港区の工事現場に謎の謝罪看板――虚無感あふれる「ヒヨコ」の表情に共感する人多数「感情がどっか行った」

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港区の工事現場に謎の謝罪看板――虚無感あふれる「ヒヨコ」の表情に共感する人多数「感情がどっか行った」

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あっと驚く衝撃の場面、感心させられる発見や豆知識、思わず涙を誘う感動の出来事……。SNS上では毎日、新鮮な話題がいくつも発信されています。そのなかから「東京」に関連するものを厳選してご紹介します。

工事現場で必ず見かける看板だけど

「ただ今工事中。ご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いいたします。」

 街なかの、工事作業が行われている場所近くで必ず見かける立て看板。

 人間の作業員が頭を下げている絵や、工事中であることを表すピクトグラムが添えられていることが一般的ですが、このたび東京都内で発見されたのは、ラフなタッチで描かれたヒヨコのイラスト。

 少ない線と少ない色で表現されたその表情からは、ヒヨコがどのような感情を抱いているのか、そもそもなぜヒヨコなのかを解釈することは容易ではありません。

「謝りすぎると人って……」

 この看板の画像をツイッターに投稿したのは、東京都内の会社に勤務しバラエティー番組のADを務めている ちまき(@agumilk)さん。

なぜヒヨコ? 東京都内で発見されたナゾの工事現場の看板(画像:ちまきさんのツイート)



「謝りすぎると人ってこうなるんか」

というつぶやきを添えてアップしたところ、9000件超のいいね とともに(2021年9月3日13時30分現在)、

「感情がどっか行った」
「人間辞めてるじゃん」
「イラストのタッチは柔らかめなのに明朝(みんちょう)体を使っている所が、よりひよこの喪失を感じさせる」

などと共感のリプライ(返信)が相次ぎました。

「疲れてるヒヨコがいる」思わず撮影

 ちまきさんによると、この看板を見つけたのは港区内にある会社の近く。

 自転車通勤をしている途中、「そろそろ着くなぁ」と思っていたところにこの看板が目に飛び込んできたといいます。

「遅刻しそうだったので、シャーっと通り抜けたのですが、脳裏にこのヒヨコの顔が焼き付いてしまい、思わずUターンして写真を撮りました。工事現場の人が『なんで?』という顔で見ていました」

 このイラストを見たときの第一印象は「疲れてるヒヨコがいる」だったそう。

「黄色の、いわゆる体毛の上にさらに毛が5本あるんです。これがなんというか、『疲れているのかな』と感じさせたんだと思います。ちょっと寝起き感があるというか。そもそもヒヨコなんでしょうか? めちゃくちゃかわいいです」

 多くの場合は、人間の作業員の絵が描かれている工事現場の看板。人間の場合とヒヨコの場合、どのような違いが感じ取れるものなのでしょう。ちまきさんに見解を尋ねたところ、

「あらゆる職業の人たちは誰かのために働いているので、こういう風に謝らなくていいのになと普段から思っているのですが、このヒヨコに関しては『なぜ君が謝っているの?』と思いました」

「でも(看板を見て)『もちろん協力するし、ご迷惑なんて思わないから、そこに立っていないでいいよ』という気持ちになったので、効果は抜群なんじゃないでしょうか?」

とのこと。

 ちなみに、バラエティー番組のADをやっている ちまきさん自身は、仕事で謝る場面はあるのでしょうか?

「『大変申し訳ございません』と入力しすぎて、人さし指にキーボードの『T』が転写されています。本当に本当に申し訳ないとき、このヒヨコのような顔でラインを打っています。そう考えるとこのヒヨコも辛いことがあったのかもしれません」

ヒヨコ看板の効果は絶大?

 最後に、あらためて今回の看板に対する率直な感想を尋ねてみました。

「このヒヨコを描いていらっしゃるのはどなたなのでしょうか? また、看板に起用した方の判断もすてきです。ツイッターのリプライで犬バージョンの看板を送ってくださった方がいたので、そういう情報を知っている方がいたら知りたいです」

 工事への協力を取り付けるだけでなく、見る人の目に焼き付けて離れないヒヨコのイラスト。看板の効果は絶大だったといえるのかもしれません。

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