ゴールデンウィークに「ゴールデン街」へ行くべき、3つの理由

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ゴールデンウィークに「ゴールデン街」へ行くべき、3つの理由

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テリー植田

イベントプロデューサー

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新宿区歌舞伎町1丁目に位置する「新宿ゴールデン街」。ディープな印象が強く、興味はあるのに、足を踏み入れたことがない人も多いのでは。「東京カルチャーカルチャー」などでイベントプロデューサーを務め、東京の最先端カルチャーに詳しいテリー植田さんが、ゴールデン街の魅力と楽しみ方を語ります。

3坪ほどの小さな店が約300軒密集

「ゴールデン街」という言葉には、なんとも言えない響きがあります。

 街の名前は知っていても、実際に新宿ゴールデン街に飲みに行ったことがある人は、この記事を読んでいる人たちでも意外と少ないかもしれません。

近年は外国人観光客にも人気のゴールデン街(画像:写真AC)



 ゴールデン街は、新宿区役所の裏手にある戦後にできた飲屋街で、3坪(約10平方メートル)の小さなBARや料理店が300軒ほどひしめき合います。新宿区役所そばのミスタードーナツの脇に小道が伸びており、今はその小道は新宿区の公園になっていますが、昔は路面電車が走っていました。

 穏やかにカーブしながらゴールデン街の入り口に流れていくその小道は、ゴールデン街のイントロ。ゴールデン街の看板と店舗マップがある入り口から一歩足を踏み入れると辺り一面は映画のセットのようです。入り口には、いつも外国人観光客で賑わう人気店「CHAMPION」があります。その外国人を客引きする外国人も多数。ここまでがゴールデン街のイントロです。

ゴールデン街は会話力を鍛える「道場」

 さて、この記事のテーマは、「ゴールデンウィークに、ゴールデン街へ行こう」です。ゴールデン街には、その理由と楽しみ方があります。ゴールデン街はあなたを呼んでいるのです。

 その理由を述べていきましょう。ゴールデン街の楽しみ方は、多岐に渡ります。私自身は23年間、ゴールデン街に毎週通っていますが、その楽しみ方は年をとるにつれ、馴染みの店が増えるにつれ変わっていきました。しかしながら、300軒のうち行ったことがある店は100軒もないと思います。いくら通ってもまだまだ伸びしろがあるのです。

 そして、ゴールデン街に行くべき最大の理由は、「コミュニケーションの『自主練』の場である」こと。ゴールデン街は、会話力を鍛えて人生をより楽しくするための道場なのです。

 3坪ほどの小さな店のカウンターはどの店も7~8席。みんなの会話が聞こえます。マスターを囲んでひとつの話題についてみんなで笑い合うことが多く、孤独になりにくい環境です。だからこそ、となり合わせた初対面の人との会話そのものが「体験」として残ります。ふつうの居酒屋ではなかなか起こりえない体験でしょう。一方的に自分の話だけを延々とする人や、カウンターの女子をしつこく口説くおじさんは、お払い箱です。

 日本人だけでなく、外国人観光客と自然な会話ができるのもゴールデン街の大きな魅力です。今や世界的なナイトスポットになっているゴールデン街では、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界中からの外国人観光客と自然な乾杯体験ができます。

 今、ゴールデン街は、日本で最もリアルな英会話体験ができる場所といっても過言ではないでしょう。まるで、鎖国時代に、日本で唯一欧米に開かれていた長崎の出島にタイムスリップしたかのようです。もはや英会話学校で日本人講師と英会話のお勉強をしている時間など人生に必要ありません! ゴールデン街に通えば、日常的に自然と英会話が鍛えられるのです。

日替わり店長システムで楽しさ倍増

 もうひとつ、忘れてはならないゴールデン街の特徴として、「日替わり店長」のシステムがあります。マスターやママさんが1人でやっている店もありますが、たいていが複数人制。日替わりでカウンターの中のスタッフが変わるので、通う楽しさが何倍にも広がります。

 つまり、連日同じ店に通っても店員さんが違うから、繰り広げられる会話も違えば、店員さんについているお客さんも違うのです。そんな店が300軒近くあるわけで、一生通っても遊びきれない楽しみがあります。

「今日は、何曜日だ? あの子とあの子とあの子がいる店に行こう」と、曜日で店番を把握できるようになると、もはやあなたは“熟練”の域です。

日替わりで店長が変わる店が多い(画像:123RF)



 食事を楽しめる店もいろいろあります。ゴールデン街は、ご飯が食べられる店が少ないと言われますが、少なくとも20軒はあるでしょう。

 例えば、贅沢な肉がリーズナブルに食べられる「肉人」の絶品ラムチョップ。外国人観光客にも大人気の串揚げ屋「どんがらがっしゃん」の唐揚げ。静かな雰囲気で楽しめる「小鳥」の魚料理。美味しいお通しがたくさん出る「チキッチン」。交番横にある「ボンズ」の絶品ピザと焼きたてオイルサーディン。

 さらに、定番安定の「バルボラ」のお好み焼き。冬場にはカキと春菊がマストです。座敷の「双葉」ではきしめんと日本酒の組み合わせが楽しめます。「すごい煮干しラーメン凪」の伝説の1号店があるのは、ゴールデン街です。

 ほかにも、私のおすすめ店を、一部ですが挙げてみます。20周年を迎えた「あび庵」は猫好きなママさんが作る小皿料理つまみに会話を楽しみたいお店。ゴールデン街会長で俳優の石川雄也さんの「ダーリン(バー)」と「ハニー(スナック)」も外せません。気軽に入りやすい立ち飲み「キャロット」のミラクルサケカクテル(日本酒にレモンシロップ、トニックウォーターの飲みやすいカクテル)は秀逸。立ち飲み「人見知り養成所」は、人見知りの人にも優しい、みんなで乾杯するスタイルで、自然と会話が弾みます。

 そんなゴールデン街で会話力を鍛えれば、ビジネスでも役立つこと間違いなし! ゴールデン街には大都市が失ったコミュニケーションが溢れているのです。

初心者におすすめの「祭り」と「本」

 ゴールデン街では、毎年4月に春の「桜まつり」、8月に夏の「納涼感謝祭」の大イベントが行われます。祭りのときだけ店のチャージが無料になり、ドリンクは500円均一。初めてゴールデン街に来る人にも優しく、常連組にとっても、普段とは違う、行ったことのない店に行く良い機会になります。昼からやっているので、普段とは一変した様子を楽しむのも良いでしょう。

 ゴールデン街が初めての方は、まず雰囲気を味わうために、馳星周著『ゴールデン街コーリング』(KADOKAWA)を一読することをおすすめします。

 どの店でもお勘定をしたら「ありがとう」ではなく「いってらっしゃい」と声をかけられ、そこから何軒もはしごする小旅行が始まる――。

 さあ、ゴールデンウィークはゴールデン街へ行ってらっしゃい!

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