原宿のショップも閉店――平成の“ファンシー文化”を支えた「サン宝石」が、少女たちに残した偉大なる功績とは
2021年9月5日
ライフ 2021年8月に民事再生法の適用を申請した「サン宝石」。小中学生向けのアクセサリーや雑貨を製造販売し、多くのファンを魅了してきました。同社が平成の時代に残した偉大な功績とは? コラムニストの佐倉静香が同社の歴史をたどります。
ラフォーレや109より気軽に入れた
筆者はファンシーポケットが開店した頃はすでに大人でしたが、妹が地元から長期休みで遊びに来た際、一緒に訪れたことがありました。

ラフォーレ原宿(同区神宮前1)やSHIBUYA109(同区道玄坂2)より敷居が低く、大人過ぎないけれど身に着ければ普段の自分よりちょっと“大人”になれそうなイヤリング、コスメ、学校で話題になりそうな文具。
それらが数百円で買えてしまう店内を見て「この時代に生まれたかった……」と心底思ったものでした。
ファンシーポケットはその後、各地に出店。テレビなどのメディアでも紹介され、ますます人気となっていきました。
新キャラ「ほっぺちゃん」が人気に
2010(平成22)年には、サン宝石を代表するキャラクターも誕生しました。しずくのような形につぶらな瞳とキラキラほっぺ、プニプニとした感触の「ほっぺちゃん」です。
「ほっぺ母」(同社スタッフ)たちがひとつひとつ手作りしているオリジナルのキャラクターグッズでした。もとはキーホルダーのような素朴なものでしたが、これが人気となると、さまざまな派生グッズも登場。
「戦国武将バージョン」「ご当地バージョン」などのほか、同じく山梨発祥の企業であるサンリオとのコラボ商品も展開。「ハローキティ」「マイメロディ」の着ぐるみをかぶったようなほっぺちゃんが人気を集めました。
また、こうした既存のスタイルのグッズだけでなくコンシューマーゲーム(Nintendo 3DS)のキャラクターに採用されたことも。ほっぺちゃんの専用サイトでファン同士が交流を深めることもありました。
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