円、中が180円とリーズナブル。 蒸して食べるのが最もおいしい食べ方らしく、店頭でも10分ほどで蒸してくれます。自宅の蒸し器を使うのが面倒な場合は、電子レンジで温めても良いそうです。肉包の具材は肉団子のようなみっちりとした肉の食感と、玉ねぎのシャリシャリとした食感がよく合っています。生地は厚くてフカフカで、しっとり均質に膨らんでいます。丁寧に作られているだけあって、大事に食べたくなります。 「海老包」のなかにはえびのほか、竹の子やクワイ、玉ねぎ、ひき肉が入っていてジューシー。プリプリのえびとシャキシャキ野菜の食感がたまりません。小は軽くて食べやすいので、おやつにもぴったりです。 ※ ※ ※ 今回ご紹介したお店の中華まんは、どれも具材や製法にこだわった、そこでしか食べられないものです。冬のおみやげにいかがでしょうか?
- 三軒茶屋駅
- 上町駅
- 中華料理・町中華
- 神楽坂駅