東京からの「日帰り福島」が、想像以上に近くて気軽で便利だった! 貸し切りタクシーで歴史のまち、白河を巡る[PR]

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東京からの「日帰り福島」が、想像以上に近くて気軽で便利だった! 貸し切りタクシーで歴史のまち、白河を巡る[PR]

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箱根、御殿場、宇都宮…目的地がマンネリ化しがちな、東京からの「日帰り旅行」。みちのくの玄関口、福島県は白河市に行けば、新たな発見があるかもしれません。現地を巡ってみました。 

 次の週末、東京から日帰り旅行へ行くとしたら? 行き先は箱根やディズニーリゾート、御殿場、宇都宮ギョーザ…と、いくらでも選択肢があるようでいて、気付けばだんだん、「行ったことのある」お決まりのエリアばかりになってしまいがちです。

 それなら、もう少し足を延ばして…とは思うものの、東北まで行こうとなると、途端にハードルが上がる気がしませんか。日帰りで行って来られるのかな、と。

 だけど、意外や意外。みちのくの玄関口・福島県へは、新幹線で東京から1時間半ほどという絶妙な距離なのです。想像以上に近い上、関東近県に行く以上に「旅行に来たぞ~」という気分も高まりそうです。

 東京から一番近い福島の新幹線駅は「新白河」。栃木県との県境近くに位置しています。降りたことがある東京都民はまだあまり多くはないかもしれませんが、このたび、首都圏在住者をターゲットにした新たな観光サービスが本格スタートするのだそう。

 新しい観光サービスって? 白河にはどんな観光スポットがあるの? 本当に気軽に行けるの?? そんな疑問を確かめに、ひと足お先に現地へ行ってみることにしました。

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 12月上旬、JR東北新幹線やまびこで、東京駅から新白河駅へ。乗車時間の約1時間半は新宿から箱根湯本まで行くより短いくらいです。確かに近い、車内でウトウトしていたらあっという間でした。

 改札をくぐって、駅前のロータリーに降りると、出迎えてくれたのは地元・白河観光交通(同県白河市)のタクシー。「いらっしゃいませ、ようこそ白河へ」と笑顔を見せるのは、運転手の祓川隆志さん。

白河観光交通の運転手・祓川隆志さん



 そう、白河で本格的に始まるサービスというのは、地元タクシーを好きな時間貸し切って、市内のスポットを回る、オーダーメードの観光ツアーです。その名も「動く観光案内所」というのだそう。

 2時間、3時間、6時間のコースがあり、今回体験したのは6時間コース。午前10時にスタートして、午後4時まで1日たっぷり、市内を回ることができます。

 個人的に、初めての観光地へ訪れるとき、ちょっとおっくうだなあと感じてしまうことは、行ってみたいスポットを複数ピックアップして、巡る順番を考えて、移動に掛かる時間を換算して、食事どころを見つけて予約して、各スポットに関する情報を事前にチェックして、必要ならレンタカーを予約して…という一連の準備作業。

 それこそ旅行の醍醐味だろうと感じる人も多いでしょうが、もっと気軽にふらっと出かけてみたい私のような人間にとっては、今回のサービスはとってもありがたいものなのでした。

 何よりまず、運転手さんにざっくりとした希望イメージを伝えれば、いろいろ相談しながら、オリジナルのコースを即席で組んでくれること。

「名所を見たい。歴史を感じられるスポットも訪れたい。白河ならではのおいしいものを食べて、映えスポットに寄ったり、お土産を買ったりしたい」――といったアバウトなオーダーでも、「いいですよ、さっそく参りましょう」とハンドルを回してくれます。

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 この日、最初に訪れたのは、日本最古の公園と呼ばれる「南湖(なんこ)公園」です。広さ40万平方メートルの園内には、17万平方メートルもの湖があって、立ち並ぶ松やカエデの木々が何とも日本らしい情趣をかもし出しています。

松平定信公が築造した日本最古の公園「南湖公園」

「ここは白河藩主だった松平定信さんが築造した公園です。1783年に藩主になって、1801年に南湖が完成しました。『士民共楽(しみんきょうらく)』と言うんですが、身分の差を超えて、誰もがいつでも憩える場所としてこの公園を造ろう、という思いがあったそうです」

 運転手の祓川さんが解説します。

 現代でこそ、公園はどこにでもある普通の施設ですが、200年以上も前に「いつでも誰でも訪れることのできる憩いの場を」という理念を掲げたなんてすごい。しかも、身分制度が当たり前だった江戸時代に。

「定信さんは江戸幕府8代将軍・徳川吉宗の孫だったんですが、松平家の養子になり、白河に来ました。この方が白河に残した功績は本当に多くて、たとえば、天明の大飢饉(ききん)でも、迅速な食糧措置を取ったために、飢餓の死者を一人も出さなかったんだそうです。この土地を語る上で欠かすことのできない人物なんですよ」

 さすが、地元出身の運転手さん。土地の歴史にとにかく詳しいのです。そのことにお礼を伝えると、この観光タクシーを担当するため、ご当地検定(しらかわ検定)を受験しているのだとこっそり教えてくれました。

 公園内にある南湖神社では、定信公の石像がりりしい表情で白河のまちを見つめていました。

白河の街を見つめる定信公

 さてさて、この日乗せてもらったタクシーはとても個性的でした。「白河ラーメンタクシー」という大きなロゴ文字とともに、ラーメンの絵とご当地ヒーローが描かれています。車上に載った行灯(あんどん)も、なんとラーメンどんぶりの形! 極めつきは、運転手の祓川さんのネクタイもラーメンでした。

地元の名産を押し出したタクシー。これもご当地ならではです
人目を惹く「ラーメンネクタイ」

 そう、白河は喜多方市などと並ぶ福島のラーメン有名地。市街地にあるJR在来線の白河駅周辺をはじめ、いくつものラーメン店が軒を連ねています。今日のお昼も、お目当てはもちろん、ラーメン。混み合う時間を避けて、午後1時過ぎごろがいいのかな?と大ざっぱに考えていたところ、

「人気店は早々にスープがなくなってしまうこともあるので…。今から次の周遊スポットへ向かうんですが、よろしければ、その前に寄ってみましょうか。道中におすすめのお店があるんです」

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 売り切れを見越して、早めの時間に案内してくれる、日々地元を回っている運転手さんならではの心遣いです。しかも、連れてきてくれたのは駅から11キロほど離れたポツンと一軒名店「やたべ」。

地元の方から支持される人気店「やたべ」

 テレビで紹介されたこともある人気店のようですが、ラーメン通でない私にとっては、地元の人の案内無なしにはたどり着けないお店でした。

 田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家に来たような居心地の良さを感じる店内ですする看板メニューのチャーシューメンは、ちゅるちゅるの手打ち麺、澄んだしょうゆスープ、炭火で焼いた自家製のチャーシューと、何ともホッとするお味です。

透き通ったしょうゆスープが体に染みます

「気に入っていただけてよかったです。このお店、好きでよく来ているんですよ」と祓川さん。東京で人気のこってり系・進化系ラーメンもおいしいけれど、土地に根ざした趣を感じる白河ラーメンならではの魅力が引き立っていました。

 食後も、白河を知るタクシーの旅は続きます。

 たとえば、名所の一つ「白河の関」は、この地に紡がれてきた歴史の重層を知ることのできる場所です。

厳かな雰囲気のある白河関

 白河関は、8~9世紀(奈良時代~平安時代)ごろに機能していた国境の関所として、人や物資の往来を取り締まっていました。しかし、当時の律令制が衰退とともに機能を失い、世の移り変わりとともに、今度は都の文化人たちが憧れる「和歌の名所」へと変化していったといいます。

 この場所に今も息づく樹齢800年の「従二位(じゅにい)の杉」は、鎌倉前期の歌人で「新古今和歌集」選者の一人、藤原家隆が手植えしたとされる歴史的老木です。

藤原家隆が手植えしたとされる「従二位の杉」

 さらに時代が下って、江戸前期の1689(元禄2)年、俳人の松尾芭蕉はこの白河の地にたどり着き、「白河の関にかかりて旅ごころ定まりぬ」と、みちのく路の第一歩を踏み出した感動をしたためています。

 江戸後期の1800(寛政12)年、かの白河藩主・松平定信は時代考証の末、この地にかつて、白河関があったと断定し、「古関蹟碑」を建立しました。

古関蹟碑。定信公により建立されました

 一つの場所をめぐって、1200年超もの時間が流れる壮大なクロニクル。郷土の歴史を何としても記録にとどめようとする定信公の取り組みは、現代のわれわれと何ら変わらない歴史への敬意を感じさせます。いくつもの巨木が静かに屹立(きつりつ)する山奥で、思わず深いため息が漏れました。

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 その後も、源義経の伝説が語り継がれる「庄司戻しの桜」や、参道に数々の個性的でかわいらしい狛犬が鎮座する「鹿島神社」、源義家が林の下で休んだとされる「転寝(うたたね)の森」など、歴史ある名所をいくつも周遊。

個性的な表情の狛犬がお出迎え
鹿島神社。歴史を感じるたたずまいです
源義家が林の下で休んだとされる「転寝(うたたね)の森」

 自分一人でこれだけのスポットを調べてドライブコースを組み立てるのは、かなり大変そうだなというのが率直な感想でした。ましてや、運転だけでなく、各所の豆知識まで聞かせてくれる運転手さんは、初めての観光客にとって強い強い味方です。

慣れた足取りで林道を進む祓川さん。心強いです

 この日の最後に立ち寄ったのは、白河にゆかりの深い「だるま」について学べる体験型施設「だるまランド」。

定信公が根付かせただるま。今でも白河を代表する名物品です

 白河におけるだるまの起源とは? ここにも、かの定信公が深く関わっているのだそう。藩主として、何より城下の繫栄を願った氏は、縁起物であるだるまの製造技術を市民たちに根付かせたのだといいます。

 現在でも、毎年2月11日に開かれる「白河だるま市」には約15万人が訪れるなど、地域に欠かせない名物品として白河に定着しています。

思わず手に取りたくなる「だるまグッズ」がたくさん!

 だるま作りの工程を見たり、かわいいだるまのお土産を物色したりしているうちに、あ
っという間に午後3時半近く。楽しい白河巡りもそろそろおしまいの時間です。

 最後に、かつて定信も居城した「小峰城」へと立ち寄りました。戊辰戦争(1869年)白河口の戦いによって本丸御殿などが焼失し、今は三重櫓(やぐら)のみが復元されています。

本丸御殿跡地。遠くに復元された三重櫓(やぐら)が見えます

「本丸御殿も復元できたら、もっともっと観光客の人を呼び込めると思うんですよね」と祓川さん。最後の最後まで、地域のさらなる活性を願う熱い思いが垣間見えました。

最後まで丁寧に案内してくださった祓川さん。ありがとうございました!

 白河タクシー観光の料金は、2時間1万5000円。3時間2万1000円。6時間は4万2000円。タクシーなので、最大4人まで同乗できるので、友人同士の相乗り・割り勘にもぴったりです。

 午後4時過ぎに新白河から新幹線に乗れば、午後6時前には東京駅に到着。あるいは、さらに足を延ばして、仙台あたりで1泊し、翌日に宮城観光を堪能するのも楽しそう…。

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 白河タクシー観光は、観光庁が50億円の補正予算を計上した「域内連携促進事業」の一環。新型コロナウイルス禍で各地の観光事業が打撃を受ける中、地域に根ざす関係者らが連携し合って、地元観光資源の新たな活用を促す目的で進められている事業です。

 地元テレビ局である福島中央テレビ(郡山市)とガイドによる観光産業を生み出すEXest株式会社が共同で、地元のタクシー事業者を活用して“2次交通”の課題を解決する――というのが同企画の趣旨。2次交通とは、空港や新幹線の駅などの拠点から、観光スポットまでを結ぶ交通手段を指します。

 新白河駅は福島の中で「東京から1つ目の新幹線停車駅」というアドバンテージを持ちながらも、駅から各観光スポットまでの交通アクセスが十分でないという難点があり、これまで、集客に課題を抱えていました。

 今回訪れたスポットの中で、駅から最も遠い「鹿島神社」は車で30分。バスはあるものの本数が多くないため、車での移動が必須になります。レンタカーもいいけれど、地元を知り尽くした運転手さんのタクシーに乗るメリットは、上記でたっぷり紹介した通りです。

 ターゲットのイメージは、首都圏在住の20~30代会社員で、日帰りや1泊旅行を気軽に楽しみたい層。また、同じく首都圏に住む60代以上のアクティブシニア層とのこと。

「週末、福島に行ってきたんだ」と職場でお土産を配ったら、「えー、福島のどこ行ってきたの?」と会話が弾みそうです。この記事で紹介しきれなかった福島・白河のさらなる魅力を見つけに、ぜひ、皆さんも「日帰り福島」の旅に出かけてみてください。

 動く観光案内所・白河市に興味のある方はぜひ、WOW Uのアプリからお問い合わせください。
(動く観光案内所のへ申し込みはEXestが運営するWOW Uからとなります。)

動く観光案内所のへ申し込みはWOW Uのアプリから

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