東京の人口が1年で4万人も減少! 相次ぐ「地方転出」は吉と出るのか凶と出るのか

コロナ禍の影響などで、この1年間で約4万人が去った東京。その影響と未来について、フリーランスライターの小川裕夫さんが解説します。


企業の「概念」も大きく変化

 コロナ禍でテレワーク・在宅ワークの導入が進むと、毎日の通勤が必要なくなります。

「週1回、月に2~3回の出社なら、東京に住む必要はない」

と考え、住居費をはじめ生活コストが低く抑えられる地方へ住む人たちが増えるのは当然です。

地方移住のイメージ(画像:写真AC)




 テレワークや在宅ワークに切り替えて、会社勤めのサラリーマンが地方へ移住するのと同様に、企業そのものが東京から転出する状況も生まれています。

 帝国データバンク(港区南青山)の統計によると、2021年1~6月までの上半期に東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏から本社を他道府県へ移した企業が過去最多になりました。

 まだ下半期の集計は出ていませんが、7月以降も同等のペースで企業の転出が増えています。そこから類推すると、首都圏に本店・本社を置く企業が地方へと転出していく傾向は間違いないようです。これまで大企業は東京や大阪に本社・本店を置き、工場や倉庫などを地方に設けてきました。企業の概念が、コロナで大きく変わってしまったのです。

 本社・本店が地方へ移転すれば、当然ながら大口の取引先にも影響が出ます。また、下請け企業は営業的な観点から取引先についていこうとします。それが、さらに企業の地方転出を加速させるのです。

地方転出が生み出す正負の面

 企業が地方へ転出すれば、従業員も引っ越しを余儀なくされます。テレワーク・在宅ワークが進んでいるとはいえ、まったく会社に出勤しなくていいわけではないからです。

 また、職業や職種によっては出社しなければならない業務もあります。2021年に人口が減少し、企業が転出しているのは東京だけの傾向ではありません。大阪や名古屋といった大都市圏でも企業の転出・人口減少という兆候が見られます。

 そもそも、いまや日本全体が人口減少・高齢化という危機に直面しています。日本全体の人口が減少するなかでも、これまで東京だけは緩やかに人口を増加させてきたのです。

高齢化のイメージ(画像:写真AC)

 東京は人口増を続けてきましたが、これは「社会増」と呼ばれるものです。社会増とは、ほかの道府県から流入してきたことで人口増になったことを意味します。一方、単純に出生・死亡で人口の増減を見ると、東京都の出生率は全国でも常に下位です。つまり、東京の人口増は他道府県から吸い取っているにすぎないのです。

 これまで大都市は、経済のけん引役を担ってきました。大都市が人口を減少させると、経済や生産力にブレーキがかかってしまうのではないか? そんな心配も起きています。

 そうした懸念を抱くことは無理もありません。しかし、大都市への人口偏在が是正されることで、国土の均衡ある発展につながります。それが結果的に国全体を豊かにします。短期的に見れば、人口減は東京にマイナスです。しかし、長期的な視点で見れば企業や人口が地方へ分散されることは東京にプラスの作用をもたらします。

人口「自然増」達成のために必要なこと


【画像】多い?少ない? 東京都の「人口減少」を見る

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2022/01/220105_jinko_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2022/01/220105_jinko_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2022/01/220105_jinko_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2022/01/220105_jinko_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2022/01/220105_jinko_03-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2022/01/220105_jinko_04-150x150.jpg

おすすめ

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画