工場だらけの島に都内屈指の「水平線ビュー」スポットがあった!【東京23区ビーチの旅】
旅行に行かれなかったコロナ禍、東京都内にいながらリゾート地に来たような気分を味わえるビーチを発見! 映像ディレクターの高橋弘樹さんがその魅力をリポートします。第2回目は「城南島ビーチ」。都内にある穴場ビーチ探訪! 日曜日にゆっくり寝ちゃって……。あるいは、午前中にたまっていた家事や用事をすませて……午後から何をしようかな。 そんなとき、都内から“超”ふらっと行ける、東京23区ビーチの旅。都内でビーチといえば、お台場が思い浮かびますが、じつは都内にはいくつかの「穴場ビーチ」があります。 そのなかでも、「海外旅行気分が一番味わえる」ビーチ。 海外旅行気分が味わえる都内のビーチとは?(画像:高橋弘樹) そして、「赤・青・黄のカラフルな極楽鳥」、「ゴツゴツしてとても強そうなクジラ」、「赤やオレンジの光を放つホタル」を見られる不思議な島。それが「城南島ビーチ」です。 このビーチは名前のとおり、東京都の城南島にあります。23区東部に在住の人には聞き慣れない島かもしれませんが、大田区の東端にある島です。 電車の駅などはないため、あまりその名を知られてはいませんが、大森駅や平和島からバスで行けますし、東京モノレールの流通センター駅から15分ほど歩いて行くこともできます。 南国風の木々が立ち並ぶ海辺南国風の木々が立ち並ぶ海辺 島内は町工場だらけの工場島。リゾート感は皆無ですが、島の最奥部まで歩いて行くと、突然グリーンベルトが現れます。木立をくぐって、さらにその先に進むと、砂浜と1本の白木がおかれた、正真正銘のビーチ。 これが「城南島ビーチ」です。 手前が南国感ただよう城南島、奥は令和島(画像:高橋弘樹) こちらのビーチも23区にいながら、まさかの水平線ビュー。それだけではありません。北岸は「東京でもっとも新しい島」令和島ビュー。 令和島の城南島側岩壁は、水深16mと大型船でも停泊可能な高規格バース。それゆえ城南島ビーチで遊んでいると、いきなり超巨大コンテナ船が入港してくるという、他のビーチではなかなか味わえない非現実的体験が可能です。 そして、そんなビーチ眼前の巨大船に目をとられていると、このビーチの一番のスペクタクルが突然やってきます。 「ゴーーー!」 空に鳴りひびく轟音。ふと見上げると、すぐ頭上を飛行機が通過していきます。そう、城南島ビーチのすぐ南側は羽田空港。 まるで極楽鳥の群れ? 飛び交う旅客機まるで極楽鳥の群れ? 飛び交う旅客機 北の令和島上空を通り徐々に高度を下げながら、城南島ビーチをかすめるように着陸する飛行機は迫力満点。 これこそこのビーチが「海外旅行気分が一番味わえる」と記したゆえんです。 水上には巨大なコンテナやクレーンを積んだ巨大な“クジラ”。上空には日本や世界各国から帰ってくる赤、青、黄色と色とりどりの巨大な“極楽鳥”。 巨大なコンテナ船が眼前を行き交う(画像:高橋弘樹) こんな非日常的な「ホエールウオッチング」と「バードウオッチング」ができるビーチは、都内だけなく、日本全国を探してもそうありません。 それが有機物であるか無機物であるかに、とてもこだわりのある人でなければ、この島はとても魅力的な島です。 ビーチの後背にはバーべキューができるキャンプ場があり、宿泊もできます(要予約)。 日が落ちると、ビーチ北西の釣りができる岩壁からは、はるか彼方に東京の高層ビル群の夜景がのぞめます。そして都内でも限られたスポットでしか味わえない、まさかの東京タワーとスカイツリーのビュー。 夕暮れ時にはホタルのような明かりが夕暮れ時にはホタルのような明かりが 島の中心部も昼間は工場労働者でにぎわいますが、夕方17時をすぎると一斉にバスに乗り込み本土へ戻っていきます。 静けさに包まれ海を独占し、はるか彼方のお台場や令和島のガントリークレーンと物流船がおりなす、赤やオレンジの無数の“ホタル”。有機物と無機物にこだわらなければ。 対岸の羽田空港を離着陸する旅客機も見られる(画像:高橋弘樹) 人はいつも意味のないカテゴライズにとらわれて、分断されたカテゴリー間に通底する、本質的に同じ価値を見出すことに失敗するもの。 神秘につつまれた城南島での体験は、お台場からわずか車で7分です。 そして、次回の記事ではもうひとつ、都内の穴場ビーチをご紹介しましょう。
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