東大赤門近くに堂々の存在感! お堅い名前の「東京大学史料編纂所」とは何か

東大赤門を入ってすぐのところにある東京大学史料編纂所。同所ではいったい何を行っているのでしょうか。ライターの近藤ともさんが解説します。


内部組織はどうなっているのか

 編纂所は

・古代史料
・中世史料
・近世史料
・古文書・古記録
・特殊史料

の各部門が史料の研究と編纂を行っています。

 そのほか「前近代日本史情報国際センター」や「画像史料解析センター」「技術部」「図書部」「事務部」で構成。画像史料センターでは絵画や画像史料の解析を、技術部では資料保存室が史料の修復や写真化などを担当。時流にそったデジタル化も図られています。

 編纂所に所属する研究者は東京大学の教員(教授・准教授・助教)で、60人近くに上ります。ほとんどが編纂所の専任ですが、ほかの学部との兼任教員もいます。各部門が編纂する史料や種類別にいくつかの部屋に分かれており、それぞれに数人ずつが所属。

 史料の閲覧を希望する人は、図書室への申し込みが必要です。図書室に開架されているものは影写本(筆跡をそっくり写し取ったもの)で、そのほかのものは請求して出庫してもらわねばなりません。また、貴重書は事前の申請が必要で、当日の申し込みは認められません。

 編纂所に来なければ見ることのできない史料も多く、日本史の、特に前近代の研究者はこの図書室に通います(2021年9月現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、学外者の利用は停止されています)。

100年後も終わらない仕事を手がける人たち

 次に、編纂所で編纂されている史料集をいくつか紹介します。

 まず、『大日本史料』です。これは編纂所での一番大きな仕事だといえるもの。歴史上の重要事件を「綱文」と称する事件の概要をあらわす文章で示し、その関連史料を列挙した資料集です。事件に関連して出された文書、事件を知る人が書き残した記録、系図や家譜、後世の著作や地誌などさまざまな事項を、推移がわかりやすいように整理しています。

 具体的には、887(仁和3)年から1867(慶応3)年までの約980年を16の編にわけて編纂していますが、現在ようやく第12編(江戸時代初期)までが着手されたところ。年1冊のペースで刊行されており、すべての編纂が終わるまであと100年はかかる見込みです。気の遠くなるような作業なのです。

東京大学史料編纂所のウェブサイト(画像:東京大学)

『大日本古文書』には、正倉院文書を中心に奈良時代の文書を年次の順序に収めた「編年文書」、寺社や諸家の文書を所蔵者ごとにまとめた「家わけ文書」、ペリー来航以降の「幕末外国関係文書」の3種類が存在します。

 このほかにも『大日本近世史料』『大日本維新史料』『維新史料綱要』『正倉院文書目録』『日本荘園絵図聚影』などの史料が出版されています。いずれも収集してきた古文書や古記録を読み解き、そこに書かれている事項や人物に関して明らかにする細かな作業を経ています。

編纂所のあゆみ


【画像】「東京大学史料編纂所」を見る

画像ギャラリー

/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_04-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_05-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_06-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_07-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_08-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_09-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_10-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_01-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_02-150x150.jpg
/wp-content/uploads/2021/09/210915_todai_03-150x150.jpg

New Article

新着記事

Weekly Ranking

ランキング

  • 知る!
    TOKYO
  • お出かけ
  • ライフ
  • オリジナル
    漫画