スカイツリーに1番近い銭湯 元料理人の店主が仕掛ける、年2回の「パクチー湯」 薬師湯

温泉ソムリエマスターの高橋里実さんによる、東京銭湯探訪。今回は、墨田区向島で半世紀以上にわたって、人々の心と体を温めてきた「薬師湯」を紹介します。目の前にスカイツリーが登場したことにより、新しいドラマが生まれているようです。


スカイツリーがもたらした影響とは?

 そんな中、墨田区に明るいニュースが訪れます。2012(平成24)年5月、スカイツリー開業。周辺が整備され、観光客や外国人も増加。地域の観光マップが配布されるようになり、取材を受ける機会も増え、薬師湯の認知度も次第に上がっていきました。

昭和28年開業当時の薬師湯(画像提供:薬師湯)

「意外だったのは、近隣の若い人たちが来るようになったことですね。ここに銭湯があるということを知ってもらえたみたいで。それにスカイツリーの従業員の方も仕事後に立ち寄ってくれるようになりました。銭湯文化がなくなる不安も今は少なくなりました」

 さらに近くには、ゲストハウスなどもオープン。宿泊すると薬師湯でタオルを借りられるように提携したことでさらに集客につながっていったそうです。

「今でいうWin-Winの関係ですよね。お互いに良い関係になっています」

 スカイツリーができてお店が繁盛しても、古くからの設備を大切に使ってきた薬師湯。マニアの間では「薪で沸かす銭湯」として愛されている側面もありました。

 しかし、2017年にガスに変更。繁盛店であるがゆえの人手不足や故障などが重なり、やむを得ずの判断でしたが、管理の大変だった薪からガスに変えたことで時間が浮いたため、サービスの向上や新たなイベントの企画などもできるようになったそうです。

「SNSで要望をもらうことも増えて、パクチー湯もやってみました。匂いが嫌だという声もあったんですけど、面白がって来てくれるお客様もいるので1年に2回くらいやるようになりましたね。今後は近くの飲食店とのコラボなどもしたいなと思っています」

 時代の変化とうまく順応しながら、昭和、平成、そして令和を迎える薬師湯。

「僕が継いでから本当に色んなことがありましたが、スカイツリーができてうちの店だけでなく、街自体も元気になったなぁと感じています。できれば先々、娘にも継いでほしいという思いもあるので、頑張っていきます」

 今日も薬師湯は温かいお湯でたくさんのお客様を迎えています。


【写真】ユニークな薬師湯の日替わり湯(8枚)

画像ギャラリー

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