結婚指輪も自販機で買う時代 設置から9か月、千駄ヶ谷「JAM HOME MADE」に聞く「誰が買ってる?」
結婚指輪に求められる「記憶や経験」 2018年3月、千駄ヶ谷に東京店を移転リニューアルした人気宝飾ブランド「JAM HOME MADE(ジャムホームメイド)」。同店はリニューアル後、ファッション業界初となるリアルとバーチャルの融合店舗として大きな話題を呼びました。また同様に注目されたものも。それは同店入口に設置された結婚指輪の自動販売機です。 JAM HOME MADE東京店の外観。右手に見えるのが結婚指輪の自動販売機。ロッカー型になっており、中から指輪を取り出す(画像:JAM HOME MADE)「人生をともに歩もう」と互いの意思を固めるための結婚指輪。なぜ自動販売機で買えるようにしたのでしょうか。しかも24時間対応だといいます。同店に聞きました。 「結婚指輪に対する価値観が変化したためです」 こう話すのは、JAM HOME MADE東京店(渋谷区千駄ヶ谷)を運営する「JAM HOME MADE」(同)の広報担当者です。 一般的に数十万円するイメージがある結婚指輪ですが、同社によると近年、価格よりも指輪にまつわる「記憶や経験」について価値を見出すカップルが増えてきたといいます。そのような背景からリニューアルをきっかけに「野菜の無人販売機」をイメージして、ロッカー型の自動販売機を作ったそうです。 購入できる結婚指輪は手作り指輪キットの「名もなき指輪」で、価格は9720円。同社が2012年から販売するベストセラー商品です。箱を開けると、楕円状に歪んだ8種類のサイズの指輪(ステンレス製)と南京錠、木の棒、木づちなどが入っています。 販売機で売られている結婚指輪キットの中身(画像:JAM HOME MADE) 8種類のなかから自分の指にあったサイズを選んだあと、指輪に添付の木の棒を通し、木槌で叩いて真円に仕立てます。この作業をふたりで楽しむことが「記憶や経験」につながるというわけです。店舗近くにはこれらの作業を行うワークスペースが確保されています。 写真左は「愛のしるし」の南京錠をかけるイメージ(画像:JAM HOME MADE) 古くから永遠の愛のしるしとして、フェンスや橋に南京錠をかける儀式がありますが、その南京錠もキットに含まれていて、ふたりの未来を誓い合うことができます。 南京錠は店舗のファサードに飾ることができ、ほかの指輪の購入者と店舗の外観を共有できるようになっています。 「購入者は真面目な人が多い」「購入者は真面目な人が多い」 販売から9か月が経った現在、どのような人が買っているのでしょうか。 「販売当初は、1日に1個がコンスタントに売れていました。現在では2~3日に1個程度です。印象的だったのは、男性が交際を始めた記念日に女性をサプライズで連れて来られたり、数カ月に1度しか会えないという遠距離カップルが買われたりしたことです。 大阪や九州から来られる方もいらっしゃいますし、留学中の外国人などもいらっしゃいます。もっとユニークな買い方をされると思っていましたが、皆さん、割と真面目です(笑)。購入方法は変わっても、結婚というライフイベントに対する価値観は、まだ変わっていないのかもしれません」 同社では今後も販売に力を入れていくといいます。 ●JAM HOME MADE東京店 ・住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷2-38-2 ・アクセス:副都心線「北参道駅」から徒歩10分、JR「千駄ケ谷駅」から徒歩11分 ・営業時間:12:00~19:30 ・定休日:不定休
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