客の奪い合いにならないの? 新大久保周辺にエスニック食材店が20軒も密集している理由
2021年9月12日
お出かけ新大久保に8月、エスニック食材店が新たにオープンしました。それにしてもなぜ、このエリアはエスニック食材店の超激戦区になっているのでしょうか。アジア専門ライターの室橋裕和さんが解説します。
卸会社がマーケティングのために実施
「新大久保にはね、勉強のために来たんですよ」
味庵さんはそう言います。
和新トレーディングはエスニック食材店や、それにインド・パキスタン料理レストラン「シディーク」なども手がけていますが、もともとは問屋。パキスタンからスパイスやマンゴー、お茶、ジュースなどを輸入して、エスニック食材店に卸しています。
「新大久保でこういう店をつくって、何が売れるのか、どんな商品が人気なのか、リサーチして貿易に生かしていきたいんです」
いわばマーケティングの一環。エスニック食材店が密集し、日本在住の外国人も、スパイスや異国の味に興味がある日本人も集まってくる新大久保にナショナルマートという窓口を開き、そこでトレンドを見極めて、輸入業の一助にしていこうという考えなのです。

実際、新大久保に集まっているほかの食材店も、店単体で商売しているというよりは、やはり卸も兼ねているところが多いようです。小売りをすることで世の需要をうまくキャッチする目的があるのです。
「それに新大久保はいまでは、イスラム教の国やアジアの国の大使館関係者が買い出しに来る街でもあります。大使自らやってくる国もあるくらいなんです」
確かにイスラム横丁のあたりでは、ときどき青い外交官ナンバーをつけた高級車を見ます。当然、店を構えていれば彼らVIPとつながりも生まれるし、ビジネストークの機会にも事欠かないというわけです。
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