昭和レトロはもう古い? 若者が今「平成文化」にどハマりする理由

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昭和レトロはもう古い? 若者が今「平成文化」にどハマりする理由

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現在、学生を中心に平成のものを懐かしむ「平成レトロ」が流行っています。いったいなぜでしょうか。

「平成レトロ」を広めるふたつの世代

 令和の現在、平成はすでにレトロと呼ばれる時代になっています。最近は学生を中心に1990年代あたりの文化を楽しむ「平成レトロ」が流行しています。今回は東京在住の大学生である私が、今はやりの「平成」について語ります。

 平成レトロを広めているのは、「ミレニアル世代」「Z世代」と呼ばれるふたつの世代です。

 ミレニアル世代とは1981(昭和56)年以降に生まれ、2000(平成12)年以降に成人を迎えた世代です。日本だと20代前半から30代後半くらいの年齢の人々を指します。彼らは子ども時代に平成カルチャーを経験しています。学生時代からスマートフォンを使いこなし、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムなどのSNS利用にも積極的です。

 一方、Z世代とは1996年から2015年の間に生まれた世代を指します。デジタルが当たり前の時代に生まれてきたことから「デジタルネーティブ」とも呼ばれます。令和の始まりと同時に社会に出て、新しい時代を切り開く世代とも言えます。

 そんな彼らが広める平成レトロを、五つご紹介します。

1.写ルンです。

 スマートフォンが出てから好きな時に好きなだけ写真が撮れるようになりました。しかし、平成レトロを楽しむために「写ルンです。」を使う若者が急増しています。

「写ルンです。」と専用ケース(画像:ヴィレッジヴァンガード)



「写ルンです。」は東京のさまざまな場所で売られています。また、スマートフォンで撮った写真をわざわざアプリで「写ルンです。」風に加工して、SNSに投稿する人もたくさんいます。

 何気ない日常を切り取っても、平成レトロな画像加工を行えば、エモい写真が撮れると若者の間で人気です。

2.喫茶店

 SNSでどこか懐かしさを感じさせるオーソドックスなクリームソーダや、固めのカスタードプリンなどを見たことがあるでしょうか?

 最近では「#レトロ喫茶店」「#純喫茶」などをつけて投稿することが多いようです。東京には下北沢や荻窪などさまざまなところにインスタ映えするような、一昔前の雰囲気が漂う喫茶店があります。

純喫茶のイメージ(画像:写真AC)



 最近はコロナ禍の影響もあって余計に人との関わりが少なくなってしまいますが、このような場所は温かみあふれる居心地の良い場所として注目されています。

3.銭湯

 令和となった現代でも、東京にはまだまだレトロな銭湯がたくさんあります。このような場所はチルい雰囲気を求める若者に大人気です。

銭湯のイメージ(画像:写真AC)

 チルとは大きな目的を持たずにくつろいだり、落ち着いたりすることです。エネルギーの発散ではなく、よりゆったりした時間を過ごしながら、リラックスすることや休むことを重視する若者が増えています。

 また、年季が入った家具や壁などの内装からエモい雰囲気を感じられることも人気の理由。銭湯のような場所は彼らにとって新しく、知らない魅力がたくさんあるのです。

4.アナログさ

 現在はスマートフォンで音楽を聴く人が多く、デジタルのみで配信するアーティストもいます。

 しかし若者に人気のアーティストたちがあえてレコードやカセットを発売したことでアナログの魅力に注目が集まりました。また、曲調にもレトロさを取り入れ、現代風にアレンジする傾向があるようです。

アナログレコードのイメージ(画像:写真AC)

 このような曲を流しながら休日に友人とチルい時間を共有し、ゆったりした時間を楽しむ若者がたくさんいます。

5.デコる

 平成では「デコる」という言葉がはやっていました。ガラケーにキラキラしたシールを貼って楽しんでいた人もいるでしょう。

 最近はDIYや、SNSで「デコる」ブームが再熱しています。一昔前のアニメのイラストステッカーを周りに貼って楽しんだり、マスクに飾りつけをしてみたり、自分らしさを出したデコレーションが人気です。

 東京はコロナの感染者がかなり多く、マスク生活がまだ続くと考えられます。しかしマスクをアレンジすれば外出時の少し気分を上げられるのではないでしょうか。

なぜ平成レトロが今人気か

 このような平成レトロはなぜ現代の若者に人気なのでしょうか。大学生である私が考える要因はふたつあります。

 ひとつ目は少し一昔前のものを使うことで、他の人とは少し違うことを示す機会になること。SNSの台頭でり、他人から注目してもらいやすいものを好むようになったのです。

 他人と同じものよりも個性を大事にする若者にとって、平成レトロは魅力的であるため、人気があると考えられます。

渋谷のスクランブル交差点(画像:写真AC)



 ふたつ目は、平成時代のものを利用することで少しだけタイムスリップしたかのように感じられること。

 自分たちが幼い頃にはやっていたものを積極的に取り入れてシェアすることで、「それ懐かしいね」「かわいい」とコミュニケーションのきっかけにもなるのです。

 東京は特に人間関係が希薄と言われていますが、目的も無く仲間とのんびり時間を過ごしたり、非日常感を求めたりする若者が多いことも人気の理由だと言えます。

懐かしさと共感が魅力

 ここまで平成レトロについて解説してきました。平成の時代を生きていた人は懐かしさを感じたり、共感したりする部分が多かったのではないでしょうか。

 東京にも平成レトロを感じられるスポットはたくさんあります。これを機にぜひ平成レトロを存分に味わって自分なりに楽しんでみてください。

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