私の足はおかしいの――? 「靴の痛み」に苦しみ続けた東京アラサー女性、やっと見つけた解決策とは

  • ヘルスケア
私の足はおかしいの――? 「靴の痛み」に苦しみ続けた東京アラサー女性、やっと見つけた解決策とは

\ この記事を書いた人 /

アーバンライフメトロ編集部のプロフィール画像

アーバンライフメトロ編集部

編集部

ライターページへ

身体にまつわる悩みやコンプレックスは人それぞれ。当の本人でないと分からないことが多分にあります。今回、東京に住むアラサーの会社員女性が、自身の体験談を話してくれました。

身体のコンプレックスは人それぞれ

 身体にまつわる悩みやコンプレックスは、当の本人でなければ分からないことが多分にあります。

 モデルのようなスタイルを他人がうらやましく感じても、本人はいくら食べても太れない体質に気を揉んでいるかもしれないし、小柄な背丈がかわいらしく見える女性が、いつまでも子どもっぽく見られることを受け入れがたく感じているかもしれません。

 人とは違って当然の自分の身体について深く悩み、「自分の体はどこかおかしいのではないか」と思い詰めてしまった経験があるという人も、少なくないのではないでしょうか。

 こうした悩みをもし、洋服など身につけるアイテムで少しでも解消できたなら。自分自身の体型や存在そのものを、より肯定することにつながるかもしれません。

 東京に暮らすひとりの女性が今回、かつて自身が抱えていた身体の悩みを打ち明けてくれました。悩みを持つさまざまな人にとっての示唆(しさ)に富む、彼女の体験談を紹介します。

ヒールは「大人の仲間入り」のはずだった

 その女性はこれまで一度も、自分の足にぴったりと合う靴に出合ったことがないといいます。

自分に合う靴が見つからない女性のイメージ(画像:写真AC)



 東京に住むアラサー会社員のA美さん。スニーカーなどゆったりした靴を履く機会の多かった学生時代をへて、社会人になるとヒールのある靴を選ぶ機会がめぐってきました。

 彼女にとってヒールを履くのは「大人の仲間入りを果たせたような、うれしい気分になること」。初めて購入したときの新鮮なドキドキを今もよく覚えているといいます。

 しかし、彼女は今まで味わったことのない違和感をおぼえます。選びに選んで買ったはずの1足が、実際に履いて外出し歩いてみるとカパカパしてすぐ脱げてしまったのです。

 人混みの行き交う都心をうまく歩けず、指先はどんどん痛くなってゆく。そのうえ、歩いている最中に思い切り足をひねってしまい、あやうく捻挫(ねんざ)しかけたことも1度や2度ではありませんでした。

どうしても自分に合う靴が見つからない

 足の甲部分にストラップの付いたタイプだと脱げにくいと聞き、試してみたこともありました。しかしそれでも「脱げてしまう」状況は改善されませんでした。

 ヒールがあるタイプがダメなのかとフラットパンプスに変えてみたこともありましたが、くるぶしがスポッと抜けてしまい、歩きにくさは変わりません。

 また靴が脱げてしまうのではないか――。足元に意識を向けてかばうようにして歩くため、足取りもおぼつかず、移動に時間が掛かってしまう。あこがれだったはずのパンプスがいつしか履くのをためらう対象に変わり、彼女は憂うつを抱えるまでになっていきました。

「そんなに脱げてしまうなら、もうワンサイズ小さな靴を買えば済むんじゃない? と思われるかもしれませんが、それでもやっぱり解決はしなかったんです」とA美さん。

 彼女の足のサイズは24.5cm。女性の平均的なサイズと比べると、たしかに決して小さい方ではなさそうです。

 そのため靴を購入するときは、S・M・Lなら仕方なくいつもLサイズ。さらに、親指よりも人差し指のほうが長い、いわゆる「ギリシャ型」の典型ともいえる形状をしているため、つま先が少しとがった靴でないと人差し指の先端がきつくて長時間履けなくなってしまう。

 サイズだけでなくデザインも、「これ」と思えるものに出合うのは至難の業でした。

「手頃な価格のパンプスを何足も買って、結局履けずに捨ててしまったことも何度もありました。思いきって、百貨店に入っている靴屋さんで足のサイズを計測してもらって、ちょっと高いパンプスを買ってみたこともあります」

 それでも、自分に合う靴がどうしても見つからない。

「社会人になって以降、買っては捨ててを15足以上は繰り返してきたと思います」

 おしゃれは足元から――。ファッション誌や店頭の広告ポスターに書かれているそんなキャッチコピーも、自分には無縁の世界だとずっと思っていました。

専門店で告げられた思わぬ診断結果

 彼女に転機が訪れたのは、何気なく入った書店で1冊の本を見つけたこと。

『その靴、痛くないですか?』。A美さんに問いかけているようなタイトルに思わず引き寄せられ、パラパラとページめくってみると、まるで自分のことが書いてあるかのような内容。

 帰宅してすぐに著者名をインターネットで検索すると、神戸で創業した120年超を超える老舗がヒットしました。新宿区内に店舗があるのを知り、すぐさま予約。“靴を売らない靴屋”として、足や靴についてしっかりと診断しアドバイスしてくれる専門店でした。

 計測のために靴を脱いだ瞬間、「あぁ~、この足だと靴選ぶの大変でしょう~」と担当者がひと言。

「やっぱり足の指が長過ぎるのかな? サイズも大きいのかもしれない……」。自分の中の心当たりをいくつか探しましたが、診断の結果は彼女にとって思いもよらないものでした。

さまざまなタイプの女性用の靴のイメージ(画像:写真AC)



 それは「足幅がものすごく狭く、さらに、くるぶしもものすごく小さい」というもの。

 足幅は、通常AからEまでのアルファベットを用いて表され、最も狭いものはAAA、逆に広いものはEEEと測定されます。

 A美さんの足は、最も細いAAAでした。一般的なアパレルショップや靴店に並ぶ商品は足幅E~EEが中心。彼女の足に合うパンプスは、基本的に市販品で探すのは極めて難しいということを初めて知ったのでした。

初めて自分の合う靴に出合えた!

 足幅が狭い人向けのパンプスを作っているメーカーの靴を試着させてもらったA美さん。

 初めて履いたときの感動は忘れられないといいます。「パンプスってこんなに足にフィットするものなの!? って、本当にものすごく驚いたんです」

 これなら全力疾走だって簡単だ。足にぴったりフィットしていると、歩いても足から靴が離れないんだ――。

 ほかの人からすればごく当たり前のことであっても、A美さんにとっては“初めての体験”。心の底から感動をおぼえました。

 そして同時に、逆に今までどれだけ足に合っていない靴を履いていたのかを痛感させられました。

ようやく、自分の足に合う靴の見つけ方が分かった(画像:写真AC)



 自分の足のサイズがきちんと分かったことで、A美さんの靴選びは180度変わりました。パンプスやブーツなどのヒールのある靴は、足幅・サイズに合わせてオーダーメイドできる店を利用するようになりました。

 サイズだけではありません。デザインや素材、色も、たくさんの種類の中から選べます。靴でおしゃれを楽しむ体験を、ようやく手に入れることができたのでした。

「これまで値段の安い靴ばかり買っていた私にとって、オーダーメイドの靴は正直、決して気軽に買える値段ではありません。でも、自分の足に合っているというだけですごく愛着が湧きますから、これまで以上に丁寧に扱おうという気持ちにもなりました」

誰しもひとつやふたつ悩みはある

 何よりパンプスを履いて出掛けるのが楽しくなり、長時間歩いても疲れなくなったというA美さん。もうひとつ、“うれしい誤算”がありました。

 24.5cmだった足のサイズが、24.0cmにダウンしたのだそう。

「今までベターっと広がっていた足が、足に合う靴を履くことできちんとアーチ形を描くようになって、サイズが小さくなったみたいです」

 A美さんの場合、たまたま書店で出合った1冊の本によって自分の悩んでいたことの根本原因にたどり着き、解決につなげることができました。

 自分の足に合う靴が見つかる。たったそれだけのことかもしれませんが、A美さんにとっては「気持ちがすごく軽くなり、毎日を前よりハッピーな気持ちで過ごせるようになった」体験でした。

※ ※ ※

 足幅やそのサイズに限らず、また当然ながら女性に限らず、誰しもひとつやふたつ何かしらの身体の悩みを抱えていることでしょう。

 それらの悩みを解消するためのサービスやアイテムは現在、数多く取りそろえられるようになっています。

「そういったアイテムの力を借りてひとつずつ悩みを解消することで、自分に自信を持って生活していけるようになったらと、体験者のひとりとして願っています」とA美さんは話しています。

※記事の内容は、関係者のプライバシーに配慮し一部編集、加工しています。

関連記事