実は伊豆諸島近海にもあった「サンゴ礁」 なぜ今まで忘れ去られていたのか?

伊豆諸島近海に大量のサンゴが眠っていることをご存じでしょうか。にもかかわらず、それらはなぜ陽の目を浴びなかったのでしょうか。離島ライターの大島とおるさんが解説します。


八丈島近海にもあったサンゴ

 まだ多くのサンゴが眠っていると考えられていた付近の海で、戦後になってから調査が行われました。昭和20年代に幾度か行われた調査では、鳥島近海だけでなく八丈島近海でも、大量のサンゴが眠っていることが明らかになりました。

伊豆諸島の鳥島(画像:海上保安庁)




 しかし現在に至るまで、八丈島がサンゴ漁で栄えたという話は聞きません。漁が発展しなかったのは、どういう事情があったのでしょうか。

 当時の資料には第一の理由について、中国との国交が回復していないことが挙げられています。もともと中国ではサンゴは宝飾品として珍重されており、工芸技術も発展していました。そのため、戦前は採取したサンゴの輸出先となっていました。

 しかし、戦後は国交が途絶した状態になって輸出が困難に。そのため採取しても買い手が少なく、採算が合わなくなってしまったのです。こうして前述の密漁事件が話題になるまで、伊豆諸島のサンゴはほぼ忘れられた存在となっていたのです。

トビウオとカツオの漁場

 サンゴ漁で栄えなかった八丈島ですが、戦後になり、輸送手段が発達するにつれて、内地で消費される魚の漁場としての地位を確立していきます。

 八丈島産の産物で、早くから内地で知られるようになったのがトビウオです。

 八丈島では春になると産卵のために多くのトビウオが近海にやってきます。八丈島では「春とび」と呼ばれるトビウオも、今では水揚げされてすぐ豊洲市場(江東区豊洲)へと運ばれてきます。

鳥島と八丈島(矢印)の位置関係(画像:(C)Google)

 そんなトビウオ以上に東京の人たちが価値を感じるのは、カツオでしょう。春になると「初ガツオ」という文字がスーパーマーケットの店頭を飾るのは、江戸以来の伝統です。その初ガツオのなかでも、もっとも早くやってくるのが八丈島産です。

 これらの魚は水揚げされた後、東海汽船(港区海岸)が運航する貨客船・さるびあ丸に積み込まれて、そのまま竹芝桟橋へと運ばれます。

総漁獲量の大半が島しょ海域から


【画像】絶海の孤島「青ヶ島」を見る

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