新大久保「伝説ラーメン店」に出会って人生一転 元歌舞伎町ホストが常連に叱咤激励されながら紡ぐ伝説のDNA【連載】ラーメンは読み物。(3)
2021年9月10日
ライフ雨後のタケノコのごとく生まれ、そして消えてゆく都内のラーメン店。そんな激しい競争を勝ち抜いた名店を支える知られざる「エネルギー」「人間力」をフードライターの小野員裕さんが描きます。
修行先は東池袋大勝軒
花田さんはホストとして歌舞伎町で働いているとき、たまたま入っためときの味に衝撃を受けました。そして、
「この店に弟子入りしよう」
と思い立ち、その飲食店をキッパリ辞め、退路を断った上でめときの主人に弟子入りを志願しました。しかし丁寧に断られました。
「うちと似た味だったら、永福町の『大勝軒』に頼んでみたら」
と言われたこともあり、永福町大勝軒で働こうとしましたが、残念ながら当時、バイトを募集していませんでした。
そこで同じ屋号の東池袋大勝軒へ弟子入りをすることに。しかし永福町大勝軒と東池袋大勝軒は系列店ではありません。花田さんは勘違いしていたのです。
「ラーメンの知識がなくて、同じ店名だから系列店だと思っていたら、まったく違う店だったんですよ」
でも、その勘違いで奥さまと知り合えたのだからなによりです。

花田さんは東池袋大勝軒で2年ほど懸命に働き、スープと麺打ちを任せられるまでに。その後、煮干しスープの作り方を学ぶために、とある煮干しラーメンの名店でさらに修行を積みました。そして2019年4月19日、上北沢にはな田をオープンしました。
花田さん、実は修行を断られてもめときに通い続けていました。そして、その味を舌にたたき込み、プロの現場で磨きをかけ、納得できるクオリティーとして再現したのです。もちろん、はな田オリジナルの味わいも加味されています。
はな田のラーメンは、煮干しの効いたスープに300gの麺。スープの表面を覆う熱々のラードは知らないですすると、少しやけどをするほどの熱さです。具は焼き豚に、肉そぼろの絡まるメンマ。海苔、みじん切りのネギにナルト、ゆずの皮で風味付けされています。
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