会話の途中なのに? 突然「既読スルー」して数週間放置の友人 「何かあった?」と尋ねたところ……

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会話の途中なのに? 突然「既読スルー」して数週間放置の友人 「何かあった?」と尋ねたところ……

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鳴海汐

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新型コロナ禍の外出自粛で、友人とのコミュニケーションは直接対面ではなくSNS中心に。こんなときだからこそ余計に相手の「既読スルー」にモヤモヤしてしまったという人もいるのでしょうか。ライターの鳴海汐さんがちょっとした対処策を紹介します。

緊急事態の東京、友人とのやり取りはSNS中心に

 東京都に発令中の緊急事態宣言が2021年8月31日(火)まで延長されることが決まりました。また、都民にとって多くの友人たちが在住している埼玉・千葉・神奈川の近隣3県も8月2日(月)から宣言の対象となります。

 前年に続いて2021年も、友人たちと顔を合わせることはないまま夏が過ぎていきそうです。

 人と直接会うことが難しい新型コロナ禍では、友人とのコミュニケーションはSNSが中心。

 武庫川女子大学言語文化研究所の調査によると、新型コロナウイルス発生後は、それまで親しくなかったクラスメイトや疎遠になっていた友人などからの連絡が増えた学生が多かったそうです(LCりぽーと 2020年10月)。

 SNSのメッセージと言えば、「既読」マーク問題があります。この時期、”既読スルー“”未読スルー“で悩んだ人は少なくないのではないでしょうか。

既読マークが付いたのに返信が来ない。そもそも既読が付かず未読のまま。SNSでのやり取りはときに“もやもや”を生む(画像:pixabay)



 作法は人それぞれです。(おそらくスマホの通知で目を通し)返信するまでは既読マークを付けないようにする人もいれば、既読を付けて後から返信する人もいます。

 後から返信という場合も、数時間後の人もいれば翌日や数日後という人もいて。1日1往復のようなリズムを好む人もいれば、チャットのように短時間でやりとりするのが好きな人もいます。

 同じ人でも毎回同じパターンなわけでもなく。親しくなればその傾向が分かってくるのですが、やり取りを始めたばかりの人については把握するのに時間がかかります。しかも分かっていれば傷つかないわけではないのも問題なのです。

最近特に気をもんだ「既読スルー案件」

 筆者の友人には、頻繁に既読スルーをする人がいます。明らかに会話の途中なのに突然プツンと連絡が途絶えます。

 彼女が忙しい人なのは承知しているのですが、筆者は気にしてしまう性分で、何か相手を傷つけるようなことを言ってしまったのだろうかなど毎回落ち込んでしまいます。

 そこで何度か、「連絡が急に途絶えたので、変なことを言ってしまったのかと気にしていた」など伝えているのですが、「それはないから、そういう風に考えないで」と返されました。悪気が無いのです。

 気にしないようにしようとしても、既読スルーが変なタイミングで起こり数週間連絡が途絶えると、くよくよしたり、ときにはイライラしたりします。

 たいてい連絡が途切れたとき、彼女にとって大変なことが起こっているのですが、それを後から聞いても、複雑な気分になります。

会話の途中で突然、連絡が途切れる友人。何かあったのではないかと気を揉むことも(画像:写真AC)



 気の毒だし、それでは仕方がなかったか、とは思うのです。しかし自身の状況に関わらず返信を大幅に待たせないのがマナーだというのが持論。プライベートだし無理することはないのですが、相手にはこちらの状況が分からないわけですし、返信がないと心配する人もいるからです。

 ひょっとしたら、相手は落ち込んでいるときに無理やりメッセージを送る方が失礼という考えの持ち主なのかとも想像してみました。また相手には子どもがたくさんいてさまざまな活動に忙しく、筆者は独身でこんな風に細かいことを考えてしまいがち。気持ちの分散度合や時間の感覚が違うのかもしれません。

 別の友人に、連絡が途絶えることについてどう思うか質問したところ、「会う日程を話し合っている間に突然連絡が途絶える親しい友達がいるけれど、全然気にしない」という答えが返ってきました。

 けっこう人間関係など気にするタイプの友人なのにとそのときは意外に感じたのですが、思えばこの友人はSNSをやっていないのでメールがメインツールの人。つまり「既読」の文字を見ることのない人なのでした。

海外で主流のアプリは「既読」を非表示にできる

 日本ではLINE、若年層の場合Instagramでの連絡が多いと思いますが、世界的に人気のメッセージアプリは「WhatsApp(ワッツアップ)」になります。

世界的に主流のメッセージアプリWhatsAppは「既読」を非表示にできる(画像:pixabay)



 このアプリでは、相手も同じアプリを使用中の場合、その人とのトーク画面に行くと、「オンライン」と表示されます。そして、送信したメッセージの下にグレーのチェックマークひとつが付いているときは、先方が電波の届かないところにいるなどして、まだ受け取っていない意味。

 グレーのチェックマークが上下にふたつ重なっているものは、先方の電話に届いたけれど未読、そしてこれが青に変わったら既読の意味になります。

「オンライン」になるのにいつまでもグレーのダブルのチェックマークのままだと、相手は他の人との連絡で忙しい、もしくは優先順位が低いのかと考えてしまうことも。他アプリと違いオンライン表示をオフにできないので“生存確認”がしやすいのですが、ある意味やっかいでもあります。

 先日トークの一覧を見たとき、少し前にチャットをした相手が筆者からの最後のメッセージを未読で放置していることに気づきました。そしてトーク画面に行ったら、こちらから送ったメッセージに付いているのは未読マーク(グレーのダブルチェックマーク)だらけ!おかしい、これはどんな現象かとインターネットで調べたら、WhatsAppには「既読を表示しない機能」があったのでした。

 アプリを開いて設定、アカウント、プライバシーと進むと「開封証明」があります。そこには、「開封証明をオフにすると、宛先からの開封確認も見られなくなります。開封確認はグループチャットでは必ず送信されます」とありました。ちなみに、これをオフにしても「オンライン」は表示されます。

 筆者がすぐさま開封証明をオフにしたのは言うまでもありません。

既読スルーの対処法

 既読マークが消えたことで、以前より気が楽になったのですが、そもそも相手に既読スルーされたときはどうしたらよいのでしょうか。

 インターネットで検索すると、恋愛に焦点を当てたマニュアルが多いのですが、そこにはたいてい「しばらく放っておくのが一番」と書いてあります。日本だけでなく、いくつかの海外の記事でもそうでしたが、海外の個別の反応を見てみましょう。

既読スルー問題、海外の人たちはど受け止めている?(画像:写真AC)



 ポジティブな思考を持つチリ人の友人に、既読スルーされたらどうするか聞いてみました。答えは「追加でメッセージを送る」でした。

 筆者も、しつこいとは思うのですが、言い忘れたことがあるとき、相手から返事がしばらく来ないときは“追いメッセージ”をすることがあります。「追いメッセージしてごめん」と言うと、イタリア人の友人の場合、「送りたいときはいつでも送っていいんだよ」と毎回言います。

 なお、2020年にイギリスに暮らすカナダ人に聞いたところ、「未読スルー」という言葉は英語圏には存在しない、「既読スルー」と分けて考えていないという話でした。

既読マークにもメリットはある

 既読マークが悪というわけではありません。多くのメッセージアプリで採用されているということは、その方が便利だからです。

 返事は無いけれど読んだんだなと分かりますし、読んだ上で返事しなかったのだなと考えることもできます。そして「オンライン」マーク同様に、”生存確認“にも使えます。

 LINEなどでも、普段は既読マークがオフにできて、必要なときに既読になったかどうかチェックできる仕様にしてもらえたらストレスが減る人が多いのではないでしょうか。

 いずれにせよ、人によって考え方が違うので、「普通はこうだから」といった概念にしばられ過ぎず、ひとりひとりに向き合って対応するのが良さそうです。

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